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The Gates of Delirium

1999年07月06日 15時22分更新

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コンピュータの世界では、新しい技術が着目されると、最初に儲かるのは書籍で、次がイベント関係であろうか。

Linuxに関しても多くの書籍が出版され、アスキーではめでたくも日刊Linuxという企画が開始された。このような無謀な企画はぜひとも応援すべきだと思うのだが、この情報は私の元へは、原稿の依頼メールとともにやって来てしまった。総論賛成・各論反対と非難されてしまうが、締め切り怖い。だが、九州男児としては女性(コードネーム:クミポン)の頼みをむげに断るわけにはいかない。この経緯が原編集長のしたたかな計算に裏打ちされたものであったのか、知る由もないままに、私はviを起動していた。

さて、イベントに関しても、多くのLinuxイベントが企画されている。国内初の商業イベントとして3月に開催されたIDGの「Linux World Conference Japan'99」を皮切りに、6月は翔泳社の「Linux Business Solution Seminar」、7月は日経BPの「Linux Exhibition'99」、9月には大阪の「COMMUNET'99」内で「Linux West」、東京ではIDGの「Linux World Expo'99」というように、続いている。

そういう中で、ふと思い出したのは、昨年6月に開催された「東京Linux Fair 0.5」である。「来年はVersion 1.0にするぞ」、という思いで0.5と名付けられたイベントは、東京電機大学のキャンパスで開催され、半ば学園祭的ノリではあったが、すでに多くの来場者を集め、活気と熱気にあふれていた。

マスコミ報道は昨年の後半あたりから熱気を帯び始めて今年の前半に盛り上がりを見せた感じであるが、思えば昨年の夏から日本のLinuxユーザーは燃えていたのだ。今年は商業イベントが多すぎるせいか、結局今年の東京「Linux Fair」は企画されていないが、昨年の実行委員会の方々は今のLinuxイベントの先鞭を付けたのだと胸を張ってよいと思う。

「東京Linux Fair 0.5」の数ヵ月前、私は「Internet Week '98」の打ち合わせ会場で、私を魔界へと引きずりこんだ男、佐渡秀治氏(金沢経済大学、日本Linux協会イベント・セミナー部会長)と出会っていた。当時、彼はJLUGを代表するイベント屋として「InternetWeek」の実行委員会に乗り込んで来たのである。この時に「それはおもしろそうだから協賛金を出してもいいよ」と言ってしまったのが発端で、次々と私の周囲にLinuxが付いて回ることになってしまった。

10月の「UBA(オープンシステム推進機構)」の総会の後、酔った勢いで「UBAもLinux部会を作って積極的にLinuxをやれ~」と言っていたら、次の理事会で承認されてしまった。Linux部会ができたと思ったら、自分が部会長である。「おかしい、こんなはずではなかった」、そう思う間もなく、IDGから3月の「Linux World Conference」の話があり、気が付いたら実行委員会に名前を連ねていた。

そうこうするうちに協会設立の話である。今は滅亡した日経MIX時代からの知り合いである生越氏(思えば、私を魔界へと引きずりこんだ男3号、である。2号は別の機会に実名を出す予定)に「どうやれば協会に参加できるの?」と聞いたばっかりに、気が付いたら設立準備委員会に名前を連ねていた。どうも、外野席で野球を応援していたはずなのに、いつの間にかセカンドあたりを守らされている感じである。そう言えば、少年時代にはいつも球が飛んでこないセカンドの守備に付いていた私であるから、セカンドは得意なポジションなのだ。そういうことなのか??それでいいのか??

そういうわけで、Linuxに翻弄されながら、実際にフィールドに降りてみると、さすがにさまざまな状況が見えてくる。その中で、私なりにLinuxビジネス構造をどう考えるべきか、半年ほどかけて整理しつつある話をこの連載の最初のテーマとして取り上げてみたいと考えている。

今回は序ということで錯乱した内容となってしまったが、次回以降は比較的マジメにビジネス展開を考えていく予定である。

(樋口貴章)

樋口 貴章/ひぐち たかあき

プロフィール
1961年生まれ。今を去ること約15年ほど前、インターフェイス誌の別冊付録であった「Unixの国のアリス」(萩谷昌己著)を読んでUnixに興味を抱く。以来、体にしみついたコマンドラインは手放せないvi派。サン・マイクロシステムズ(株)ディベロッパープログラム推進部勤務。日本Linux協会事務局長、日本インターネット協会幹事、UBA(オープンシステム推進機構)Linux部会長、Javaカンファレンス幹事。

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