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【Do Linux!に迫る】(その11) Linuxを勉強する“コツ”

2001年03月05日 04時41分更新

文● 吉川

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Do Linux!ロゴ

毎回Linux技術者になるための情報をお届けしている本コーナーだが、今回はDo Linux!の要ともいえる、RHCEコースを担当する講師お二人と、Do Linux!卒業生お一人にご登場いただいた。

Do Linux!を受けるにあたって必要なスキルは何なのか、受講中にどのような点に注意すれば最大限のスキルアップを図ることができるのか、日々Linux育成の現場に関わる講師の方々や、卒業生からの貴重なアドバイスをお届けしよう。記事末には、Do Linux!/RHCEを受講するにあたってのスキルレベルチェック項目も用意したのでご覧いただきたい。



お話をおうかがいした方々

大鳥信弘氏
Cのプログラマから営業、そしてRHCEの講師へ。テンアートニのRHCEコースを全般的に担当する。
安藤葉子氏
Do Linux!を修了後、テンアートニにてDo Linux!初心者コース(詳細は「その9―Linux技術者への足がかり Do Linux!入門コーススタート」を参照)の講師として勤務。
伊藤氏
Do Linux!卒業生。現在日本SGI(株)に勤務し、Linuxビジネス推進に関わっている。

インタビュー:自宅ではWindows環境を捨てなさい

[日刊アスキー] いままでDo Linux!卒業生の方にもかおうかがいしたことがあるのですが、Do Linux!を受けようという人が一番気になるのが、「自分はDo Linux!やRHCEを受けられるレベルにあるのかどうか」という問題だと思います。そういった不安に対するアドバイスをいただければと思うのですが。
[大鳥氏] 生徒の方に当てはまるかどうかわからないのですが、私はRHCEの講師には「自宅ではWindows環境を捨てなさい!」と言っています。その位やらないとダメだよと。自宅でWindowsを捨てるということは、環境を一からLinuxで構築しなければいけない。その経験をしなさいということです。
Windowsを捨てた場合の不具合は、WordやExcelで作成された文書を読めなくなる程度だと思います。自分でダイヤルアップ設定やプリンタの設定をしてみる ― 市販されている雑誌や書籍に、そのやり方はいくらでも書いてありますから、正直言って、やっていただければ「なんだこんな簡単につながるんだ」の世界ですからね。
“自分の身の回りからLinuxに換えていく”というのが、やはり早いのではないかなと思います。
[安藤氏] 慣れみたいなものが出てきますよね。
[大鳥氏] そうですね。やはり書籍を読んだだけではなく、自分で「できた!」というところまで行くと、自信に繋がっていきます。ここ(Do Linux!)に来てすべて教えてもらうのではなくて、なにかしら自信を持っていらっしゃるというのは強いと思います。
[日刊アスキー] では、RHCE合格へのアドバイスなどもおうかがいできればと思うのですが。
[大鳥氏] テンアートニというか、私が考える「これをやれば合格率を上げられるだろう」という方法は、すでに実践しています。その中身は企業秘密もありますので(笑)。ですので、「テンアートニのRHCEを受けてもらう」というのが、合格率を上げる秘訣だと思います。
[日刊アスキー] なるほど。授業内容以外の、テンアートニさんの強みを教えていただけますか?
[大鳥氏] まず、徹底的な受講生のサポートです。6時30分まで講師は教室から帰らない。たとえば、普通のセミナーなどですと、授業が終わったら「さあ演習をおこなってくださーい」ということになって講師は帰ってしまう場合もあると思います。しかしテンアートニの場合は帰らない。ひとりひとり、演習で結果を出せるまでアシスタントもサポートします。
アシスタントをつけて、お客さんが納得するまで面倒を見させるというのがいいところではないかなと思います。
[日刊アスキー] Do Linux!受講者の方にお話しをおうかがいしたときも、先生が残ってくれるのがメリットだという方がいらっしゃいました。
[伊藤氏] 私はパソナテックの講習も受けたことがありまして、そこでも同じように残っていてくださったので、講師が残っているのが当たり前だと思っていました(笑)。
[大鳥氏] 他社の講習では、4時30分で終わりという所もあるでしょう。正直、6時30分まで付き合うのは講師も辛いのです。もちろん、やりすぎるのは体力的にも問題があるので、6時30分という区切りは作っています。
[日刊アスキー] アシスタントの方がつくということは、基本的には少人数制になりますね?
[大鳥氏] 1人2台のマシンで学習しなければならないという面もありますので、最大10人ですね。それに、6~7人程度がいちばん仲良くかつ楽しく学習できるのです。
[日刊アスキー] 仲間同士で教えあったり?
[安藤氏] 私は5期生で、メーリングリストを作って仲良くなって、かなり助け合いました。 現在初心者コースの講師をしていて、みなさんにも「みんなで仲良く」とアドバイスまでしています(笑)。
[大鳥氏] スキル的な不安にしても、仲良くなることで解決できると思います。1人だけ合格できなかったらみんながサポートしますし、不合格者が多かったら全員で燃える、といった具合ですね。

「仲間」という話題では、就業時の情報交換や、その後の付き合いにまで話は及んだ。4週間近くに及ぶDo Linux!では、やはり苦労しただけの「連帯感」というものも育まれるようだ。この話題についてはまた次回「Do Linux!に迫る」(その12)でご紹介したい。(その12)では、Linux業界全体の展望と、その中でDo Linux!卒業生がどのように活躍しているのかをレポートする予定だ。最後に、大鳥氏から今後のDo Linux!情報についてコメントをいただいたので、お知らせしたい。

[大鳥氏] 4月からRHCEはVersion 7になります(Red Hat Linux 7が対象。Red Hat Linux 7は、現在は案件ベースで使えるバージョンではないので、Do Linux!の実戦コースはVersion 6ベースで実施します。
ですから、RHCE試験と実戦コースのバージョンが違うことになりますが、そのほうがいいかなと。最新のものを勉強しなければいけないし、なおかつ実際に使うバージョンも勉強しなければいけないので。9期生からVersion 7が実施されますので、Version 6のRHCEを受けたい方は、次回に申し込んでいただき、Version 7が楽しみの方は4月以降に申し込んでいたければと思います。

この程度は抑えておこう! Do Linux/RHCEを受講できるレベルとは??

ここでは、Do Linux!のRHCEコース担当大鳥氏におうかがいした、「RHCEを受けるのであればこの程度は抑えておきたい」Linuxスキルをご紹介する。

  • viを使えること……設定ファイルの書き換えをはじめ、基本中の基本となる。
  • ファイルシステムを把握していること……たとえば、cdコマンドの使い方などがしっかりとできていること。
  • インターネットの基本的な構造を把握していること……インターネット上で使われている基本的なサーバの名称程度は抑えておきたい。サービスとサービスの使えるポート番号がわかっているレベルならばよい。TCP/IPの基本的な部分も知っているとよい。

これらは、あくまでも「受講するにあたって」ということであり、RHCEに合格するレベルとはまた別の話だという。そしてやはり最大のポイントは、

  • Linuxの仕事がしたいという熱意

が必要だということだ。

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