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ダースベーダーが枯山水で戦闘!?

顔ちぇき!に学ぶ、ウケるモノ作りの心得

2008年05月30日 20時20分更新

文● 高橋暁子

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風景を知っているプログラム


 もうひとつ、皆川氏が紹介してくれたのが、1枚の画像を元に3D映像を作り出す「Fotowoosh」というデモ動画だ。


Fotowoosh version Alpha

電車が立体化されているのが分かる

 通常、静止画を立体化するには、奥行き情報を取るために、同じ場所を違う角度から写した画像がいくつか必要になる。このプログラムはそうした常識を覆して、1枚の写真から3D映像を作り出しているのだ。なぜ、そうしたことが実現できるのか? 皆川氏は、「プログラムが画像内に写っているオブジェクトのことを知っているから」と言う。

 「人間は片目で見ても、風景の奥行きを認知できますよね。それは過去の知識を利用しているからなんです。同じように、『道路とはこういう状態』『空とはこういう状態』という知識をコンピューターに与えておくことで、1枚の画像を3Dに加工できるんです」(皆川氏)

 皆川氏は、人物の正面写真から3Dモデルを作成する「モーションポートレート」も、同じように顔に関する事前知識が使われているのではと考えているそうだ(関連記事12)。というのも、1999年に行なわれた「SIGGRAPH」というコンピュータグラフィックスの学会で、1枚の人物の顔画像から3Dモデルを生成する研究が発表されており、これがあらかじめ人間の顔のモデルを内部に持っていたためだ。

「モーションポートレート」は、ソニー木原研究所が開発した技術

 ちなみにFotowooshの開発者は、コンピュータ・ビジョンのの学会「CVPR」の2006年において、最優秀賞(Best Paper Award)を受賞している。



最先端の「引き出し」を増やしたかった


 「コンピュータ・ビジョンは、ITと比べると、まだ技術自体が成熟していないため、このような面白くて最先端の技術が、大学や学会などのアカデミックな分野から生まれる傾向にあります」(皆川氏)

 皆川氏は元々、大学で画像認識を専攻していた。その後、外資系のIT企業でシステム構築を担当し、転職を機に再び画像認識に関わるようになる。その際、画像認識を極めるために大学で勉強したいという思いが強まり、「2足のわらじ」を条件にジェイマジックに入社した。

 「僕は社会人を経験したあとに大学に戻ったので、ずっと研究しているような人にはかなわない。それでも大学に戻ったのは、『このサービスに使われている理論は何か』という知識のストックを増やしたかったから。面白いもの、埋もれたものを引っ張ってきて、顔ちぇき!のように付加価値を付けてサービス化したいんです」(皆川氏)

 今でも土日の片方は、勉強に費やすという皆川氏。顔ちぇき!が生まれた下地には、最先端を追い続けるという地道な努力があったのかもしれない。

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