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米SGIのCEO来日、21世紀のビジネス戦略を発表

2000年09月21日 22時03分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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日本SGI(株)は21日、米SGI会長兼CEOであるRobert Bishop(ロバート・ビショップ)氏の来日記者会見を実施、21世紀に向けたSGIのビジネス戦略について説明した。

米SGIの会長兼CEOであるBishop氏(右)と、日本SGIの和泉社長

21世紀はコンテンツの時代

Bishop氏は、同社が22日に開催する“SGI Solution Forum 2000”に伴い来日。本日SGIの世界戦略について説明した。同氏は、「われわれは、規模的には小さな会社かもしれないが、先進企業であり戦略的に重要な役割を担う企業だ。パートナーと共に業界に大きなインパクトを与えている。目指すのは、世界でも最高のパートナーサプライヤーとして、テクニカルコンピューティング分野と、クリエイティブコンピューティング分野でリーダーシップを取ること」

米SGI会長兼CEOであるRobert Bishop氏

「この2つの分野はどちらも大規模なデータを扱う。21世紀に向けて、大規模データの管理能力や作成能力、配信能力が求められると考えている。SGIの世界戦略は、大規模データをベースとしたコンテンツを作成/管理/配信するための手伝いをすること」

「インターネットはブロードバンドの世界に移行し、コンテンツも文字中心のものから、3次元の臨場感のあるインタラクティブな内容に変わるだろう。またこれまでシンプルであったEコマースは、説得力のあるメディアコマースに向かっていくだろう。これら全ての分野でリーダーシップを発揮し、クリエイターやデザイナー、コンテンツ業者にツールを提供するリーダーとなっていきたい」と語った。

また、日本SGI(株)代表取締役社長兼米SGI上級副社長の和泉法夫氏は、日本SGIの方向性について、「今後は映像やCGが大容量データとしてふんだんに使われる時代になる。SGIのコアコンピタンスは、ビジュアライゼーション(可視化)、スケーラビリティー(拡張性)、ブロードバンド(広帯域)。これらをベースとした業務提携を、ティージー情報ネットワーク、五藤光学研究所、有線ブロードネットワークスの3社とそれぞれと結んだ。戦略を1つ1つ形にしていく」

日本SGI代表取締役社長兼米SGI上級副社長の和泉法夫氏

「21世紀は間違いなくコンテンツの時代。シスコだマイクロソフトだのPCに振り回される時代は20世紀で終わった。21世紀はPCを使いこなす時代だ。SGIがLinuxに注力しているのは、有料のOSでPCを使う時代が終わり、今後はオープン化に向かっていくからだ。オープン化の尖兵はLinuxであり、SGIは今後もLinuxにフォーカスしていく」と説明した。

さまざまな分野の企業と提携

また日本SGIは、和泉社長が本日述べた通り、(株)ティージー情報ネットワーク、(株)五藤光学研究所、(株)有線ブロードネットワークスとそれぞれ個別に提携したことを21日付で発表した。

日本SGIとティージー情報ネットワークは、国内の金融工学分野で提携、商用レベルの金融工学システムを提供する“先端金融工学センター(FISC-Japan)”を都内に今秋設立する。同センターでは、(株)エヌ・ケー・エクサなど国内外の金融製品メーカーや研究機関と共同で、特定の企業系列に属さない中立でオープンなコンソーシアム活動を行なう。日本SGIはセンターサーバーやワークステーションなどの大規模コンピューター環境を提供し、運営支援を行なう。

日本SGIと五藤光学研究所は、3次元リアルタイムCG技術を利用したデジタルプラネタリウム『バーチャリウム』をベースとしたビジュアライゼーションビジネスを共同で展開する。バーチャリウムはSGIのCG技術と五藤光学研究所のドーム投射技術およびドームエンジニアリング技術を組み合わせて開発したもの。両社はこのバーチャリウム技術を、都市シミュレーションなどより広範囲な分野に向けて展開していくという。

日本SGIと米SGI、(株)有線ブロードネットワークスは、ブロードバンド事業で技術提携した。SGIは、有線ブロードネットワークスが今後展開する10Mbps広帯域通信事業において技術提供を行ない、メディアコマースの実証や情報通信サービスの実現に向けた開発を推進していくという。

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