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最新パーツ性能チェック ― 第47回

【最新パーツ性能チェック Vol.47】

ローコストな静音マシン作成に最適! TDP45WのAthlon X2が登場

2007年06月05日 13時01分更新

文● 宇野 貴教

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ファンレス派に福音?
TDP 45Wの新Athlon登場!

 デスクトップ向けCPUのTDP(熱設計時消費電力)は、現状では65~130Wの枠に収まるものが大半である。枠の中でも一番低い65WのCPUでも、CPUの冷却をファンレスにするには、放熱フィンを多数搭載した大型クーラーを使わなければ厳しい。そのため、総ファンレスやリアファン1個のみのような超静音マシンを作成するのは、65W CPUを使ってもなかなか難しい。

 ノート向けの低電圧版CPUを使えばTDPは低くなるが、ノート向けCPU自体が割高な上に、マザーボードの価格が高く種類も少ないなど、選択の自由度が低いのが実情だ。そのため、低消費電力を重視する自作PCユーザーは、TDP 65WのCPUをクロックダウンして使うなど、涙ぐましい努力を重ねている。

 5日に発表されたAMDの新CPU『Athlon X2 BE-2350』は、TDP 45Wという低消費電力が特徴のCPUである。65nm SOIプロセスで製造され、動作クロックは2.1GHzだ。新しいモデルナンバーを冠した“BE-2xxx”シリーズは、動作クロックAthlon X2 BE-2350-2.1GHz、1.9GHzの『BE-2300』の2種が発表されており、いずれもTDP 45W、デュアルコア、2次キャッシュ512MB×2といった仕様となっている。なお、Athlon X2では名称から“64”の文字が消えているが(関連記事)、AMD 64アーキテクチャーに基づく64bit CPUである点に変わりはない。1000個ロット時の価格は91ドル(約1万920円)。

 対応するCPUソケットは、従来どおりのSocket AM2。そのためマザーボードの選択肢も豊富だ。デュアルコアCPUを使った低消費電力マシンを、ローコストで作成するにはうってつけのCPUと言えそうだ。今回はエンジニアリングサンプル版を利用して、その実力を検証してみたい。

テスト環境
CPU AMD Athlon X2 BE-2350 2.1GHz
メモリー SanMax PC2-5300 1GB×2(DDR2-667)
マザーボード MSI K9AGM2-FIH(AMD690G+SB600)
グラフィックスカード Galaxy GeForce 7600GS-Z
HDD Western Digital WD740(74GB SerialATA)
電源 ZUMAX ZU-400W(400W)
OS Windows XP Professional SP2

TDP 45Wは伊達じゃない!
期待通りの省エネCPU

 気になる消費電力は、『Sismark Sandra 2007』の“MMX/SSEテスト”実行中と、省電力機能“Coolin'n'Quiet”(CnQ)オン/オフ時のアイドル状態を計測した。計測機器はサンワサプライ(株)の『ワットチェッカー』を使用している。参考記録として、ほぼ同じ動作クロックのCore 2 Duo E6400相当(E6600を2.13GHzへダウンクロック)したものを測定した。

消費電力の比較グラフ
消費電力の比較グラフ(短い方が低消費電力)。高負荷時とアイドル時の差は、BE-2350が36W、Core 2 Duoが42Wで、BE-2350に軍配が上がった。高負荷時のシステム全体の消費電力が100Wをわずかに超える程度なのも見逃せない

 高負荷時の計測結果は102W。CnQオン時アイドル状態が66Wなので、その差は36W。チップセットなどの消費電力も含むので、CPU自身による消費電力はもう少し低くなる。この数値はデスクトップ向けCPUとしてはかなり優秀で、低消費電力志向ユーザーにも満足のいくCPUと言える。同様に計測したCore 2 Duoの42Wよりも少なく、低消費電力CPUとしてはCore 2 Duoよりもアドバンテージがある。また、システム全体の消費電力が100Wをわずかに超える程度なのも驚きだ。評価キットのマザーボードに搭載されている、AMD690Gチップセットの消費電力が低めなのも大きく貢献しているのだろう。チップセット内蔵のグラフィックス機能を使えば、常時100W以下のシステムを構築するのも、現実的と言えるだろう。

 パフォーマンス系のベンチマークテストは、『Athlon 64 X2 5000+』(2.6GHz)での計測結果を比較として掲載する。アーキテクチャー面では従来と同じK8コアということもあり、両者の差はクロック比にほぼ近く、特筆すべき点はない。K8コアで2.1GHzというのは、ベンチマークのスコア的にはやや物足りなさがあるが、低消費電力志向のCPUということで、これは仕方のないところだ。

『Windows Media Encoder 9』でVGAサイズ2分間の動画を、クオリティー“VBR90”の設定でエンコードに要した時間
『Windows Media Encoder 9』でVGAサイズ2分間の動画を、クオリティー“VBR90”の設定でエンコードに要した時間(短い方が高速)
3Dグラフィックスベンチマーク『3DMark06』のCPUスコア
3Dグラフィックスベンチマーク『3DMark06』のCPUスコア(長い方が高速)
3Dレンダリングのベンチマーク『CineBench 9.5』の結果
3Dレンダリングのベンチマーク『CineBench 9.5』の結果(MultiCPU、長い方が高速)
FPSゲーム『Company of Heroes』でのフレームレート(長い方が高速)
FPSゲーム『Company of Heroes』でのフレームレート(長い方が高速)。グラフィックスカードによる3D描画が加わるので、クロック比までの差はないが、5000+と比べるとパフォーマンスはやや下回る

省電力重視の人にオススメのCPU

 動作クロックが低めなので、けっして“速いCPU”ではないが、ヘビーな3Dゲームを重視しないのなら、十分実用クラスの性能を持つ。そしてAMD690Gチップセット搭載マザーボードと組み合わせれば、高負荷時でも消費電力100W前後が実現できることが、今回の検証で明らかになった。デュアルコアCPUを使いたい静音PCユーザーや小型マシンファンには、要注目のCPUとなるのは間違いない。

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