操作はやや窮屈な感じも
HG10は本体が小さい反面、ボタン類が密集している感があり、操作するのは若干窮屈な印象だ。例えば、HG10で新しく搭載された“クイックセレクトリング”。ホイールの内側に十字キーがあり、さらにその中に決定ボタンが配置されている。直観的に操作できるのはいいのだが、十字キーが小さくて押しにくく、指がずれると決定ボタンを押してしまうことが多い。サイズの制約があるので難しいかもしれないが、クイックセレクトリング全体がもう少し大きいとより操作しやすかったかもしれない。
メニュー構成はすっきりしている。基本的に“FUNC.”ボタンを押すことで表示されるメニューで統一されており、ここでは撮影画質の設定(ホワイトバランスや画質モード設定など)が行なえる。さらに詳細な本体設定を行ないたい場合は“FUNC.”ボタンを押した上で詳細メニューの項目を選択すればいい。
撮影に関しては外測センサーとCMOSセンサーにより距離測定を行なう“ハイスピードAF”により、高速なピント合わせを実現。実際、急にパンした際に中央の被写体にピントが合うのは速い。この模様は上の動画でご確認いただきたい。
ビデオカメラ市場で巻き返しを図れるか!?
薄型液晶テレビの普及に伴い、コンシューマー向けビデオカメラのハイビジョン化も本格的に進んでいる。市場では、早くからハイビジョン化を推し進めてきたソニーは、現在ビデオカメラの売り上げで首位をひた走る。それをキヤノンが追う形だが、正直影は薄かった。
ここにきて投入されたHG10には画期的に新しい部分はないが、操作感、サイズ、機能のバランスがしっかりとれた製品のように思う。使いやすさの面でユーザーには受け入れられやすい製品だと思うので、ヒット商品になる可能性をヒシヒシと感じる。今後同社のシェアの巻き返しに一役買うのではないだろうか。