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Itaniumプロセッサ搭載マシン市場に登場

2001年07月17日 00時00分更新

文● テンアートニ 佐藤栄一

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インテルItaniumプロセッサが市場に投入され、Linuxもいよいよ本格的な64bitプロセッサ時代に突入しまた。すでに20社をこえるメーカーからハードウエアの供給が始まり、実際に利用できる体制となっています。ソフトウエアの面でも、7月9日にItaniumプロセッサに対応した「Red Hat Linux 7.1 for the Itanium Processor」が発表されました。お値段も499ドルと安く、市場に一番乗りした形です。

現在発表されているItaniumプロセッサ搭載機種のスペックを見ると、2つの傾向があります。1つは、独自のチップセットを採用して8Way(8CPU搭載)以上のCPUを搭載できるハイエンドタイプです。NEC、HP(NECのOEM)、日立など、1000万円を大きくこえる強力な構成となっています。これらは、現行のスーパーコンピュータに替わるものと位置付けています。

もう一方は、インテルが供給する汎用チップセット「460GX」を採用しているタイプです。このタイプは、デュアルまたは4Way対応のサーバ向けハードウエアの位置付けです。NECが提供する16Wayに比べると、デュアルや4Wayは小規模な感じがします。しかし、1個でも絶大なパワーを持っているItaniumプロセッサを複数搭載するのだから、その能力は想像を絶します。

各イメージは、ノーザンライツコンピュータ NL Server6401のもの。
プロセッサの周囲にパワーポッド(電源供給用)のユニットが配置されている。
マザーボード。基本構成はこれまでのものと大差がない。

これまで、新しいアーキテクチャーのプロセッサが登場した当初は、必ず「ソースやコンパイラが対応していないとパフォーマンスが上がらない」という事象が発生します。インテルでは、Itaniumプロセッサに対応したコンパイラの提供を行なっています。さらに、コンパックコンピュータが6月末に発表した「64bitプロセッサのItaniumプロセッサファミリ(IPF:次世代Itaniumプロセッサ)への統合」は、大きなインパクトを与えました。AlphaServer、NonStop Himalayaが、2004年にIPFに移行するのです。これは、暗にItaniumプロセッサを利用するハードウエアが増えるだけでなく、約10年間に渡る64bitプロセッサのノウハウが、Itaniumプロセッサに注入されることを意味しています。余談になりますが、既存のAlphaServer、NonStop Himalayaを運用しているユーザーにもメリットがあります。こうしたシステムはこれまで、特殊なハードウエアということで、高価な面が指摘されていました。しかし、Itaniumプロセッサに移行することで、ハードウエアの価格が下がると予想されています。また、既存のOS(Tru64 UNIX、OpenVMS、NonStopKernel)が、IPFに対応するので、ソフトウエア資産も保護されます。いっそのこと、この機会にLinuxへ移行するのは、いかがでしょうか。

横道にそれましたが、Itaniumプロセッサは、IA-32で築き上げたPCサーバ市場を受け継ぎつつ、企業の基幹系への浸透を加速する強力なロケットエンジンといえます。そして、その強大なパワーを持ったエンジンを最も効率的にコントロールするのがLinuxだと思います。

Itaniumプロセッサに関する技術面の解説に関しては、「Linux magazine 5月号」に特集記事が掲載されています。

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