1000名までの中堅企業に対応――弥生、初の人事管理パッケージをリリース
弥生は、5月15日、人事管理機能持つ給与・勤怠管理ソフト「弥生人事給与07」を発表した。スタンドアロン版とネットワーク版を用意し、後者は従業員数1000名規模までの中堅企業をカバーする。同日から先行予約を受け付け、6月29日から出荷を開始する計画だ。
使い勝手にこだわった、統合型の人事管理アプリケーション
「弥生人事給与07」は、人事・給与・勤怠の一元管理を実現する統合型の人事管理ソフト。弥生は従来から小規模事業所向けの給与計算パッケージ「弥生給与」を開発・販売していたが、「発売から時間が経過するにつれ、ユーザー企業の中には成長によって弥生がフィットしなくなるケースも出てきた」(同社執行役員プロダクトマーケティング担当の竹之内学氏)。そこで「中規模以上、具体的には『人事課』といった専任部署を置く企業にとって必須となる人事機能を追加した」(プロダクトマーケティング部シニアプロダクトマネージャーの八木健次氏)のが本製品となる。
弥生人事給与が持つ人事機能の核となるのは、所属部署や役職、学歴・職歴、連絡先などの従業員情報を管理する機能。登録した従業員情報をもとに人員構成表を作成して人員計画の策定に活用したり、内線表や組織図といった社内で利用する文書を作成・出力することができる。また、人事異動に伴う辞令発行や、採用・退職時に必要となる健康・雇用保険などの各種届出書類の作成・保管もカバーする。
「このクラスの他社製品は人事と給与が別になっており、連携させて使う場合が多い。“最後発”となる弥生人事給与はデータベースが統合されており、各機能間のリアルタイムな同期やシームレスな操作などの“統合”が強み」(八木氏)
実際に人事業務を行なう現場担当者の使い勝手にもこだわった。一般的な企業における人事業務のフローをグラフィカルに表示・解説する「クイックナビゲータ」や、所得税・社会保険などに関する諸手続きを解説する「実務アドバイザー」を搭載。作業計画などを書き込める「給与カレンダー」、自社独自の業務手続を弥生人事給与の操作画面とひも付けて登録・参照できる「ジョブボックス」も備えた。
中堅企業向けの業務アプリケーションでは、クライアントにWebブラウザを利用した製品も増えているが、弥生はあえてデスクトップアプリケーションを選択した。「我々のユーザーには、キー操作1つとっても非常にこだわりを持ったユーザーが多い。少なくとも現時点においては、デスクトップアプリが持つ操作性を優先するべきと判断した」(竹之内氏)。
弥生人事給与は、クライアントPCのみで利用するスタンドアロン版と、クライアント/サーバ型のネットワーク版が用意される。価格は、スタンドアロン版が31万5000円から。ネットワーク版は、DB(SQL Server 2005 Standard Edition)を含む「with SQL」が98万7000円/3ユーザー、DBを含まない「for SQL」が84万円/3ユーザーから。いずれのエディションも管理可能なデータ件数/従業員数ともに無制限だが、「1000名までの利用を推奨」(同社)している。
「給与計算のみの他社製品と比べても安価に設定しており、当初は人事管理系の機能が不要な企業でも、必要に応じて利用範囲を広げていくことが可能」(八木氏)と、同社は価格面での競争力もアピールする。