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WORLD PC EXPO 2001「Linuxパビリオン」レポート

2001年09月21日 07時05分更新

文● 阿蘇直樹

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9月19日~22日まで、幕張メッセにて「WORLD PC EXPO 2001」が開催されている。Linux関連企業の集まる「Linuxパビリオン」でも、参加各社が新製品を持ち込みデモンストレーションなどを行なっていたので、その模様をお伝えする。

Linuxパビリオンのようす。

Red Hat Linux 7.2 Beta3

レッドハット(株)では、「Red Hat Linux 7.2 Beta3」がインストールされたPCを展示していた。

Red Hat Linx 7.2 Beta3のデモ。

「Red Hat Linux 7.2」についてはゴールドマスターができあがっており、発売もそう遠くはないようだ。新しいトピックとしては、デフォルトのファイルシステムをext3にしたこと程度で、「Red Hat Linux 7.1」の安定版といった位置づけになるようだ。

式神 1.0

(株)アックスと(株)テンアートニでは、iPAQで動作するLinux「式神」のデモンストレーションを行なっていた。

「式神」のデモ。

「式神 1.0」は今月末に公開される予定。無料でダウンロードすることができる。また(株)テンアートニでは、APIに「式神」を採用したiPAQ向け開発環境を開発中だという。

組み込み用HancomOffice

ハンコムリナックス(株)では、iPAQ上で動作する組み込み表計算ツールのデモや、「HancomOffice 2.0 β版」のデモを行なっていた。

組み込み用HancomSheetのデモ。

組み込み用「HancomOffice」は、Qt Embedded上で動作している。マクロが扱えないなどの制約もあるが、簡単な計算程度に用いることは可能なようだ。また、同社のブース内では、WORLD PC EXPO 2001期間中に限り、「HancomOffice 1.5J」製品版を標準小売価格のほぼ半額の8000円で購入できるサービスを行なっている。

ネットワーク管理ソフト「Net-DMS for Red hat Linux」

韓国Nuri Telecommの日本法人であるヌリテレコム(株)は、ネットワーク管理ソフト「Net-DMS for Red Hat Linux」を出展。管理用サーバ部分にRed Hat Linuxを使用し、管理対象のクライアントマシンはLinuxやWindows。管理端末はWindowsとなっている。

Net-DMS for Red hat Linuxのデモ

価格は50エージェント(クライアント)で98万円から。10月発売開始を予定している。

データベース管理ツール「HiTo!」

「HiTo!」はPHPで開発されたデータベース管理ツール。リアルタイムにデータベースサーバの状態を監視する機能やログを重要度によってフィルタリングする機能などがある。また、新機能をモジュールの追加によって行なえるようになるそうだ。

HiTo! のデモ

動作環境は、Red Hat Linux 6.x/7.xおよびApache 1.3.x、PHP 4.x、PostgreSQL 7.xが動作する環境。監視対象となるデータベースは現在のところSybaseのみで、来年以降OracleやSQL Serverなどにも対応するという。今年12月の発売を目指しており、価格は100万円程度になる模様。


WOPLD PC EXPO 2001のLinuxパビリオンで紹介されていたのは上記の5製品のみであったが、それ以外にも、自社ブース内にLinuxコーナーを設置している企業も見受けられた。Linux市場が多くのベンダーにとって見過ごすことのできないものになっているということだろう。

IBMブースのLinuxコーナーでは、動画リアルタイム配信のデモや、Bluetooth対応の腕時計型Linuxマシンでデスクトップマシンを操作するデモ、腕時計型Linuxマシンに有機ELディスプレイを搭載したものなどが展示されていた。写真は有機EL搭載の腕時計型Linuxマシン。

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