コダック(株)は6日、銀塩写真の愛好家をターゲットにした、総画素数330万画素CCD搭載のデジタルカメラ『DC4800
Zoom』を発表した。銀塩35mmフィルムと同じアスペクト比3対2のCCDを搭載し、広角よりの28mm(35mmカメラ換算)からズームできる、“EKTANAR”光学3倍ズームレンズを搭載する。価格は9万9800円で、23日に発売予定。
『DC4800 Zoom』 |
広角が狙えるズームレンズ
DC4800 Zoomは、マグネシウムダイキャストを使用したコンパクトカメラタイプのボディーを持つ。写真を愛好する20~50歳代の男性を仮想ユーザーとして開発されたといい、従来の同社製品『DC290Zoom』などに比べると、小型で、かつ実にオーソドックスな高級感のあるデザインとなっている。サイズは幅120×奥行き68×高さ65mmで、本体のみの重さは320gで、リチウムイオン充電池を装着した撮影時の重さは約400gという。7群9枚(非球面3枚)で構成された“EKTANAR”光学3倍ズームレンズは、35mmカメラ換算で28~84mm(F2.8~4.5)と、300万画素クラスのデジタルカメラのズームとしては、最も広角よりとなっている。デジタル2倍ズームとあわせて、最大6倍のズームアップが可能。光学ズームのスピードは、ズームボタンを押し込むことで、高速とスローの2段階に切り替えられる。オプションのレンズフード兼フィルターアダプター(4800円)を装着すると、43mm径の市販フィルターを利用できる。
CCDは1.75分の1インチ正方画素タイプで原色フィルターを使用する。総画素数は330万画素、有効画素数は310万画素となっている。同社のユーザーから、見にくいと不評だったSTN液晶ディスプレーモニターは、1.8インチで広視野角の低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレーを採用した。視野率は100パーセント(光学ファインダーは90パーセント)で、秒間30コマの表示が可能。
撮影画像は銀塩35mmフィルム(36×24mm)と同じ3:2のアスペクト比で記録される。解像度は、非圧縮(2160×1440ドット非圧縮)、最高画質(2160×1440ドット5分の1圧縮)、高画質(2160×1440ドット10分の1圧縮)、標準画質2.2M(1800×1200ドット5分の1圧縮)、標準画質1.6M(1536×1024ドット5分の1圧縮)、標準画質0.8M(1080×720ドット5分の1圧縮)の6段階。ファイルフォーマットはExif2.1(JPEG)、TIFF、DCFに対応。記録メディアはコンパクトフラッシュType I。付属の16MBコンパクトフラッシュを利用した場合、非圧縮(TIFF)で1枚、標準画質0.8Mで47枚の記録が可能。
銀塩フィルムの表現を取り入れた6つのモード
特徴の1つが、6モードのカラー選択機能。カラーモードでは、DC290Zoomの流れを汲む記憶色の再現を重視した色づくりの“ナチュラル”、落ち着いた色再現を狙った“シック”の2モード。モノクロモードでは、通常のモノクロ(白黒)と、セピア調に加えて、黄色フィルターを使った“Yフィルター付き白黒”、赤色フィルターを使った“Rフィルター付き白黒”の4モードを持つ。これらのモードを利用することで、銀塩におけるフィルムタイプによる違いを表現することを目指したという。撮影モードは、プログラムAE、絞り優先AE、マニュアル、長時間露出(0.7~16秒)の4種類。測光方式は、96分割の多分割測光、中央部重点測光、スポット測光が用意される。ISO感度は100~400の自動設定または、100、200、400からマニュアルで設定する。内蔵のフラッシュ(ガイドナンバー9)のほかに、外部シンクロ端子を装備したことで汎用の外部フラッシュも利用できる。
インターフェースはビデオ出力(NTSC/PAL)と、パソコン接続用にUSB端子を装備。オプションのパソコン接続キット(9800円)に同梱の専用ケーブルを使用してパソコンに画像を取り込むことができる。
電源は同梱の専用リチウムイオン充電池を使用する。電池持続時間は、一般的な使用をシミュレートしたという同社のテスト条件(非公開)で2時間45分としている。