夜景でもノイズがのりにくい
“夜景”“人物”“文字”“食べ物”など9種類の“ベストショット”機能は、カシオのデジタルカメラの同様の機能から継承されたものが多く、彩度/焦点距離/露出などがその撮影のシチュエーションごとに微調整されている。カシオの同機能はユーザーに定評があり、シャッターチャンスのたびにマニュアルで設定をしてトライアンドエラーを繰り返すより、ベストショット機能を使用したほうが成功する確率が高いだろう。
ベストショット機能の“夜景”を選択した場合、通常夜景の撮影時に出がちな“暗部ノイズ”について、驚いたことに目立つものが見られなかった。このようにシャッタースピードが遅い時のノイズリダクションの性能は、携帯電話に付いたデジタルカメラとは思えない高いレベル。その半面、撮影した画像を後で拡大して見たときに、小さな解像度では気づかなかった手ブレがハッキリとわかるので、撮影時はカメラの構え方(携帯電話の持ち方)に気を使わなくてはならない。
文字撮影の作例(1536×2048ドットで撮影したものを480×640ドットにリサイズ) | およそ10cmまで被写体に近寄れる | |
【文字撮影の作例】“ベストショット”機能の“文字”モードを選択すると、焦点がマクロ状態になり、コントラストが強調される。文字や線の輪郭はハッキリと読みやすく写るのだが、レンズに起因するタル形の光学収差が大きいので、メモ用途向けと思った方が良い |
夜景撮影の作例(1536×2048ドットで撮影したものを480×640ドットにリサイズ) | 実は左の夜景撮影の作例は、堀田さんが撮影したもの | |
【夜景撮影の作例】ベストショット機能の“夜景”モードでは、シャッタースピードが遅く設定されるので、手ブレに注意が必要。本来、夜景などの暗い部分にはノイズがのりやすいのだが、A5406CAではノイズが見つからない |
【食べ物撮影の作例】ベストショット機能の“食べ物”では、食べ物がおいしく見えるように彩度が高く設定される。焦点はマクロ状態になるので、テーブルの上全体を撮影するというより、一皿に集中して撮影するか、メインの一皿を手前にして後ろをぼかすような使い方をするのが良い。特に、赤い色がくっきりと写る傾向にあるようだ(1536×2048ドットで撮影したものを480×640ドットにリサイズ) |
写真の加工/編集機能で個性を主張できる
そのほか、“遊び”の要素として、画面中央から半分ずつを2回に分けて撮影して、撮影後に1枚の画像に合成する“カップリングショット”と“アップダウンショット”のような待ち受け画面用の画像編集機能や、メールに添付するために静止画からアニメーションを作成するという機能を搭載する。加工/編集することで元の写真とは違った1つの作品を生み出し、自分の個性を主張することができる。
有効320万画素の解像度、ベストショット機能の種類の多さ、各種の携帯電話ならではの“遊び”要素など、従来の“オマケ的”な携帯電話搭載デジタルカメラとは一味違い、非常に丁寧に作られている。画素数が同じデジタルカメラに対して劣っている部分があるとすれば、光学ズーム機能がないことぐらいだろう。
パノラマ機能を利用して、撮影しようとしているところ。撮影画面では、画面の短辺方向の端から1/4ずつがグレーでマスキングされ、写真には写らないが、撮影時のは何があるか確認できるので構図を決めやすい |
【パノラマ撮影機能を使用した作例】“撮影モード”の“パノラマ”を選択すると、解像度が2048×736ドットに固定される(パノラマ機能を使用しないで同じ風景を撮影した作例は、前ページのホワイトバランスのチェックの箇所に掲載) |