露出補正に便利なヒストグラム表示
撮影時に液晶画面に表示される情報は豊富だ。マニュアル撮影モードのときはヒストグラム(被写体の明度分布のグラフ)が表示される。ヒストグラムの横軸は明るさ(左側が暗、右側が明)、縦軸は各レベルでのピクセル数を表す。 |
液晶モニタは1.5型と、ボディサイズと比べて小さめなのが残念。マニュアル撮影時では、常にヒストグラムが表示されるので細かい露出補正をしたい時に便利だ。また、1枚も撮影していない状態で再生モードにして液晶の明るさ調整をすると、グレースケールが表示されるので正確な濃淡設定を行える。
撮影サンプル1。画質はとてもシャープ。レンズの描写は柔らかめで、比較的コントラストの高い状況だったが、ハイライトからシャドーまでしっかりと再現されている。元画像は1200×600ドットだが、掲載用に720×480ドットにリサイズしている。 |
実際に撮影して画像を見ると、さすが420万画素CCDだと思わせる。実際に画素数が多いのだから解像感が高いのは当然としても、ピクセル等倍表示で見てもエッジのくっきりしたシャープな画像となっている。シャープと言っても、ガチガチに硬いといったわけではなく、適度なコントラストと滑らかな描写だ。色再現は、派手すぎず、ほぼ見た目どおりの自然な発色で好感が持てる。新開発「オートホワイトバランス制御」の搭載により、被写体の色味に引っ張られて偏った色味再現に転ぶことがなく、特に蛍光灯下での補正は見事。蛍光灯特有の白い部分が緑に濁るようなケースも見られない。
撮影サンプル1の一部をトリミングしたもの。画像処理でシャープネスをかけたような不自然さはなく、ノイズも少ない。 |
レンズは35~98mm(35mm換算時)の2.8倍光学ズーム。画像補間処理で画像サイズを落とさずに済む、2.2倍デジタルズームも搭載していて最大6倍(210mm相当)の望遠撮影が可能。デジタルズームによる撮影画像は、比べてしまえばさすがに画質は劣化しているものの、元の解像度が高いのでいざというときには十分使える。
マニュアル撮影モードでは最長15秒まで長時間露光が可能。車のライト光跡を流して撮影する、といったテクニックに応用できる。ただし露光時間が長くなるほどノイズが増えるので注意が必要だ。 |
起動時と撮影後の液晶の表示に若干もたつく感はあるが、その他の動作の反応は素早く、特に再生では高画質の大きなデータでも次から次へと表示してくれる。拡大しての再生もスムーズに見られるのでストレスもたまらない。また0.8秒間隔で3コマまでの連写が可能なほか、フルサイズ画面(2400×1600ドット)を16分割にして秒7.5コマ(600×400ドット)の連続撮影ができるマルチ撮影モードがあり、動きのある被写体の撮影に効果的だ。
蛍光灯を使ってオートのままの撮影してみたが、ホワイトバランスの補正は見事で、偏りのない忠実な発色になっている。Allegretto M81のマクロモードは、近接から無限遠まで撮影が可能。とても便利だ。 |
画像の記録にはスマートメディアを採用し、128MBなら最高画質(2400×1600ドット)で約83枚撮影可能。バッテリは単3電池×4本を使用し、残量を3段階で表示する。アルカリ電池も使えるが、電池の持ちと経済性を考えると充電池の使用をお勧めしたい。
このカメラの魅力は、撮影する側が自分の意思で、状況に合わせた撮影モードを選べる点にあるだろう。初心者でも簡単に扱え、上級者ならば本機を使いこなして高性能CCDの能力を最大限に生かした写真が撮るなどして十分満足感を得ることができるだろう。
撮像素子 | 1/1.8インチ420万(有効400万)画素原色CCD |
---|---|
レンズ | 光学2.8倍ズームf=7.25~20.3mm(35mmフィルムカメラ換算:35~98mm)、F2.8~4.8 |
記録画素数 | 2400×1600/1200×800/720×480ドット |
記録媒体 | スマートメディア |
動画記録 | 320×240/160×120ドット、最長180秒(MotionJPEG形式) |
液晶モニタ | 1.5インチ低温ポリシリコンTFT |
シャッター速度 | 1/2~1/1000秒(長時間露光時最長15秒) |
露出制御 | プログラム/絞り優先/シャッター優先/マニュアル/シーン別プログラムAE |
電源 | 単3乾電池×4本、アルカリ乾電池/ニッケル水素充電池/リチウム充電池 |
本体サイズ | 107(W)×47(D)×71(H)mm |
重量 | 約240g(本体のみ) |