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NRIの山崎秀夫氏と月アス小林編集長が対談

SNS、セカンドライフをビジネスに活用するには? ドリームゲートがセミナーを開催

2007年08月24日 20時11分更新

文● アスキービジネス編集部

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セカンドライフ・ビジネスの可能性は、“心の現実”にあり


SNS、セカンドライフをビジネス に活用するには? ドリームゲ...

月刊アスキー編集長の小林誠司

 ブログ・SNSに続くコミュニティサービスとして、ここ最近、メディアやネット上を騒がせているのが、“セカンドライフ”だ。

 「個人的にもセカンドライフに注目している」という小林は、セカンドライフを「(仮想通貨を使って)小額のお金を稼げる点で、これまでの3Dゲームとは違うプラットフォーム的な面がある。また、時間と空間を越えられるというコミュニケーションの要素が大きな特徴」と位置づける。

 一方、山崎氏は、セカンドライフが注目を集める背景として、欧米企業と日本の違いを指摘する。「欧米企業がセカンドライフに注目しているのは、テレプレゼンス(テレビ会議)の代替案の1つにセカンドライフがなりうるから。10年前から“インターネットでできる”と言われてきた、対面に近いコミュニケーションを実現する時代が来たという認識がある」と話す。

 では、こうした背景から、セカンドライフではどのようなビジネスが向いているのだろうか。

 山崎氏は「心理学の世界では“心の現実”として、過去の自分の体験から、実際には体験していなくても類似体験として感じることができるという考え方がある。これがアバターのビジネスを可能にしている」という。

 具体的なビジネス展開の例として、同氏は「旅行・映画などの事前体験」を挙げる。たとえば、海外旅行に行く前に、セカンドライフ内に用意した疑似空間で一度体験してもらい、その後、リアルでのツアーに参加してもらうマーケティングツール的な使い方だ。

「欧米企業のセカンドライフビジネスは、映画を見て、その後にテーマパークで思い出を体験してもらう“ディズニーのビジネスモデル”に似ている。ただし、セカンドライフの場合は順序が逆で、実際に消費する前に一度体験してもらい、その後に実利につなげようというものが多い」(山崎氏)。こうしたビジネスは、日本ではまだ本格化しているとは言いがたいが、同氏は「今後は次第に日本でも広まっていくのではないか」との見方を示した。

 一方で、メディアの過剰な取り上げ方からか、セカンドライフに対しては技術者層などを中心に、否定的な意見も根強く残っている。

 山崎氏は「特にエンジニアの中には“標準化されていない”ことを問題視する人が多く、とかく視野が狭くなりがち」という。「もちろん標準化は大切なことだが、そこにこだわるのではなく、実際にビジネスをする上では発想の転換をはかるべき。標準化を打ち破ることが必要だ」(山崎氏)と強調した。

SNS、セカンドライフをビジネス に活用するには? ドリームゲ...

活発な質疑応答、「欧米ではセカンドライフ型システムの外販も」


 100名近くの起業志望者らが熱心に聞き入る姿が見られた今回のセミナー。後半の質疑応答の時間では、参加者による積極的な質問が寄せられた。

 まず、先に山崎氏が取り上げた社内SNSに関連して、「企業内SNSの課題について聞きたい」との声があった。これに対して山崎氏は、「しっかりとしたファシリテータ(推進役)をおかないと、まずうまくいかない。また、批判的な書き込みを過度に押さえつけてしまうと、悪いところが把握できなくなり、導入効果が下がってしまう。これは企業の懐の深さの問題で、大いに議論が必要だろう」(山崎氏)と答えた。

 また、「SNSで参考になる事例は?」との問いに対して、山崎氏は「ワイナリー和泉屋」の成功事例を紹介。「彼らの特にすばらしいところは、日本全国を走り回っている『行動力』。SNSはもちろんだが、ずっとパソコンの前に座っているだけではダメ」とコメントした。

 「セカンドライフ以外の3Dコミュニティサービの動向について聞きたい」との質問もあがった。

 これについて山崎氏は、「欧米では、セカンドライフような仕組みを、企業に対してシステムとして販売している」と紹介。この場合、セカンドライフのようなリッチな機能は必要なく、「ネットでミーティングができればいい、簡易版のようなもので十分」だという。今後は「日本でも同様のトレンドが起こるのではないか」とした。


締め切り迫る! 「SNSビジネス・マーケティングコース」間もなく開講


 今回のセミナーを主催したドリームゲート・カレッジでは、8月29日から、SNSを実際のビジネスに活用するための手法を学ぶ「SNSビジネス・マーケティングコース」を開講する。ドリームゲート・カレッジでは、従来から起業家養成講座として「ダイニング&カフェオーナーコース」と「ネットショッププロコース」を開設しているが、ニーズの高まりを受けて今回の新コース開設を決めた。

 講師陣は、セミナーに登壇した山崎氏をはじめ、OpenPNEを開発した手嶋屋の代表取締役、手嶋 守氏や、ビートコミュニケーション代表取締役の村井 亮氏、KNNの神田敏晶氏など、業界を代表する豪華な顔ぶれ。同社では「このメンバーが揃うのは最初で最後の機会」とアピールしている。

 料金は27万円。開講後の講座は、毎週土曜日の10時~15時、全8回に渡って行なわれる。申し込みは8月28日まで、Webサイトから受け付けている。


起業DVD、セカンドライフ関連書籍などが当たる!
特別プレゼントのお知らせ

 今回のセミナー開催を記念して、ドリームゲートから起業応援イベント「大挑戦者祭2006」の模様を収録したDVDを、またアスキーからもセカンドライフ関連書籍を計26名様にプレゼントいたします。

 下記のURLからふるってご応募ください(応募にはアスキービジネスの会員登録が必要です)。

http://ascii-business.com/campaign/dreamgate/

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