ここでは、セキュリティー対策ソフトメーカー各社のWinnyに感染するウイルスに対する対策について、まとめて紹介する。会社や自宅でウイルス対策ソフトを入れている方は、自分の使っているソフトのメーカーがどのような対策を提供しているのか、改めて確認してみてほしい。また、もしセキュリティー対策ソフトを使っていないという方は、この機会に各社(一部)が提供しているウイルススキャンやワクチンサービスを使って、自分が知らぬ間に“加害者(ウイルスの感染源)”になどなっていないように、くれぐれも注意してほしい。
【トレンドマイクロ】
“ウイルスバスター”シリーズで知られるトレンドマイクロ(株)は、オンラインスキャンサービス“ウイルスバスターオンラインスキャン”によるWinnyの暴露ウイルス感染を検出する(駆除は行なわない)無料サービスを提供している。さらに、個人向けセキュリティーソフト「ウイルスバスター 2006」では、Winnyに感染する暴露ウイルス“Antinny”(亜種含む)などに対応するパターンファイルを提供済み。
さらに、企業向け「ウイルスバスターコーポレートエディションアドバンス」のユーザーに対しては、Winnyプログラムを検出・駆除して、そのレポートをシステム管理者に提出する「アドバンス検索ツール」を無償提供している。
【シマンテック】
“ノートンアンチウイルス”シリーズなどで知られる(株)シマンテックは、オンラインスキャンサービス“セキュリティチェック”によるWinnyの暴露ウイルス感染を検出する(駆除は行なわない)無料サービスを提供。加えて、Winnyがインストールされているかどうか、自分では判断できない/アンインストールの方法が分からないという初心者向けに、Winnyの検出やAntinny(亜種含む)に特化した検索・駆除ツールも配布している。さらに、同社セキュリティーソフト(アンチウイルスなど)では、暴露ウイルス“Antinny”(亜種含む)などに対応するパターンファイルを提供中。
【マカフィー】
メーカー製パソコンにプレインストールされているため、ユーザーも多いマカフィー(株)の“マカフィー(McAfee)ウイルススキャン”シリーズ。同社では検出するサービスなどの提供はなく、メーカーとしての姿勢や啓蒙のための特設ページを用意している。なお、同社セキュリティーソフトの対応パターンファイルも提供済みだが、継続利用のためのユーザー登録(利用権の購入)を忘れている方も少なくないと思われるので、注意したい。セキュリティーソフトは1度買う、入っているだけで安心せずに、継続して使い続ける、パターンファイルを常に最新のものに更新することが肝要だ。
【コンピュータ・アソシエイツ】
日本発のウイルスのためか、コンピュータ・アソシエイツ(株)のページではWinnyの暴露ウイルス(Antinny)に関する特設ページは見あたらなかった(2月25日現在)。ただし、同社のセキュリティーソフトには“Winny(ウィニー)ウイルスにも完全対応!”を謳っており、同社製品のユーザーはパターンファイルの更新で対策できる。また、無料のウイルススキャン(検索のみ、駆除はしない)のサービスも提供しているので、心配な方は試してみてはいかがだろうか。
【ソースネクスト】
低価格でコンパクトなパッケージをコンビニや書店、ドラッグストアなどパソコンショップ以外に並べて知名度アップを図っているソースネクスト(株)は、「ウイルスセキュリティ」にAntinny(亜種含む)対応パターンファイルを提供しているほか、Winnyウイルスに関する特設ページを設置して、Q&A形式で分かりやすく対応策などを紹介している。
【アンラボ/インターチャネル】
韓国から上陸した“V3 ウイルスブロック”シリーズを販売する(株)インターチャネルと、開発元の(株)アンラボは、パターンファイルでAntinny(亜種含む)に対応できるほか、Winnyウイルスの検索と駆除、およびWinnyプログラムの検出を行なう専用ワクチンソフトを無償提供。法人向けには、Winnyプログラム/Winnyウイルスの削除を自動的に行なう「ウィニーシールド」を無償提供している。
【キングソフト】
“キングソフトインターネットセキュリティ2006”で表示されるWinny起動時の警告画面 |
中国から日本上陸を果たした“キングソフトインターネットセキュリティ2006”シリーズの(株)キングソフトは、パターンファイルでAntinny(亜種含む)に対応するほか、Winnyの起動を検出して“P2Pの危険を警告する”画面を表示するという、ユニークな機能を追加している。
【キヤノンシステムソリューションズ】
“NOD32”シリーズを開発・提供するキヤノンシステムソリューションズ(株)。同社の提供するパターンファイルで亜種を含むAntinnyに対応しているほか、WinnyとWinnyに感染するウイルスの違い、および同社の姿勢を紹介する特設ページを提供している。
【ライフボート】
ロシアのカスペルスキー社(Kaspersky Labs International Ltd.)のアンチウイルスソフトを国内販売する(株)ライフボートは、3月28日にWinny本体、およびWinnyに感染する暴露ウイルス“Antinny”とその亜種58種類に対応するアップデートを行なったと発表している。パソコン内にWinnyプログラムが発見された/Winnyの起動を検知した場合は、起動させるか削除するか、あるいは次回から検知しないかを選択できるという。