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【WORLD PC EXPO '99リポート Vol.16】赤外線データ通信の最新規格を披露――Infrared Data Associationが記者説明会を開催

1999年09月08日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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赤外線データ通信の標準化に関する業界団体である“Infrared Data Association(IrDA)”が、WORLD PC EXPO '99会場おいて、IrDA規格の最新状況の説明会を開催した。また、会場内のIrDAブースにおいても、現行の通信速度を大きく上回る、16Mbpsの通信速度を実現する“VFIR(Very Fast IR)”などが展示されている。

IrDAエグゼクティブディレクターのローレンス・フォーク
IrDAエグゼクティブディレクターのローレンス・フォーク


ナー(Lawrence Faulkner)氏

IrDAのフォークナー氏によると、「赤外線ポートを備えた1億以上もの製品が出荷され、驚異的な増加ペースとなっている」という。当初、ユーザーのニーズよりも製品の出荷による普及が先に進んでしまったために、赤外線ポートの利用率はあまり高くなかったが、デジタルカメラやPalm/WorkPad、ヒューレット・パッカードのプリンター、Windows CE製品、ノキアの携帯電話などが普及するにつれて利用が促進されているという。

初期に赤外線ポートを搭載した製品では、互換性がうまく取れておらず、通信ができない場合があった。これに対しIrDAでは、テストラボを用意し、テストにパスした製品には、互換性を保証する“IrReady”というロゴを認定するというプログラムを開始している。さらにIrReadyプログラムでは、現在さらに新しいプロトコルなどに対応する“IrReady 2000”を準備しているということだ。

IrDAで行なわれた規格開発により、従来最速であったFIR(4Mbps)の4倍の通信速度を持つVFIR(16Mbps)が製品化に向けて進行中である。このVFIRは高速化を目指したもので、通信距離(約1m)などは従来と変わらないが、長距離(8m)、広角、マルチユーザー接続を目指すAIR(Advanced Infrared)や、ビデオなどのストリーミングデータに対応可能なより高速の規格も検討中という。

また、電波を利用した近距離のデータ通信規格“Bluetooth”と競合するのではという質問には、「BluetoothとIrDAは、お互いに長所と短所を持っており、補完する関係にある」「エンドユーザーのニーズにすべて応えるには、2つの技術をあわせる必要がある」(フォークナー氏)と答え、Bluetoothとは競合することはないという考えを明らかにした。

VFIR試作モジュールを使った、16Mbpsでのデータ転送
VFIR試作モジュールを使った、16Mbpsでのデータ転送


のデモンストレーション

ヒューレット・パッカード製のVFIR試作モジュールのアッ
ヒューレット・パッカード製のVFIR試作モジュールのアッ


プ。量産製品ではこれよりもずっと小型になる。来年後
半の出荷を見込んでいる

シャープが展示していた“IrDA Control”のデモンストレ
シャープが展示していた“IrDA Control”のデモンストレ


ーション。キーボード、マウス、ジョイスティックなどが赤
外線で接続されている。8つまでの機器を、双方向デー
タ通信可能な状態で接続できるという

米ACTiSYS社の赤外線通信製品群。一番左はシリアル
米ACTiSYS社の赤外線通信製品群。一番左はシリアル


ポートに接続する赤外線ポートアダプターで、日本メーカ
ーにもOEMにより供給しているという。中央左の白い製
品は、USBポートに接続する赤外線ポートアダプターで、
年内の製品出荷を予定。右端は赤外線ポートが正しく動
作するかテストする赤外線ポートテスター

IrDAによる、今後の開発ロードマップ
IrDAによる、今後の開発ロードマップ

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