【ビジネスシヨウ2000 TOKYO Vol.4】ザウルスとPalmが激突――豊富なコンテンツのザウルス、サードパーティーをそろえたPalm
2000年05月23日 00時00分更新
“ビジネスシヨウTOKYO 2000”で目立ったモバイル機器の展示。PDA関連では、シャープ(株)の『ザウルス』シリーズと、世界シェアトップの『Palm』シリーズが激突した。ザウルスがシャープのインターネットサイト“スペースタウン”と組み合わせたきめ細かなコンテンツサービスのデモを行なう一方、Palm陣営は周辺機器などに豊富なサードパーティーをそろえて拡張性をアピール。Palmの上陸で熱を帯びる“PDA戦争”は会場でも熱かった。
日本人好みのコンテンツでユーザーを囲い込むザウルス
ザウルス中心の展示となったシャープのブース |
シャープはブースの多くを割いてザウルスシリーズとそのアプリケーションを展示した。目立ったのはスペースタウンを利用したコンテンツ配信。ザウルスを単なるPDAとして捉えず、コンテンツ閲覧端末として自社コンテンツと“抱き合わせ”で提供することでユーザーの囲い込みを狙う。
用意されるコンテンツも、すでに開始している“ザウルス文庫”“ザウルス電子まんが”や、今夏にも配信開始予定の資格試験問題など、通勤時の利用が多い日本のPDA事情を知り尽くしたもの。“黒船”Palmに国内メーカーならではの日本人向けサービスで対抗する。
スペースタウン用コンテンツとして今夏にもスタートする資格試験問題配信サービスのデモ。シスアドやMCPといった試験問題を毎日配信する。選択式の問題をすべて答えると採点もしてくれる。サービス料金は未定とのこと |
ユーザーサイドから立ち上がった“ザウルスで読書”のザウルス文庫もスペースタウンの定番コンテンツだ |
ザウルスに接続してMP3ファイルを再生できるプレーヤーユニット。ファイルはザウルス本体に格納し、プレーヤーはファイルをデコードするだけ。7月の発売を予定し、価格は2万円程度という |
サードパーティーを率いて国内市場に挑むPalm
パームコンピューティングのブース。ビンゴゲームでPalm Vxがもらえるイベントを開催したため大混雑 |
世界シェア7割と首位に君臨するPalmだが、日本市場ではまだザウルスの独走を許している。だが米パーム社が日本法人・パームコンピューティング(株)を設立し、カラー液晶ディスプレー搭載の『Palm
IIIc』とモノクロ液晶搭載の『Palm Vx』を4月に発売。売れ行きは好調で、国内PDA市場の風向きも変わりつつある。
会場で、同社は発売済みのPalm IIIc/Vxを展示するだけにとどまったが、周辺機器やソフトウェア、企業向けアプリケーションなどサードパーティー12社と共同戦線を張った。同社がPalmの優れた点をアピールする際は、ザウルスがシャープ1社を中心に展開しているのを意識し、多数のサードパーティー製品を挙げて拡張性を強調するのが常。ブース展示も、豊富な製品をアドオンすることで多彩な用途に対応できるPalmの柔軟性を前面に押し出した。
パームコンピューティング自身はPalm IIIc/Vxを展示するのみ。写真はVx |
日本で先行した日本アイ・ビー・エム(株)の『WorkPad』がビジネスマン中心に普及したことから、Palm用の企業向けアプリケーションがそろっている。これはサイボウズ(株)のグループウェア『サイボウズOffice3』とPalmとの間でデータ同期が1ボタンで可能、というデモ |
(株)学研/(株)スリー・エー・システムズのPalm OS対応辞書ソフト『Palm辞スパ[国語・漢和編]』。国語辞書は約4万語とカタカナ語、漢和辞書はJIS第1/第2水準の漢字を画数や部首で検索できる。6月発売予定で、価格は2980円の予定 |
(株)アスクは同社が代理店として販売するPalm用周辺機器を展示。これは外付けキーボードの『Go Type! Pro』 |