12倍速書き込みに比べ2分近く高速化
20倍速書き込みはやっぱり速い!
それでは、期待のベンチマークテスト結果を見ていこう。今回のベンチマークテストは、
- 500MBのデータファイルを、B's Recorder GOLDを利用してオンザフライ書き込みでCD-Rメディアに記録したときの所要時間(ディスクアットワンスで書き込んだため、セッションを閉じる作業の時間まで含む)
- 10~200MBの大容量ファイル4個(計500MB)、および数K~10MB前後の小容量ファイル1428個(計500MB)を「B's CLiP」を使ってパケットライトでCD-RWメディア(HighSpeed CD-RW対応メディア)に書き込んだときの所要時間
- B's CLiPを使用し、HighSpeed CD-RW対応メディアを「完全フォーマット」したときの論理フォーマットにかかった所要時間
の3パターン。(1)(2)が書き込み性能を見るテスト、(3)は論理フォーマット時に行われるCD-RWメディアの不良セクタ検索を利用して、CD-RWメディアの読み出し性能を見るものだ(フォーマット時には、不良セクタを検索する際にCD-RWメディア全域を1度読み出す)。なお、都合により(3)のテストのみ、比較製品は「CD-RW512EKB」(ティアックシステムクリエイト)、「MP7125A」(リコー)、「PX-1610TA/BS」(プレクスター)の3機種とした。
図1 500MBのデータをCD-Rに一括書き込みしたときの所要時間(単位:秒) |
(1)のCD-R書き込みテストでは、現時点で出荷されているCD-RWドライブとしては最高速となる20倍速書き込みということで、全周16倍速書き込みのドライブに対しては約40秒、全周12倍速に対しては約110秒程度高速となっている。各社の16倍速書き込みのCD-RWドライブが出揃ったのが2001年に入ってからと日がまだ浅いので、16倍速ドライブからの買い替えはあまり現実的ではないが、8~12倍速書き込みのドライブを使っているのなら、飛躍的なパフォーマンスの向上が実感できる。
図2 CD-RWメディアに大容量ファイル計500MB(45~230MBのファイル×4)および小容量ファイル計500MB(数KB~10MB前後×1428)をパケットライトで書き込んだときの所要時間(単位:秒)。 |
(2)のテストについては、CRW2100Eを除くいずれの製品もCD-RWの標準規格「Orange Book」での最高速度である10倍速(CLV方式)での書き換えとなっているので、あまり大きな差はつかず、ほぼ横一線の結果となっている。CRW2100Eは4~10倍速のゾーンCAV方式でデータを記録するため、ほかのドライブに比べテスト結果が落ちてしまっている。
なおこのテストは、フォーマット直後のメディアの先頭から順にデータを記録していくシーケンシャルな書き込みとなっている。しかし、日常の使用では、ファイル単位でのデータの消去やそれにともなう記録領域の断片化などにより、ランダムアクセスやランダムライトが発生する可能性が十分に考えられる。ランダムライトの性能については、バッファメモリのデータ処理アルゴリズムやアクセスタイム(シークタイム)が影響してくる。前者についてはなかなかわかりにくいが、後者はカタログに必ず表記されているので、製品選びの際には目安にするといいだろう。
CD-RWメディアの論理フォーマットにかかった時間(単位:秒)。 |
(3)のテストでは、MP7200A(CD-RW40倍速読み出し)がPX-1610A/BS(同32倍読み出し)を抑えてトップに立っており、歴代のリコードライブ同様、CD-RWの使い勝手のよさは本機でも健在だ。MP7200Aでは、MP7125Aよりアクセスタイムが高速になっているので、ランダムライト性能はMP7125Aより上になるだろう。高速なCD-RWリード性能はCD-RWメディアを多用するユーザーには嬉しいところだ。
MP7200Aの価格はオープンプライスで、実売価格は3万円台前半と、現在3万円弱になってきている16倍速書き込みの製品と近い価格帯だ。なんといっても、最大20倍速という現在市場に並んでいるドライブの中では最高峰の書き込み速度が目を惹く製品だが、高速でも安全かつ高品位な書き込みを実現するためのJustLinkやJustSpeedといった機能のメリットも、速度と同様に非常に大きい。JustLinkやJustSpeedは、CD-R/RWにデータを記録する際、ユーザーが特別な操作を必要とするものではないので、まったくの初心者でも面倒な設定をいろいろいじる必要なく安全な書き込みが可能になる。スピード重視のハイアマチュアから初めてCD-RWドライブに接する人まで、幅広いユーザーにお勧めできる製品だ。なお、MP7200A、20倍速書き込み対応メディアともに、発売日は4月27日。
書き込み | 最大20倍速(ゾーンCLV) |
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書き換え | 10倍速(CLV) |
読み出し | 40倍速(CAV) |
読み出し(CD-RW) | 40倍速(CAV) |
オーディオトラック デジタルキャプチャ |
40倍速(CAV) |
バッファメモリ | 2MB |
アクセスタイム | 100ms |
インターフェイス | ATAPI(UltraATA) |
付属ソフト | B's Recorder GOLD、B's CLiP |
価格 | オープンプライス |