このページの本文へ

日本AMD、“3DNow!”技術採用の『AMD-K6-2』プロセッサーを発売

1998年05月29日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷


 日本AMD(株)は、“3DNow!”技術を組み込んだ『AMD-K6-2/333』、『同/300』、『同/266』プロセッサーを発表した。同プロセッサーは、3Dグラフィックス、オーディオやマルチメディアの性能を向上させる同社の“3DNow!”技術と、MMX対応アプリケーションの性能を向上させる“エンハンスト・スーパースケーラMMX機能”を組み込み、マルチメディア・アプリケーションの処理能力が大幅に向上したものだという。また、“Socket7”だけでなく“Super7”プラットフォーム(100MHzローカルバスおよびAGP)にも対応しているという。



 同プロセッサーは、930万のトランジスタを集積。同社のウエハー製造工場Fab25で、0.25μm5層メタル・プロセス技術で製造される。パッケージは、321ピンCPGA(Ceramic Pin Grid Array)。

 “3DNow!”技術では、新たに21命令セットを追加し、3Dグラフィックス、オーディオやマルチメディアをはじめ、浮動小数点演算を使用するアプリケーションの性能が大幅に向上するという。命令セットは、主にSIMD(Single Instruction Multiple Data)を採用。浮動少数点演算性能はピーク時で『AMD-K6-2/333』は1.333GFLOPS(Pentium II-400MHzは0.4GFLOPS)を発揮するという。

 同技術は、システムに搭載された3Dグラフィックス・アクセラレーター・カードの処理を補完することにより、プロセッサーと3Dグラフィックス・アクセラレーター・カード間のボトルネックを解消する。また、“エンハンスト・スーパースケーラMMX機能”は、デュアル・デコードおよびデュアル実行パイプライン、制約なしのデコード・ペアを実現することにより、MMXアプリケーションの性能が向上するという。

 “Super7”プラットフォームは、100MHzバスをサポートする。100MHzローカルバス・インターフェースは、レベル2キャッシュおよびメインメモリーへのアクセスが66MHz Socket7のバス・インタフェースに比べ、約50パーセント高速化するという。『AMD-K6-2』に対応した“Super7”は、100MHzおよびAGPをサポート。米VIA Technologies社および台湾Acer Laboratories社(ALi)は“Super7”チップセットを発売。台湾Biostar Microtech International社などのマザーボードサプライヤーも、『AMD-K6-2』プロセッサーをサポートするという。

 価格は同一クロック速度のPentium IIに比べ約25パーセント低く設定したという。1000個ロット時の単価で、『AMD-K6-2/333』が5万5350円、『同/300』が4万2150円、『同/266』が2万7750円。



 「わが社の戦略は、インテルよりも高性能なプロセッサーを低価格で提供していくことだ。インテルは、これまで自社利益を守るために価格を高くしていた。われわれが入り込む余地があると考えている」と、同社代表取締役社長の境和夫氏は語った。

 なお、『同/350MHz』を’98年第3四半期に、『同/400MHz』を’98年第4四半期に発売する予定という。

 (株)ソフマップと(株)フリーウェイ(TWO TOP)が同プロセッサーを搭載したコンピューターの販売を開始した。海外では、米KryoTech社が-40度冷却システムを用いて、450MHzまでスピードを上げた『AMD-K6-2/333』と、100MHzシステムバスとAGPを搭載したATXフォーマットのマザーボードを搭載したコンピューター『Cool K6-2』を発売している。

 米IBM社、富士通(株)、日立製作所も同プロセッサーの採用を検討しているという。(報道局 西川ゆずこ)

http://www.amd.com/japan/index.html
http://www.kryotech.com/k62_release.asp

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン