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オートデスク、汎用CADシステム『AutoCAD 2000i』などCAD製品群を発表

2000年07月28日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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オートデスク(株)は27日、2次元/3次元対応の汎用CADソフト『AutoCAD 2000i』およびそのローエンド製品『AutoCAD LT 2000i』、機械系2次元設計CADソフト『AutoCAD Mechanical 2000i』、マッピングおよびGIS*機能を搭載した『AutoCAD Map 2000i』など6製品を発表した。“iDesign(internetDesign)”をコンセプトに、各製品とも、遠隔地の設計チームや、設計発注元、仕入先などと、ウェブベースで共同作業を行なうための機能を充実させているのが特徴だ。

*Geographic Information System(地上情報システム)

今回発表されたCAD製品群。『AutoCAD 2000i』と『AutoCAD LT 2000i』は27日に受注を開始した
今回発表されたCAD製品群。『AutoCAD 2000i』と『AutoCAD LT 2000i』は27日に受注を開始した



『AutoCAD 2000i』は、同社のハイエンド向けCADシステム群の看板製品である『AutoCAD』の最新版にあたり、建設設計(ビルの設計/施工/管理)、建設土木(空間データの取り込み/表示、組立/解析)、製造(部品の設計/解析)などでの使用を想定している。『AutoCAD R12』以降のAutoCAD図面ファイルの読み込みが可能で、前バージョンの『AutoCAD 2000』用に作成されたVBAマクロやLISPプログラム、サードパーティー製のアプリケーションとも互換が保たれているという。

『AutoCAD 2000i』に追加された機能は、インターネットを使用した設計環境を築くための機能が主である。

設計作業の支援を目指し、ウェブぺージと連携するために、“AutoCAD Today”という機能を設けた。この機能では、図面を作成しながら、HTMLベースのウインドーを使ってオートデスクのCAD情報サイト“Point A”や、イントラネット/インターネット上のプロジェクト専用ウェブサイトなどにアクセスできるようになった。この“AutoCAD Today”ウィンドーの“掲示板”コーナーでは、プロジェクト管理者がイントラネット経由で、社内情報の伝達やソフトやパッチの配布を行なうこともできる。

また、オブジェクト単体にハイパーリンクを挿入することもでき、この場合は“ハイパーリンクを挿入”ダイアログを使用する。

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“ハイパーリンクを挿入”ダイアログ。インターフェースは『Office 2000』ライクだ




遠隔地のAutoCADユーザーとの情報共有を支援するために、“e-トランスミット”機能を搭載した。現在開いているファイルに関連する全てのファイルを1パックに圧縮して送信できるという。また、“オンラインミーティング”機能によって、マイクロソフト(株)の『NetMeeting』を立ち上げてファイル情報を共有しながらオンライン会議を行えるようになった。

非AutoCadユーザーとの情報共有を支援するために、“Webに公開”機能を追加した。これによって、ウィザードに従ってHTMLページを作成し、図面ファイルをインターネット/イントラネットに公開することが可能になった。

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“e-トランスミット”機能で、関連ファイルを1パックにして送信することで、誤送を防ぐ



そのほか、基本機能の向上として、今まで256色対応であったのに対し、今回よりTrue Color(24bit)での印刷が可能になった。3Dグラフィックシステムのレンダリングオプションとして、光源、マテリアル、テクスチャーの使用や、透過性を反映した表現が行なえるようになった。

対応OSは、Windows 95/98/NT4.0/2000。8月23日に出荷を開始し、価格はオープンプライス。同社のウェブサイトで購入することもでき、7月27日の発表と同時に59万8000円で注文を受け付けているが、この価格も、市場の動向に併せて今後変動する予定。オンライン購入者に対するダイレクトサポートの価格は、6案件で6万円、18案件で16万円。『R13』以降の正規ユーザー向けのアップグレードメニューや、キャダムシステム(株)製品のユーザーを対象にした乗り換えメニューも用意している。

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『AutoCAD LT 2000i』



『AutoCAD LT 2000i』は、2次元/3次元対応の『AutoCAD 2000i』の2次元機能を踏襲したエントリーモデル。出荷開始は9月8日で、価格はオープンプライス。こちらもオンラインで注文を受け付けており、価格は12万8000。

そのほか、今回発表された製品の出荷日と価格は以下のとおり。

・『AutoCAD Mechanical 2000i』。『AutoCAD 2000i』をベースとした機械系2次元CADシステム。インターネットによるコラボレート機能が追加されたほか、標準規格に準拠した図面作成を支援するよう、部品表など設計用ダイアログボックスの項目を管理者が設定できるなど、ユーザーインターフェースを改良した。9月中旬出荷開始予定で、価格は69万8000円。

・『Mechanical Desktop Release 5』。『AutoCAD 2000i』をベースとした機械系2次元/3次元CADシステム。インターネットによるコラボレート機能が追加されたほか、機械加工や金型設計を支援するサーフェス編集/作成機能やサーフェース評価機能などが強化された。9月中旬出荷開始予定で、価格は96万円。

・『AutoCAD Map 2000i』。『AutoCAD 2000i』をベースに精密地図の作成機能やGIS機能を搭載。インターネットによるコラボレート機能が追加されたほか、新しい“FMEインポート/エクスポート・エンジン”を搭載した。これにより、マッピングファイルを最新のフォーマットに変換したり、新規のファイルフォーマット用ドライバーを、インターネットからダウンロードしたりすることができる。9月中旬出荷開始予定で、価格は69万8000円。

・『Autodesk MapGuide R5』。ウェブ上にベクター/ラスターベースの地理情報の管理アプリケーションを構築、運用管理できるGISシステム構築ツール。製品の出荷開始は2000年9月中旬で、機能や価格は9月7日に発表する予定という。

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