日経225自動売買ソフトの開発者、IDEA TRUSTの杉本氏が、パソコンを使って自動で取引を行なう、「システムトレード」について語る。
皆様、はじめましてClub Caesar事務局の杉本と申します。
私は日経225先物や商品先物を対象とした自動売買ソフトを提供している会社を経営させて頂いております。紙面の都合上、自己紹介はこちらからご覧頂けたら幸いです。
これからASCII.jp マネー/FXさんで定期的に投資に関する様々な最新情報を発信させて頂きたいと思いますので、どうぞお付き合いの程宜しく御願い致します。
さて、皆様。昨年は元FRB議長グリーンスパン氏いわく「100年に1度」といわれる程、株価が下落したことは記憶に新しいと思います。また、現在でもその余波は収束の目処がつかず、まさに世界経済は混沌とした時代の真っ只中、といった感じです。
そんな未曾有の金融危機の中でも、ある一定の投資手法によって、それほど大きなダメージを受けずに投資を続けている方もいる、という注目すべき事実があります。
相場の急激な下落局面でも安定したトレードを続けている人達は、皆様も一度は聞いたことがある「システムトレード」という売買方法に従って売買を実行しているのです。
ではシステムトレードとは一体なんなのでしょうか?
システムトレードとは
システムトレードとは、人間の感情を排して機械的に取引するトレード手法のことを言います。売買タイミングは一貫したルールによって決まり、そのほとんどが過去の数学的な統計分析からできています。投資家はそのタイミングに従い、売買の執行を繰り返していきます。
裁量トレードとシステムトレードの違い
裁量トレードの主な特性
- 売買手法が一貫していないため自己の感情が売買条件に介入しやすい
- 判断基準が感覚的・主観的な要素が強いため、過去のデータを用いた検証が難しい
- 第3者に売買手法を伝える事が難しい
- 常に市場を監視する必要がある
システムトレードの主な特性
- 売買ルールがあるため感情介入による売買執行の躊躇の減少
- 実際にトレードをする前にバックテストによってある程度の売買論理の性能を検証できる
- 既に完成されたシステムが存在する
- 手法が決まっているため、アプリケーションを使用した自動売買が可能
ここに挙げる特性は、システムトレードの方が優れているような記載をしていますが、裁量トレードを否定しているわけではありません。
プロの裁量トレーダーの中には、自己の才覚を最大限に発揮してシステムトレーダーを凌駕するトラックレコード(運用成績)を残している人もおられます。
とはいえ、9割の投資家が負けるといわれている相場の世界で、投資経験の少ない投資家が資産を形成することは非常に稀なことです。
また、一時的に優秀な投資成績を上げることができたとしても、安定したパフォーマンスを長期間に渡って出し続けることは、非常に難しいのが現実です。
このような観点からいって、今から投資運用を始める方にはシステムトレードという手法が自己の資産形成をする上でお奨めですよ、近道になりますよ、というのが私の意見です。
システムトレードの判断基準
システムトレードの最も大きな特徴の一つとして、バックテストを行なうことで、実際のトレードに入る前に統計的な優位性を確認することができます。
以下がバックテストにおける主要な項目です。
- 総トレード回数
- 検証された全トレードの回数です。多い程下記項目の信頼性が高まります
- 勝率
- 総トレード回数に占める勝ちトレード回数の割合です
- 損益レシオ
- 1トレードあたりの勝ち金額と負け金額
- プロフィットファクター
- 総利益+総損失
- 最大ドローダウン
- 過去の検証内での最大資産減少幅です。少なくとも実運用を始める前にはこの金額が必要といわれています
山登りに例えれば水、食料、地図などの用意でしょうか(実際山登りしたことはないですが 笑)。我々システムトレーダーはこのバックテストに最も労力と時間をかけます。
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