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au絶好調で逆に危機感!?

KDDIのキャッチフレーズは“チャレンジ2010”――2006年度決算を発表

2007年04月24日 22時16分更新

文● 編集部 橋本 優

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KDDIは24日、3月期(2006年4月1日~2007年3月31日)の決算について、同社代表取締役兼会長の小野寺 正氏が都内で記者会見を行なった。

KDDI代表取締役兼会長の小野寺 正氏

KDDI代表取締役兼会長の小野寺 正氏

連結営業収益は3兆3352億5900万円で前年同期比+9%となり、営業利益は3447億円で同+16.2%、経常利益は3509億2300万円で+19.4%となった。営業収益は、移動通信事業(auおよびツーカー)が好調で、固定通信事業も“KDDI メタルプラス(ADSL、電話サービス)”の拡販や“KDDI Powered Ethernet(法人向けイントラネットサービス)”の増加により増益。営業利益は固定通信事業で損失が出たものの、移動通信事業の営業利益が吸収し、結果的に増益となっている。

ただし純利益は、2006年1月に実施された、(株)パワードコムとの合併に伴う法人税などの調整額がなくなったことなどが影響し、同-2%の1867億4700万円となった。

純増契約者数の推移グラフ

純増契約者数の推移グラフ

好調だった移動通信事業の営業収益は、前年同期比+6.7%の2兆6774億4500万円で、営業利益は同+8.8%の3856億8800万円。この業績を達成した要因として、純増契約者数が275万契約と順調だったことを挙げ、この純増数は業界トップの達成率だとしている。その結果、2007年3月末時点での契約者数は2819万契約となり、全体シェアの29.1%を占めているという。

MNPのポートインとポートアウトのグラフ

MNPのポートインとポートアウトのグラフ

MNP(番号ポータビリティ)については、「解約率が予想より低かった」との言葉通り、“ポートイン”数115万契約に対して“ポートアウト”数が29万7000契約で、その差85万3000契約プラスとなっている。

固定通信事業の営業収益は7143億5000万円で、営業利益は490億3600万円の損失となっている。ただし、前年と比較すると赤字幅が123億円縮小しており、今後2008年3月期までにはFTTH事業以外は黒字化の予定だという。FTTHは今年の1月1日付けで東京電力(株)のFTTH事業を統合しており、首都圏の提供エリアで中長期的に30%のシェアを目指して推販しているとしている。

お客様満足度ナンバー1を目指す“チャレンジ2010”

今回の発表では、中期経営計画として“チャレンジ2010”を発表した。チャレンジ2010は、2002年からの中期経営計画(有利子負債の削減など)に代わる、2010年までの新しい経営計画で、その柱は以下の4つ。

  • あらゆるサービスにおけるお客様満足度ナンバー1を目指す
  • 量的拡大と質的向上の両立
  • 営業収益4兆円、営業利益6000億円の達成
  • 株主還元の充実

特にコンシューマ向けモバイル事業は引き続き牽引役として増収・増益基調を堅持するとした。具体的には以下のような事項を挙げた

  • KDDI統合プラットフォーム推進による端末のコスト削減
  • 昨年12月より開始された新しい高速通信方式である“EV-DO Rev.A”対応機種の拡大
  • 新サービス投入によるARPU(加入者1人あたりの月間売上高)の底支え
  • 国際ローミングの拡充
  • 決済、認証、通信、放送連携サービスの拡充
  • 800MHz帯の再編
  • ポストRev.Aの開発・商用化

また固定通信事業についても「2010年にはFTTHも含めて黒字化したい」とした。

このチャレンジ2010を掲げたことについて小野寺氏は「(KDDIは)auを中心に比較的順調に動いている、という見方をされているものですから、社内で目標を失う可能性がある」との危機感から生まれた目標であるとし、4兆円という数値目標は「今までの売り上げ規模から見ると非常に大きな規模」であり、「新しい領域で売り上げを増やさなければならない」と語った。

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