KDDIが6月に開始した動画配信サービス「LISMO Video」は、“ケータイで映画がまるごと一本観られる”という画期的なもの。1本あたりの価格は0~525円で、レンタルビデオのように一定期間だけ視聴できる。しかし、これを利用するのは少々ハードルが高かった。
LISMOの音楽配信のように、ケータイ1台で利用することができなかったからだ。まず、インターネットに接続したパソコンで動画ファイルをダウンロードし、それをケータイに転送するというステップが必要だった(関連記事)。
しかし、自分専用のパソコンを持っている人は、実はそれほど多くはない。auユーザーの半数以上、特に高校生に限っては約80%が自分専用のパソコンを持たないという。
パソコンなしでLISMO Videoが楽しめる
そんな問題を解決するのが、本日発表になったセットトップボックス「au BOX」だ。
一見するとDVDプレーヤーのようなルックスだが、au BOXは本体に1GBのフラッシュメモリーを内蔵。テレビと接続して、パソコンの代わりにLISMOコンテンツの母艦として使用できる。
使用イメージは、インターネット経由でLISMOの動画や音楽をau BOXにダウンロードし、それをケータイに転送したり、テレビで楽しんだりするというもの。
インターネット回線は必要だが、自室にパソコンがなくてもテレビさえあれば、LISMOコンテンツ(特に動画)をフルに楽しむことができる。
月額たったの315円!
au BOXの最大のウリは価格の安さ。レンタルで提供され、月額料金315円で利用できる。高校生のような若いユーザーでも利用がしやすいようにと、ケータイコンテンツ1本ぶんの料金に抑えたという。
ただし、ヘビーユーザーには少々もの足りない面もある。本体メモリーの容量が1GBと少く、外部メモリーには非対応な点だ。
音楽用に使える本体メモリーの容量は200MB。これはATRAC3Plus(64Kbps)形式で、約110曲しか保存できない。動画用に使えるのは500MBで、これは映画3~4本相当だ。LISMO Videoは見たら消すので、動画に関してはこれでもじゅうぶんと言えるかもしれないが……。
もうひとつ残念なのが、無線LANに対応しない点。自分のパソコンを持ってないユーザーの多くは、自室に有線LANを引き込んではいないだろう。au BOXの利用には、自室にLANケーブルを配線する必要があるのを注意したい。