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JASRACら3団体が音楽情報のポータルサイトMusic Forest(音楽の森)を発表

1999年04月09日 00時00分更新

文● 報道局 伊藤咲子

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 (社)日本音楽著作権協会(JASRAC)、(社)日本レコード協会(RIAJ)、(社)日本芸能実演家団体協議会(芸団協)は8日、音楽情報ポータルサイト“Music Forest(音楽の森)”を6月に開設すると発表した。Music Forestのシステム開発および運営は、3団体で今年1月に設立した音楽情報ネットワーク協会(MINC=Music Information Network Consortium=)を担当する。

MINC代表幹事を務める藤井一孝氏(JASRAC常務理事)
MINC代表幹事を務める藤井一孝氏(JASRAC常務理事)



 Music Forestが提供するコンテンツは、音楽作品や実演家など音楽に関する各種情報、著作権情報、音楽関連サイトとのリンクなど。予定している主な内容は、以下の通り。

●'99年6月稼動

・音楽作品のタイトル、録音メディア、作品の著作権利者、実演家といった情報の相互検索システム
・他の音楽情報提供サイトとの相互接続


●2000年前半

・ISRCコード(音源コードの国際標準、ISO規格)と連携した音楽情報の拡充
・楽曲試聴サービスの一部開始(※)
・各種音楽情報

●2000年後半

・JASRACが管理するCIS(作品コード)、芸団協が管理するIPD(実演家コード)、RIAJが管理するISRCをそれぞれ統合したデータベース
・楽曲試聴サービスの完成
・視聴者が参加する情報交換スペースの提供

※楽曲の試聴サービスに関して、データの圧縮形式やセキュリティーの方法などは未定。

以下、記者発表会での質疑応答を一部紹介する

左から藤井一孝代表幹事、瓜生宏司副代表幹事(RIAJシステム開発室長)、出井信威幹事(音楽情報ネットワーク協議会事務局長)
左から藤井一孝代表幹事、瓜生宏司副代表幹事(RIAJシステム開発室長)、出井信威幹事(音楽情報ネットワーク協議会事務局長)



――6月にMusic Forestのサービスを開始する時の情報量はどのくらいか

「110万曲を予定している。製品情報は、過去2年間分(約15万曲、アルバム8万タイトル)、次に新譜、最後に旧譜と段階を踏んで増やしたい」

――一般視聴者にはどの程度までの情報を提供するのか

「オーダーの1歩手前まで。ただし、MINCは権利処理や、課金を伴う音楽配信、流通は行なわない。SDMIの問題や、個人違法サイトの問題、権利許諾請求などは権利団体が行なうもので、MINCは情報配信のみ行なう」

――相互リンクを予定しているレコード会社は

「RIAJ加盟のレコード会社(22社)は、ほぼ網羅する見込みだ。インディーズのサイトとは、当面接続はしない」

 記者会見では、MINC側が「インターネット接続人口は、全体を100とすると1程度」という2年前の調査データを引用するなど、現状認識とのズレを感じる部分もあった。また、権利処理やデジタル配信技術などに関する提案は含んでおらず、今回発表されたMusic Forestは、MP3の普及等で話題となっている違法配信問題に一石を投じるものとはならないようだ。

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