ソニーマーケティング(株)は2日、ウェブ上の3次元空間に動画コンテンツをストリーミング再生する技術を核とした、3次元ウェブ構築ソフトウェア『SpaceStream(スペースストリーム)』を発表した。ソニー(株)が開発した要素技術を元に、ソニーマーケティングが商品開発した。
『SpaceStream』エントランスページ |
このソフトウェアは、ウェブブラウザー内に3次元空間を作り、その中に動画コンテンツを自由に配置できるとのこと。例えば、仮想の部屋を設置してその壁面に動画コンテンツを並べ、その中を歩き回って気に入った動画を眺めるようなことが可能になるという。
これまでは動画コンテンツを再生しようとすると、ウェブブラウザーとは別にウィンドウが開き、その中で再生されていた。そのため、ユーザーの動作はウィンドウを切り替えるたびに中断せざるをえなかった。しかし『SpacceStream』では、3次元空間内に動画やテキスト、ナビゲーションボタンなどさまざまなコンテンツを置くことで、ユーザーが全ての動作を途切れることなく行なえるようになるとのことだ。
その他の特徴としては、
- 3次元空間内のユーザーの位置と再生しているコンテンツとの仮想的な距離に連動して、コンテンツの音量を自動的に制御する。これによって、まるで実際にコンテンツを鑑賞しているようなリアリティが実現できる。
- QuickTime Player、RealPlayer、Windows Media Playerに対応。
- 閲覧に必要なソフトウェアは無償のプラグインであり、インストールなどの作業は不要。
- ユーザーがアバタ(分身)として3次元空間に入り、他のユーザーとチャットなどができるマルチユーザー機能や、人工知能を搭載したアバタを使えるエージェント機能などがオプションとして7月以降に発売される予定。
ことが挙げられる。
ソニーマーケティングでは、コンテンツ配信業者や広告代理店、eコマースを実施している企業などを中心に、ビジネスを展開していくという。価格と発売日は、オーダーメイド版が9日発売で300万円から、いくつかのパターンで構築した3次元空間を顧客にレンタルする空間貸版が、7月発売予定で月額5万円からとなっている。
(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントが運営する音楽サイト“bitmusic”が、このソフトウェアを初めて採用して、ブロードバンド接続ユーザー向けサイト内に、バーチャル音楽配信ショップを3月7日にオープンするとのことだ。
ソニー・ミュージックエンタテインメントの音楽配信サイト、“bitmusic”に設置された3D空間内の“ヴァーチャル試聴機”で曲の試聴ができ、購入ページにダイレクトにアクセスできる |