竹虎(http://www.taketora.co.jp/)というサイトをご存知でしょうか。
オンラインショッピング大賞やEC協議会で賞を受賞された竹虎さんは高知にあるインターネットショップです。
虎斑竹(トラフダケ)といって山岸さんの会社がある山にしか生えていない虎模様の高級竹を材料とした竹製品を製造・販売されていて、ネット事業をはじめる前は、レストランや商業施設などB2Bの販売をメインとされていたそうです。
代表の山岸さんにはじめてお会いしたのは2001年秋でした。第一印象は「とても声の大きい元気な人」
今では年に数回しかお会いできませんが、今の印象も初めての山岸さんと変わることなく「とても声の大きい元気な人」です。
その印象とは反対に、インタビューで詳しくお話をうかがうと竹虎サイトを今の状態に育てるために、非常に苦労をされて大変だったんだなぁ、という印象をうけました。
インタビューの場所は、まだ引越しされたばかりでWeb関係のスタッフが常駐される「分室」にあたる事務所です。ネット環境やセキュリティーが万全のステキなオフィスでした♪
スタッフ採用までの苦労
床 山岸さん、こんなステキで広い事務所に5名しかいらっしゃいませんが、全員で5人体制なのですか?
山岸氏(以下敬称略) いいえ。ここにいるのはネットショップでもフロントまわりの業務、つまりWebを制作したり、メルマガを書いたり、、と制作や販促担当のスタッフだけで、実際にお客様からいただくご注文やご質問に対応する担当は本社に勤務しています。
床 今はどういった組織で竹虎の業務をされているのですか?
山岸 Web分室での業務は、Web制作:5名(山岸さん含む)、本社での業務は、受注処理・お客様対応:2名、入金管理などする経理:1名、実際に商品をつくる職人:6名、発送と実店舗の担当者:6名(ネット以外の販売も兼任)です。
床 総勢で20名もいらっしゃるんですね。以前お話を聞かせていただいたときは、しばらくおひとりで運営されていたということでしたが、ネット関係のスタッフを雇われたのはいつですか?
山岸 2003年11月です。
床 即答ですね。
山岸 ええ、売上表を見れば一発でわかるんですよ。
(*手元にある過去の売上表を見ながらお話する山岸さん)
床 売上表を見たらスタッフの採用時期までわかるんですか!?
山岸 もうねぇ。スタッフの採用時期だけでなく、うれしいこと、辛かったこと、その時の気持ちを鮮明に思い出しますよ!
(*引き続き、売上表を確認されながら・・)
ネットショップを開設したのは1997年でした。ただ運営方法とかもよくわかっていなかったので、売上もそこそこでした。それからほそぼそと4年ほど運営していたものの2001年の春の売上は月16万円程度でした。
床 それから半年後の2001年10月に滋賀県で開催した合宿講座に参加してくださったのですね。
注)床が当時スタッフをしていた講座「うりうり教習所」(http://www.sansokan.jp/uriuri/)
山岸 そうです。講師の有名ネットショップ店長さん達と初めてお話をさせてもらって、帰り道で、本などもそれまでに読ませていただいてあこがれていたイージーの岸本さんに「がんばれ」と缶コーヒーを買ってもらって写真をとったんです。
よし、やるぞぉーーーと思いましたね。その後もあのときの缶コーヒーをお守りに、ツライ時などは心の支えにしながらネットショップを運営してきました。その缶コーヒーがこれです。もう賞味期限はとっくに切れていますけれど(笑)
床 山岸さんはいつもお会いすると元気で明るいから個人的にはツライというイメージが遠くあって、またまたぁ、、という気もするのですが、、
山岸 そりゃあ、私だってありましたよ。合宿へ参加する前からの話なのですが、ネットショップの運営をはじめてから、社内でネットショップ運営という業務をしばらくの間認めてもらえない時期が続いたんです。私が朝早くから夜遅くまで一生懸命どうやって売上を伸ばそうかと考え試行錯誤していても、結果はなかなか出ない。社内のみんなには全く理解されず、遊んでるじゃないか?と思われ、全員がコーヒーを飲む時間、私だけコーヒーを淹れてもらえない日がずっと続いたんです。
床 え。。。?しばらくそんな状況が続いたんですか?
山岸 1997年にオープンしてから約4年間です。2001年12月に月商100万円を達成したときお茶の時間にコーヒーが出てきたんです。あれはうれしかったですよ。それから2002年の春には月商200万円を達成して、お菓子がコーヒーと一緒に出てきたんです。さらに6月に月商300万円を達成したときに社長(当時の社長:山岸さんのお父様)がコーヒーを淹れてくれたんですよ。感動でした。
床 よかった。それから売上の伸びも順調になられて人を採用することになったのですね。
山岸 そうですね。それでも実際に雇用するのに月商300万円達成からさらに1年半位かかりましたよ。2003年11月にはじめて受注対応の専任者を雇用したんです。とてもまじめでねばり強い子で、今日まで欠かさず毎日8:00には出勤し仕事をしてくれています。彼女は今では受注対応とお客様サポートの責任者になっているんですよ。彼女の後には、2004年に1人、2005年に4人、2006年に1人、2007年に3人 とWeb制作業務をメインとした業務で雇いました。
床 途中で退職された方もいらっしゃるのですか?
山岸 残念ながらいます。非常に期待をもっていた人に退職されたりと、いろいろと勉強をしました(苦笑)
床 ということは、売上を伸ばしてからも採用する際の失敗や、その後の人材育成という面でもいろいろとご経験(失敗?)をされたということですね。
山岸 そうです!採用については、限られた時間ではあるもののできる限り長めにコミュニケーションをとるようになりました。
1回あたりの面接で最低でも2時間はとりますし、1回の面接だけでなく何度か来社してもらってその度に2時間程度は話をするようにしています。
またツール類も充実させて、面接のときに、会社のVTRをみてもらったり、パンフレットを渡したり、商品の説明をして、実際の業務内容も少し厳しく説明をして、本当に竹虎の仕事を理解して、納得してもらって、それでも働きたい。という人を採用するようにしています。
床 そうですよね。ネットショップってなぜか「かっこよさそう」といまだに業界を勘違いしてこられる方もおられますからね。
山岸 そうなんです。実際は非常に地道で正確さを要求されるルーティーン業務が多いですし、サイトやバナー制作も、常に時間を意識しながら進めないといけないですから。入社前にそうしたお話をするようにしています。
――後編へ続く
著者プロフィール
名前 | とこ みゆき | happy[アットマーク]supotant.com |
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会社 | サポタント株式会社 | |
サイト | http://www.supotant.com/ |