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【CEATEC JAPAN 2005レポート Vol.8】京セラ、無線LANとiBurstをハンドオーバーするデモを公開── 一般回線に電話できるiBurst対応電話機も

2005年10月04日 23時51分更新

文● 編集部 小林久

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iBurstのデモ
京セラブースで行なわれていたiBurstのデモ

京セラ(株)のブースでは、同社が推進している次世代無線インターネットアクセス技術“iBurstシステム”が中心に据えられていた。

“iBurstシステム”のデータ通信速度は下り最大1Mbps(上りは333kbps)で、基地局のエリア内の総伝送容量が最大約24Mbpsと高く、周波数あたりのデータ伝送効率も高いことから、多数のユーザーが同時に接続しても安定して高速通信を行なえるのが特徴。国内では実証実験の段階だが、海外ではオーストラリア、南アフリカ、アゼルバイジャンで商用サービスも開始されている。

今回無線LANとiBurstのハンドオーバーを行なうデモが初めて公開されたほか、高速移動中にiBurstとVoIP(Voice over IP)を利用する実験のビデオ上映なども行なわれた。このうち無線LANとのハンドオーバーは、iBurstカードと無線LANアダプターを装着したノートパソコンを使い、動画のストリーミング配信を閲覧するもの。まず無線LANで配信サイトに接続したあと、無線LAN接続を切っても、iBurstを利用して動画を途切れずに受信できる様子がデモされた。

高速通信時の実験では、高速道路を走る自動車からVoIPで通話する様子が紹介された。時速100km近くまで移動速度を上げると、さすがにノイズや音声の瞬断が見て取れたが、仮に音が途切れても接続は維持され、その後の会話は問題なく成立する。これはハンドオーバー時でも同様。別の基地局に移る際に一瞬無音状態が生じるが、通話は継続できる。

ブース内では、据え置き型の“Desktopタイプ”、USB接続型、PCカードタイプのiBurst端末が展示されていたほか、IP電話機にiBurstの通信機能を内蔵し、一般公衆回線に電話を掛けられるiBurst対応電話機など参考出品されており、iBurst対応電話機は実際に利用することができた。ためしに時報(117)に電話を掛けてみたが、音質はかなり良好で無線やVoIPを利用した電話であることを意識させないほどだった。



WiFiとのハンドオーバー 高速移動時のハンドオーバー 参考出品
無線LANとiBurstハンドオーバーのデモ風景(左)、高速移動時のハンドオーバーで無音状態が生じても通話は途切れない(中)、参考出品されていたiBurst機器(右)。

京セラの説明では「通話品質を示す“R値”は79、遅延は60msとなっており、携帯電話機での通話の品質をはるかに上回り、固定電話に迫る音質である」という。

IP電話 通話品質
と実際に通話できるiBurst対応IP電話機(右)、IP電話機はiBurst機能を内蔵したものもあった。通話品質は、携帯電話機を軽く上回り、固定電話に匹敵するという(左)

このほかブース内には、9月27日に(株)ウィルコムから発表されたPHS電話機の『WX300K』『WX310K』のほか、厚さ6.9mmと薄型の320万画素CCDカメラモジュールなども展示されていた。ブースではWX300Kのボディーカラーアンケートも行なわれていた。

ウィルコム端末 カラーアンケート
会場に展示されていたPHSの新端末とカラーアンケートの様子
カメラモジュール
展示されていた320万画素のCCDカメラモジュール

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