日本ヒューレット・パッカード(株)は、“HP WORLD'98”の会場内にて“HPのJava戦略”と題した記者セミナーを開催した。HPは、同社のUNIXであるHP-UX上で動作するJDKやJavaVMおよびAPIを提供している。また、プリンターやコピー機などの周辺機器用のJavaVMの開発も行なっており、米マイクロソフト社などへのライセンス供給も行なっている。
米HP社のJava戦略担当マネージャーのSala Jacobsen女史は、アプリケーションの開発期間が短縮できプラットフォームを選ばないJava環境は「企業のビジネス分野において優位である」と語り、HPとしては、こうした企業を対象としたサーバー分野に重点を置いていく方針を明らかにした。今後は、IA-64でのJava環境の開発も行なっていくという。
Javaのパフォーマンスの問題に関しては、コードのチューニングを行なうだけでなく、JavaVM自体の高速化のために、VM内のコンパイラーの開発も行なっている。複数のプラットフォームで利用できる“Optimized
Dynamic Compiler”とHP-UX専用の“Native Compiler”の2種類で、'98年の末期末から'99年の初期にかけてHP-UX
11.0用としてリリースされる予定。現在の“Just-In-Time Compiler 2.0”に比べて“Optimized
Dynamic Compiler”で約5倍、“Native Compiler”で約6~7倍のパフォーマンスが得られるという。
なお、PersonalJavaやJavaBeansへの対応は検討中で、JavaCardは今のところは予定にないという。(報道局
中山実)
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