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Caplio RR30

Caplio RR30

2002年09月09日 00時00分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義

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撮影サンプル&総評

 電源ONから撮影可能になるまでは約2.5秒と、コンパクト機としては平均的な速度だが、フォーカスロック後の撮影タイムラグは約0.1秒(公称値)とコンパクト機としてはかなり速く、速い合焦速度とあいまって軽快に撮影できるほか、最大解像度でも1秒以内の撮影間隔(1280×960ドットでは0.5秒間隔)など、連続してパシャパシャと撮れるのは気持ちがいい(撮影サンプル1)。
 ボタンレイアウトには特に使いにくいと感じる点はないが、できれば露出補正はメニューを呼び出しての操作ではなく、カーソルキーなどですばやく操作できるようにしてほしかった。また、ホワイトバランスや連写の設定は記憶されるのだが、オートブラケッティングを使うかどうかの設定は電源を切ったときにクリアされてしまう。これは記憶するかどうかを個別に指定できればありがたかった。

 画像に関しては、従来のRDC/Caplioシリーズと比べると非常に明るく鮮やかな色あいになっている。RDC-7/7sやRR1はビジネスユースを意識したせいか、少々地味な色あいだった。コンシューマ向け入門機という位置づけのRR10も同様の絵作りだったが、RR30はより多くの人に好まれるように彩度を強調し、記憶色を重視した絵作りにしているようだ。シャープネスや輪郭強調は控えめで全体に不自然な点は少ないものの、ドット平坦化処理が控えめでありながら鮮やかな発色にしているため、高彩度のグラデーション部分などでは若干ノイズが目立ったざらついた感じとなる。

撮影サンプル1 撮影サンプル1アップ
撮影サンプル1 元画像は2048×1536ドット。シャッターボタンを半押しにしてAFロックしていればシャッタータイムラグが少なく、動く被写体を狙った位置で撮りやすい。発色は濃い目で鮮やかな絵作りだ。なお、ISO200で撮影 (ISO感度設定は200/400/800) したもので、ISO感度設定をAUTOにすれば最低ISO125(Exifデータ値)となる。左は元画像全体を640×480ドットにリサイズしたもの、右は中央付近を640×480ドットでトリミングしたもの。

撮影サンプル2 撮影サンプル2アップ
撮影サンプル2 元画像は1536×2048ドット。ISO感度Autoで撮影したものでISO125(Exifデータ)。広角側で撮影。空のグラデーション部分のノイズが気になるものの、総じて画質は良好な部類だ。右は元画像の上側と下側をそれぞ320×480ドットにトリミングしたものを並べている。

撮影サンプル3トリミング 撮影サンプル3アップ
撮影サンプル3 元画像は1536×2048ドット。シーンモードから高感度を選択したもの。ISO800、露光時間1秒(いずれもExif値)。リサイズした画像ではそれほど気にならないが、トリミングした画像では熱ノイズが目立ち、ダークフレームを撮るタイプのノイズリダクションが欲しくなる。なお、画面中央奥を蛇行しながら飛んでいる黄色の筋は、女の子の首の回りにあるのと同様のサイリュームの軌跡。

撮影サンプル4 撮影サンプル4アップ
撮影サンプル4 元画像は1536×2048ドット。RR1やRDC-7/7sと同様に、マクロ機能はレンズ面から1cmまでの距離までピントが合うため、接写能力はデジタルカメラの中でもかなり高い。

 コンパクトなボディに軽快なレスポンスなど、非常に使いやすく、前面/背面のモールドにより、コンパクトながらグリップ性も良好だ。モードダイヤルを除けばスイッチ類の突起も少なく、ボディの周囲が丸みを帯びているためポーチやポケットからの取り出しやすい。同様に横長のボディを採用する「Cyber-shot Pシリーズ」やDiMAGE F100といったコンパクトカメラと比べると、樹脂を多用した外装のため高級感に欠けるきらいがあるのは少々残念だが、見た目よりも実用性重視と考えたい。機能を見てみると、Cyber-shot Pシリーズよりもオートブラケットやシーンモードなど細かな設定が可能なだけに様々な撮影が行えるが、マニュアル露出機能を搭載するF100のほうがハイレベル向きと言えるだろう。
 また、本体サイズで比べると、専用リチウム電池パックを使用するソニー「Cyber-Shot DSC-P5」よりも8%小さく、単3電池×2本を使用する「Cyber-shot DSC-P71」よりも36%も小さい(いずれも体積比)。容量の大きな専用電池(約350枚撮影可能)と入手しやすい単3電池(アルカリ乾電池で70~80枚撮影可能、いずれも公称値)を選べるというのも使い勝手がいい(P71はニッケル水素充電池のみ対応)。
 軽快な動作や細かな撮影機能、基本を押さえたしっかりとした作りなど、実用性の高さが魅力の1台だ。

Caprio RR30の主なスペック
製品名 Caprio RR30
撮像素子 1/2.7インチ有効324万(総334万)画素CCD
レンズ 光学3倍ズーム、f=5.5~16.5mm(35mmフィルムカメラ換算:f=35~105mm)、F2.6~4.7
記録媒体 SDカード/MMC、内蔵8MBメモリ
記録画素数 2048×1536/1280×960/640×480ドット
液晶モニタ 1.6インチアモルファスシリコンTFT、約8万画素
動画記録 320×240(最長30秒)/160×120ドット(最長120秒)
インターフェイス USB、ビデオ出力、DC入力
電源 単3電池×2本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池)、もしくは専用リチウムイオン充電池
本体サイズ 114(W)×32.5(D)×54.5(H)mm
重量 約160g(本体のみ)

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