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【最新パーツ性能チェック Vol.38】Core Duoマザーまもなく登場! その性能はPen D/Athlon X2にどこまで迫るか? そして注目の消費電力は? 

2006年03月03日 08時08分更新

文● 月刊アスキー編集部 野口岳郎

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「Superπ」では敵なし! ビデオまわりがチューン不足か?

 まずメモリ性能を「Sandra 2005」で計測した結果がグラフ1だ。今回はCore Duo機にはPC2-5300(DDR2-666)とPC2-4200(DDR2-533)の2通りを装着して、速度差も計測しているが、Pentium M(PC2-4200)に比べ、同じPC2-4200でも大きくスコアが伸びているのがわかる。これはPentium MのFSBが533MHz=理論帯域4233MB/秒であったのに対し、Core Duoでは666MHz=5333MB/秒になっている点が効いている。PC2-5300を使えば実効性能で4GB/秒を超えた。5~6GB/秒という高いメモリスループットを持つデスクトップCPUに迫ったが、まだ差は少なくない。
 PC-2 4200と5300の差は、「Sandra」で見る限り4%程度しかない。そもそもCPUのFSBが5333MB/秒と、PC2-4200のシングルチャネル分しかないので、すでに十分オーバースペックなPC2-4200のデュアルとPC2-5300のデュアルでろくに差が出ないのは予想どおりと言える。ただ、チップセット内蔵ビデオを使う場合には、メモリ帯域の一部がビデオエンジンに取られるので、PC2-4200シングルでは十分とは言えず、4200と5300でパフォーマンスに差が出る可能性は高い。今回のように、外付けビデオカードを装着する場合については、このあとのテストを見てもわかるとおり、インパクトは軽微だ。

グラフ1 「Sandra 2005」によるメモリ性能

 さて、シングルスレッド時のCPU性能を見たのがグラフ2、3だ。大注目はグラフ2の「Superπ」。なんとなんと、Athlon 64 FX-57、Pentium 4 670といったシングルコア&最高クロックのデスクトップCPUを上回る、104万桁で30秒を切る快挙をなしとげた。
 不思議なのは、ほぼ同じコアのPentium M 770が、クロックは33MHz低いだけなのに、「Superπ」では大きく遅れを取っていることだ。「Superπ」のメインループは(SSEではない)x87の浮動小数点演算が中心のようなので、FPU性能の強化ポイントがたまたまジャストフィットしたのだろう。
 これは極端な例としても、圧縮ソフト「DGCAβ9」によるテスト(グラフ3)でも、Core DuoはPentium Mをクロック比(1.5%)よりは明らかに大きい、6%近く高速となっている。Pentium 4に換算すれば3.5GHzくらい、Athlon 64で2.2GHzくらいの性能で、「Superπ」のように全機種中トップではないものの、デュアルコアCPUとしてはPentium D/XE系より速いし、シングルコアCPUの中堅どころにも匹敵する好成績だ。基本的な演算性能は高いと言えよう。

グラフ2 「Superπ」による104万桁のπの計算時間。短いほど高速グラフ3 「DGCAβ9」によるWAVファイルの可逆圧縮時間。短いほど高速

 グラフ4~6は、3D描画系のテストだ。ヘビーな描画テストはCPU性能の差が反映されにくいので、やや軽めのテストを選んでいる。Core Duoのスコアが、ほぼ同クロックのPentium Mよりいくぶん低めなことが気になる。今回、チップセットドライバは945Gのものを暫定的に使用しているほか、マザーボード自体が開発中のもので、「3DMark 05」など、いくつかのテストが動作しなかった。そのためPCI Express周りなどの設定が完全でない可能性はあるだろう。
 これら3種ではAMD勢がリードし、次を3.8GHzのPentium 4-670が追う構図だが、Core Duoはこの次に入り、Pentium D/XEに対してはリードを維持している。つまり、これらのテストに関して言えば、ハイエンドのシングルコアPentium4にはかなわないが、デュアルコアCPUとしてはデスクトップのPentiumよりも優秀という結果だ。
 もっともここまでの傾向はPentium Mでも同じだった。次は注目の、マルチスレッド、マルチタスクの性能である。

グラフ4 「3DMark 2001 SE」の結果
グラフ5 「Final Fantasy XI ver.2」の結果
グラフ6 「Unreal Tournament 2003」の結果

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