音楽データを管理し活用する
AVパソコン
PCV-MXS1のオーディオ機能を統合的に管理できる「SonicStage Premium for MX」。CDをドライブに挿入すると自動的に曲名データが検索され、アルバムタイトルやアーティスト名が表示される。画面上部のCDアイコンをMDやメモリースティック、PC本体のアイコンにドラッグ&ドロップすれば録音が開始される。 |
FMチューナ機能は文字多重放送に対応しており、受信した文字放送データをウィンドウ表示できるほか、ボディ前面の液晶パネルに表示することも可能。 |
従来のPCV-MXでこの統合したソフトウェアを実現できなかった理由の一つに、MDデッキ機能をPCと接続する規格が存在しなかったことが挙げられる。そこでソニーでは、一般的なMDデッキや携帯MDプレーヤをPCと接続するための規格「Net MD」を提案することによってオーディオ機器とPCとの本格的な融合を実現したのである。Net MDはあらかじめPC側でATRAC3形式に圧縮した音楽データをUSBを利用してMD側に高速に転送する規格であり、PCV-MXS1のMDデッキ機能もこのNet MDに対応している。これにより、従来のように無圧縮のPCMデータを転送してMDデッキ側でATRAC形式で録音するほか、PCでエンコードしたりインターネットで配信されるATRAC3形式の音楽データをPCに貯めておき、圧縮されたデータをそのままMDに記録することも可能になっている。
CDや音楽配信サービスからの音楽データは、ATRAC3、MP3、WMA、WAVEといった多彩なフォーマットで保存でき、アルバム単位などでプレイリストに登録できる。プレイリストはアーティスト名やジャンル、音楽ソースなどで分類して管理することが可能だ。 |
また、ソニーと音楽出版社による約8万タイトルの曲名データベースをHDD上に持っているので、CDのデータをATRAC3形式でHDDに保存したりMDにダビングする場合にも、ユーザーがいちいち曲名を入力・編集する必要はなくCDをドライブに挿入するだけで自動的にデータを検索して曲名リストに登録してくれる。内蔵データベースで検索できない場合は、インターネット経由で専用サーバにアクセスしてデータを取得できるのでこれから発売される新譜にも対応可能だ。もちろん、ユーザー自身が入力することもできる。
音楽再生ソフトとしてのSonicStage Premiumは、多彩なサウンドエフェクト機能と音楽を自在に操れるイコライジング機能の搭載が特徴だ。
サウンドエフェクトでは「AirSampler」と名付けられたソニー独自の空間リバーブアルゴリズムへの対応により、コンサートホールなどの音響空間を再現する機能を搭載している。実在のコンサートホールや教会、録音スタジオなどでサンプリングした8種類のデータを収録しており、(CDなどの再生時に)原音にこれらのアルゴリズムに応じたリバーブ効果をリアルタイムに付加することで、あたかもその場所で音楽を聴いているかのような音場の再現が可能になる。実際に聴いてみると「コンサートホール」や「教会」では音が豊かに広がるのに対し、「録音スタジオ」ではほとんど残響を残さず反射音が打ち消されたかのように静まる。「銭湯」ではボーカルに“いかにも”なエコーがかかり、「採掘場」では力のこもった低音が響き渡るといった具合だ。
SonicStage Premiumは6バンドのイコライザ機能を装備しており、PCV-MXS1の再生音をユーザーが好みに合わせて味付けできる。プリセットデータにはソニーミュージック乃木坂スタジオのレコーディングエンジニアが「自分の作ったCDはこう聞こえるはずだ」と調整したものも含まれている。 |
もう一つのイコライジング機能は、周波数や周波数幅を調節できる6バンドのイコライザを搭載しており、音楽の種類や自分の部屋の特性に合わせて自在に音楽を操れる本格的なものだ。「Pop」「Rock」「Jazz」「Classic」という4つのプリセットが用意されているほか、自分で調整したデータを2種類保存することもできる。
いずれも原音に忠実な再生音を楽しみたいというユーザーには無用な機能だが、PCV-MXS1なら自分の好みにぴったりの音楽再生環境を作り上げる楽しみを堪能できるだろう。
SonicStage Premiumは音楽データのタイマー再生も可能だ。タイマー予約は再生したいデータの含まれているメディアのアイコンをカレンダー画面にドロップするだけで行える。 |
SonicStage Premiumは「Windows Media Player」の視覚エフェクトのように、音楽再生中に画面に派手なビジュアルを表示する「Visualizer」機能も装備している。画面のようなウィンドウ表示のほか、全画面表示にも対応している。 |