ダイヤルアップルータに求められる機能をフルに搭載
Webブラウザをインターフェイスに利用する設定メニューは、フレームを使ったわかりやすい階層構造を持っている。ただしヘルプなどは用意されていないので、設定方法がよくわからない項目も存在する。詳細な解説は付属CD-ROMにPDFファイルで収録されている。 |
また、複数の接続先を設定している場合に、特定の端末(PC)からはAのプロバイダ、別の端末からはBのプロバイダにと接続先を振り分けたり、特定の端末からは特定のドメインへのアクセスを禁止する、あるいは特定の端末だけインターネットへアクセスできなくするいった“ソースアドレスによるルーティング設定”も可能になっている。そのほかメールはAのプロバイダ、WebブラウズはBのプロバイダという具合に、利用するプロトコルごとに接続先を使い分けるといった運用も可能だ。
パケットフィルタ機能は、双方向でプロトコルとポート番号、発信元と宛先IPアドレスを指定して遮断と透過を設定できるほか、すでにダイヤルアップ接続を行っている場合はそのパケットを透過するが、接続が確立していない場合は遮断するといった接続状態に応じたフィルタも設定可能だ。これにより外部からの不正なアクセスやLAN内から余分なパケットがインターネットへ流れることが完全に防止できる。そのほか、DHCPサーバ機能では静的なIPアドレスの割り当てを設定できるので、静的なIPアドレス変換テーブルと組み合わせて、LAN内の特定の端末をWebサーバやftpサーバとしてインターネットに公開することも可能だ。
これら豊富な機能はすべてWebブラウザを使ってメニューから設定できるが、項目ごとにヘルプなどが用意されておらず、ネットワークにあまり詳しくないユーザーには難しく感じるかもしれない。とはいえ導入自体は簡単に行え、通常使う分には難しい設定は必要ないので、運用に当たっては用語が理解できる項目だけを設定して、その後で実際に使いながら(マニュアルを読みながら)用語や働きが理解できた項目から自分の環境に合わせた設定に変更していけばいいだろう。
本体前面には8文字×5行表示の液晶ディスプレイを装備し、6つのLEDと併せて動作状態を確認できる。下部のジョグダイヤルを使えば、本体機能の設定変更や着信メールの表示、着信転送機能のオン/オフなどの操作が可能。 |
1台のPCを有線、1台を無線で接続してLD-WL11/RTSでダイヤルアップ接続を行ってみたところ、Webブラウズやftpを試してみた限りでは、ルータを経由することでのパフォーマンス低下を感じることはほとんどなく、BODやIPフィルタ、ルーティング設定も問題なく動作した。
ADSLやCATVの利用者が増加するに伴い、ダイヤルアップルータの高機能・多機能化競争に一息ついた感のある中で登場してきたLD-WL11/RTSは、既存のダイヤルアップルータに搭載されている機能をほぼ網羅している。設定メニューも使いやすく設計されている。当面ブロードバンド化の予定はなくISDNを使い続けるつもりで、無線LANを利用したいというユーザーにお勧めの製品である。
接続回線 | ISDN回線、デジタル専用線 |
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インターフェイス | アナログ×2、U点、S/T点、Ethernet(10BASE-T/100BASE-TX)、USB、無線(IEEE802.11b) |
対応OS | Windows 98/Me/2000、Mac OS(付属ソフトはMac OSに未対応) |
サイズ | 52(W)×144.4(D)×155(H)mm |
重量 | 600g |