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16日より、渋谷駅周辺で電子マネー“VISAキャッシュ”の使用実験を開始

1998年07月15日 00時00分更新

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 ビザ・インターナショナルや、日本の金融機関、クレジットカード会社など25社で構成される渋谷スマートカードソサエティー(SSS)は、16日より渋谷駅周辺で、ICカードを利用した電子マネー“VISAキャッシュ”の使用実験を開始する。実験に参加する加盟店700店では、ICカードに記録した電子マネーで、商品を購入できるようになる。



 本日の記者発表会で挨拶した、古谷九八郎ビザ・インターナショナル日本総支配人は、「今回の渋谷でのVISAキャッシュの実験は、世界最大規模というだけでなく、複数のメーカーが製造した端末やカードを使って、複数の金融機関やカード会社がVISAキャッシュを発行する点も重要な意味を持っている」と挨拶した。ビザ・インターナショナルでは、昨年10月から神戸でも、VISAキャッシュの実験を行なっており、神戸三宮・ハーバーランド地区の600の店舗が参加した実績がある。また、すでに、世界31ヵ国で同種のプロジェクトを進めており、2300万枚のICカード発行しているという。



 今回の実験で発行されるICカードは、使いきり型カード、電子マネーを何回でも発行できる“リローダブル型”カード、ICクレジットカードとVISAキャッシュカードの1枚化カード、キャッシャカードとVISAキャッシュカードの1枚化カードの4種類で、4種類合計で13万3000枚、うち使いきり型カードだけで6万4000枚発行する予定。当初、VISAキャッシュを発行するのは、クレジットカード会社だけだが、9月からは銀行も参加する予定という。カードの図柄は各社が独自にデザインするため、タレントの写真入のものやアニメキャラクター入りのカードも発行される。



 さて、VISAキャッシュの使い方だが、使いきり型カードの場合は、カード会社の支店などで、VISAキャッシュがインプットされているカードを直接購入する。リローダブル型の場合は、渋谷駅周辺に十数台設置されているロード用の端末に差し込んで、VISAキャッシュを発行してもらう。この際、発行体がカード会社であっても、銀行であっても利用者には手数料は一切かからない。



 VISAキャッシュが使える店舗は、百貨店、書店、家電量販店、薬局、衣料品店ファーストフード店などで、“VISA Cash”と書かれた青いシールが貼られている。また、レジの脇にも、VISAキャッシュ読み取り用の機械が設置されている。



 アイスクリームショップの“サーティーワン”に入って実際に使用してみた。アイスクリームを注文する時には、いつもどおりでよく、代金を支払うときにVISAキャッシュを使いたい、といえば良い。店員が、代金をレジに入力した後で、「カードを入れてください」と言うので、カードリーダーにカードを挿入する。そして、カードリーダーに支払う金額が表示されて、「これで良ければ、Enterキーを押してください」と言うので、緑色のEnterキーを押すと、支払いは終了する。



 VISAキャッシュの残高は、“VISAビューア”という携帯用の残高表示器で確認することができる。

 使いきり型カードの場合は、発行体によって異なるが、VISAキャッシュの金額は数千円前後に、また、リローダブル型カードの場合も、インプットできる金額の上限は3万円程度になるという。ただ、VISAキャッシュを発行するロード機の稼働時間は、端末ごとに違うが、朝は早くても7時から、夜はもっとも遅くても10時までで、「24時間稼動は将来の課題」としている。(報道局 佐藤和彦、篠田友美)

http://www.visa.co.jp/

【INTERVIEW】「あらゆる時・場所・人の支払いを便利にしたい」近藤均ビザ・インターナショナル日本総支配人代理
http://www.ascii.co.jp/ascii24/issue/980615/topic04.html

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