4月15日~17日、東京ビッグサイトで第1回となる「次世代照明・技術展(ライティング ジャパン)」が開催されている。総勢約250社が出展するという大掛かりな展示会の主力は、発光素子や照明機器製造のための技術と設備などが展示ブースの大部分を占めるのだが、LEDをはじめとした次世代照明への本格的な切り替えのために業界全体が大きく動き出しているのが実感させられる。
いまやLED照明を導入すべき理由がある
というのも4月の改正省エネ法施行(関連サイト)によって電力使用量の報告が義務付けられ、工場や店舗、各種事業所にとっては電力削減が急務になりつつあるからだ。特に目立つのはコンビニエンスストアなどの店舗の商品陳列棚・看板で、すでにセブン-イレブンでは新規店舗の全照明をLED化すると発表し、実施されつつある((関連サイト、PDF)。
すでに東芝ライテックの電球型LED「E-CORE」なども発売されており、LED型蛍光灯など既存の照明設備をそのままにLED化できる製品群が続々と登場しつつある。ただし、電球や蛍光灯とLEDでは配光パターンが異なるため、商品陳列棚や看板といった照明部材はともかく、オフィスや店舗など全体的に均一に照らすような環境ではLED化しても電力消費的にそれほどメリットがあるわけではない。
LED照明関係の技術展示に関しても、素子自体よりも配光、散光関連の技術が目立つのもうなずけるというもの。もっとも、均一な天井照明ではなく、たとえばオフィスの廊下などの天井に埋め込まれるダウンライトといった照明では指向性の強い光源ならば効率よく明るさを得られるため、LED化にはかなり有効だ。
単純な蛍光灯・電球の置き換えだけでは済まない!?
次世代照明としてLED導入を考えるならば、単に代替として導入するよりもトータルパッケージで考えるべきだろう。照明器具のリニューアルは省電力だけでなく蛍光灯を保持していた天井部材削減、それにともなう空調設備への負担軽減、保守頻度の低下など、総合的に考えなくてはならない。
LED照明の導入自体はそれほどウェイトを占めてはいないものの、大成建設の「スーパーエコ工場」のように施設全体をどのようにリニューアルし、照明・空調・施設内での物流などトータルでのCO2削減量を目指すかを具体的に紹介していたのが印象的だ。
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LED照明、さらには一部のメーカーが注力する有機・無機EL照明など次世代照明に注目が集まりつつあり、現在も進みつつある電力→光変換効率の向上、増産による単価低減が期待できることは間違いない。現在のところは確実にメリットのある照明部を代替しつつ、リニューアルにともなうCO2削減効果計画をじっくり詰めてゆくのが賢明だろう。