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やっぱりローリー寺西とは無関係でした

「まったく新しいものを作りたかった」──Rolly開発者インタビュー

2007年09月20日 10時00分更新

文● 編集部 広田稔

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ボーカルの声に合わせてチューニング


── 音質的には、どこにこだわりましたか?

大口氏 Rollyの「どこから音が出ているのか?」と他人が興味を持つような、見た目のサイズからは想像できない音を出す製品というのを、一番の目標にしていました。

 一般的に本体が小さくなればなるほど、出せる音には限界が出てきます。特にRollyのようなサイズで低音を出すというのは物理的に難しいため、その点はある程度割り切りましたが、一方でボーカルなどの声がきれいに聴こえるようにチューニングしました。


── スピーカーの配置方法も面白いですよね。

大口氏 世の中には、2つのスピーカーユニットを外側に向けて配置する「水平対向」というジャンルのスピーカーがあります。水平対向のスピーカーでは、指向性のない広がりのある音が出ますが、Rollyでもその発想を取り入れました。
 あとは、卵形で流線型なので音の干渉が少ない、底面との接点が2点かつ柔らかいゴムなので音の振動を床に伝えにくいといった点も特徴ですね。ちなみにRollyは机のような固いところに置いて使うと、音が底面に反射して一番いい音質になりますよ。

── RollyはBluetoothに対応しています。無線で音楽を飛ばすというと、Wi-Fi(無線LAN)もありますが、そこでBluetoothを選んだ理由は何でしょう?

大口氏 Wi-Fiを選択しなかったいちばんの理由は、Bluetoothのほうが消費電力が少ないからです。またソニーが、ヘッドホンやスピーカーといったBluetooth対応アクセサリーを数多く作っていたという背景もありました。



なぜ3万9800円という価格になったか


── 今回、Rollyでいちばん気になるところが、3万9800円という販売価格の設定です。アスキーの社内でRollyの実物を見せると、「面白いね」という人が結構いますが、販売価格を知ると「うーん」とうなってしまう。ガジェットとしては、高めではないんでしょうか?

大口氏 価格はとても難しいですよね。内部でも非常に議論を重ねました。Rollyはスペックで見る商品ではなく、新しいエンターテインメントを提供する商品だと思っています。ソニーのオーディオとロボットの技術を取り入れた、ほかにはない商品の価値をあえて価格にするとしたら……と考えて、3万9800円という価格に決まりました。

広報 Rollyはその人のライフスタイルによって、評価が大きく変わると思います。値段はあまり関係なくて、「小型で持ち運べて、無線に対応しているスピーカー」を必要としているなら、5万でも6万でも出すという人もいます。マーケティングとしても、欲しがっている人からまずはきちんと売っていければという考え方ですね。

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