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新BDレコ「BDZ-A70」のワンタッチ転送機能を試す!

2008年04月11日 09時00分更新

文● 伊藤裕也

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ボタンひとつで「おかえり転送」も実行



「更新転送」のメニュー画面

「更新転送」のメニュー画面

 ワンタッチ転送の設定には「更新転送」という項目がある。3日/1週間/2週間の期間を選択可能で、例えば最新3日間とすれば、番組の録画日から3日間までのものが転送リストに反映され、それを経過した番組についてはワンタッチ転送リストからは自動的に消えることになる。つまり新しい番組だけを厳選して転送できるようになるわけだ。

 一方、ワンタッチ転送時の「おかえり転送」は上述の更新期間を設定した場合に有効で、ポータブルプレーヤーに転送した番組の中から指定した期間を過ぎたすべての番組をポータブルプレーヤーから消去し、BDレコーダーにアクセス権を戻すよう動作する。

 要するにボタンを一回押せば、BDレコーダーで録画した最新の番組をポータブルプレーヤーに転送できるうえ、さらにポータブルプレーヤー上の古い番組はBDレコーダーに戻せる、ということだ。



PSPとウォークマンの両立もできなくはないが……



 BDZ-A70では番組録画時に転送用のデータを自動で作成する機能があり、ワンタッチ転送ではその仕組みを利用して録画番組の高速転送を可能としている。ところがポータブルプレーヤーの対応ビデオフォーマットは、ウォークマンがH.264/MPEG-4 AVCの「Base Line」、PSPはH.264/MPEG-4の「MainProfile」と、プロファイルがそれぞれの機種で異なっている。そのためPSPとウォークマンの両方に番組を転送しようと考えた場合には、番組録画時に出力先の機器について強く意識しなければならない。

接続先機器の設定

接続先機器の設定

 録画する番組の映像をどちらのプロファイルで作成するかは、BDZ-A70の本体設定にある「おでかけ転送機器」で決まる。PSP用のファイルを作成したい場合であれば、録画前に接続先機器設定を「PSP」にすればいい。ウォークマン用のファイルを作成したいのなら「ウォークマン」だ。そして、この設定は転送用データの自動作成だけではなく、ワンタッチ転送の動作にも大きく関係している。

 というのも、おでかけ転送機器設定と実際に接続する機器が異なる場合、まずワンタッチ転送の処理そのものが実行できなくなる。また、ワンタッチ転送リストについても、異なる設定で作成したデータは無視される。例えば、おでかけ転送機器をPSPに設定して録画した番組は、設定をウォークマンに変更するとワンタッチ転送リストからは一時的に表示が消えてしまう。その後、再度設定をPSPに変更すればその表示は復活する。つまりPSP用設定で録画した番組は、PSP接続に対してのみワンタッチ転送を実行できる。ウォークマン用の設定で録画した番組についても同様だ。

 ソニーによるとこの仕様は、時間のかかるトランスコード(PSP、またはウォークマン用のファイルを別の機器用に変換する)処理の発生により使用者を待たせることのないように、とのことだ。親切な仕様ではあるが、ポータブルプレーヤーに転送したつもりが、実は設定ミスでできていなかったというミスにもつながりかねない。設定の変更も少々面倒ではあるので、利用する機器をウォークマンあるいはPSPのどちらかに絞ることをおすすめする。



ワンセグでは不満な方におススメ



 外出先でデジタルテレビを楽しむ方法としては、携帯端末向けのデジタルテレビ放送「ワンセグ」が普及しており、なんでわざわざビデオをポータブルデバイスに転送する必要があるのか、という意見はもっともな話。

 その答えは画質だ。ワンセグのフレームレートは毎秒15コマで、ビットレートもオーディオを含めて300kbps程度と低い。そのため動きの激しいシーンではノイズが激しくなり見にくくなる部分がある。

 その点BDZ-A70でポータブルプレーヤーに転送した番組のフレームレートは毎秒30コマと滑らかで、ビットレートもビデオビットレートで最高768kbpsと十分(音声を含むシステムビットレートは最高で1Mbps弱)。ワンセグと比較して優れた品質の映像を楽しめる。

ビデオ品質の設定

ビデオ品質の設定

 BDレコーダーは数多く登場しているが、録画した番組をボタン一押しの簡単な操作でポータブルプレーヤーに素早く転送でき、その番組を外出先で気軽に楽しめるのはBDZ-A70ならではの魅力だ。通勤・通学中に録画したテレビ番組を消化したい、あるいはちょっとした空き時間に録画したニュース番組のチェックを行ないたいなど、録画した番組をより高画質で、外出先で楽しみたいと考えている人にはピタリの製品といえよう。

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