転職を有利に進めるには
では、組み込み系エンジニアに転職するにはどうしたらよいのでしょうか。まず、ほかのエンジニア職種に比べて募集対象年齢が低い傾向がある点を押さえて下さい。自社で教育制度を設けて「未経験者歓迎」とうたっているところもありますが、ほとんどの会社は30歳くらいまでに制限しています。これは、前述した職人的な技術を伝承するうえで、若い人のほうが特定の手法に染まっておらず、柔軟性があるからです。メーカー傘下の企業の場合、グループならではの仕事のやり方に対応してもらうという面があるのかもしれません。それ以上の年齢になると、組み込み系での経験を積んでいないと転職は難しいでしょう。
知っておくべき知識は、先に述べたような言語やプログラミング、アプリケーション以外に、半導体チップ周辺のハードウェアについて勉強しておくと転職が有利になると思います。これは組み込みソフトの場合、内蔵されているメカとの連動や調整がついて回るケースが多いからです。
面接では「マイコンは何を使っていたか」「どんなターゲットボードを製作したか」「デバッグの方法は何か」など、とても細かくてマニアックとも言える質問をされます。そこで何ができる人なのかを見極められるので、これまでしてきた仕事について、どのようにプログラムを組んだかなども説明できるようにしておくといいでしょう。
また、大手メーカー自体は間口が狭いので、関連の子会社やソフトハウスのほうが狙い目です。マインド的には、製品を作り上げる喜びを感じられる技術者肌の人が向いていますね。
年収は一般的なサラリーマンの基準と変わりない場合がほとんど。しかし、30代後半から40代で、組み込み系でのコンサルティングやメーカーで開発手法をレクチャーできるレベルになれば、1000万円クラスもあり得ます。
組み込み系エンジニアは、品質や安全性への高い意識や専門的な技術や知識が要求されるので、一般的なIT系エンジニアやプログラマより敷居は高いでしょう。しかし、「ものづくり」ということに意義を感じる人にとっては魅力的な職場です。チャレンジし甲斐があることは間違いありません。
- ■取材協力
- キャリアデザインセンター
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