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日本SGI、CPUを最大512基まで搭載可能な次世代NUMAサーバーを発売

2000年08月02日 20時16分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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日本SGI(株)は8月2日、“SGI 3000シリーズ”の新製品ラインナップである次世代NUMAサーバー『SGI Origin 3000シリーズ・サーバ』、および『SGI Onyx 3000シリーズ・ビジュアライゼーション・システム』を発売したと発表、本日都内ホテルで記者発表会を行なった。

ブリック構造を採用した次世代ハイエンドサーバー

両製品は、シームレスにノードボードを継ぎ足してシステムを拡張できる“NUMA(Non-Uniform Memory Access)”アーキテクチャーをベースとした次世代ハイエンドサーバー。Onyx 3000は、Origin 3000シリーズにグラフィックス機能を追加したものとなっている。

Onyx 3000シリーズ。筐体デザインはOrigin 3000シリーズも同じ

両製品とも、モジュラー技術“SGI NUMAflex”を採用し、システムのラック中に、引き出し型の“ブリック”と呼ばれる機能別のモジュールを複数搭載できる構造となっている。1つのブリックが故障してもシステム全体の障害にはならず、故障したブリックのみを交換すればいい仕組み。

筐体の中はラック状になっており、複数のブリックを搭載できるようになっている
筐体の裏側。ブリックにはバックプレーンが不要なため、サーバーに付きものの大量のケーブル類がなく、すっきりとしている

各種ブリックを組み合わせて必要なシステムを構築可能

ブリックの種類は、CPU(MIPS)×4基とメモリー8GBを搭載したCPUモジュール“Cブリック”、PCI拡張モジュール“Pブリック”、最大12台までのディスクをサポートするディスクストレージ“Dブリック”、ルータインターコネクトである“Rブリック”、システムディスクやCD-ROMドライブ、PCIスロット×4、EthernetなどベースI/Oを搭載したモジュール“Iブリック”、XIOスロット×4を搭載したXIO拡張モジュール“Xブリック”、InfiniteReality3グラフィックスモジュール“Gブリック”が用意されている。

ユーザーは各種ブリックを組み合わせることで、必要に応じたシステムを構築できる。PCI-XやInfinibandといった新技術が市場に登場すると、それらに対応した新しいブリックが追加されるため、将来的なアップグレードも可能となっている。

CPUは1システム当たり最大512基まで搭載可能。OSはSGIのUNIX OSであるIRIXを採用している。

Origin 3000シリーズの最小構成価格は、CPU×2基(MIPS R12000)、512MBのメモリー、18GBのHDD、IRIXのデスクサイド型モデルが1102万9000円から。CPU×4基(MIPS R12000)、512MBのメモリー、18GBのHDD、IRIXのデスクサイド型モデルが1779万1000円から。

Onyx 3000シリーズの最小構成価格は、InfiniteReality3グラフィックスパイプ×1、CPU×2基(MIPS R12000)、1RM、512MBのメモリー、18GBのHDD、21インチディスプレーまたは24インチスーパーワイドディスプレー、キーボード、マウス、オーディオカード、IRIXで3028万4000円から。

インターグラフ社と提携

同社は発表会場で、インターグラフ社と業務提携を行なうことも明らかにした。インターグラフは、今後3年間に渡り、SGIの製品/サービスを合計1億ドル(約109億6800万円)相当分購入する。また、同社は、インターグラフのハードウェア部門が扱っているサーバー製品『Zx10』の営業権を獲得、Zx10の製品ラインナップは、今後同社が独占販売を行なうという。

ウォールディスプレーシステムも同時発表

また同社は、高解像度プロジェクターを複数台内蔵したウォールディスプレーシステム『SGI Reality Center 3300W』も同時に発売したと発表した。

ウォールディスプレーシステム『SGI Reality Center 3300W』

RC3300Wは、3Dグラフィックスやビデオ映像、PCのアプリケーション画面などを表示できるディスプレーシステム。2面式で表示部分が横2.842×縦1.313mの製品と、3面式で表示部分が横4.027×縦1.313mの製品の2モデルが用意されている。単一画面に最大500万ピクセルまでの大容量画像を表示でき、例えば実物大の自動車画像を画面のつなぎ目なしで表示可能。価格は2520万円から。

「間違いなく次世代ブロードバンドサーバーになる」と和泉社長

発表会場で同社代表取締役社長の和泉法夫氏は、「両シリーズ製品はすべてレンガ積みのようなブリック構造になっている。例えばIA-64に対応したければ、IA-64モジュールをラックに差し込めばいい。これからのサーバーはスケーラビリティーがすべてだ。SGIが4年間提供してきた製品を一新したと、とらえてもらっていい。Itaniumの開発が完了すれば、これらの筐体にインテルのボードが搭載されることになるだろう。必要なハードウェアリソースは、必要なタイミングで入れる」と説明した。

同社代表取締役社長の和泉法夫氏

また同氏は、米国で7月に開催された“SIGGRAPH 2000”で、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントが新世代エンターテインメントのデモに、ブロードバンドサーバーとしてOrigin 3400を採用したことを紹介し、「これらの製品は間違いなく次世代ブロードバンドのコンテンツサーバーとなる。当社は7月から新年度が始まったが、強力な武器ができた」と語った。

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