画質に関してはやや疑問が残る
光学18倍ズームはさすがに強力で、広角28mmによって広い画角を1枚に収めるところから、肉眼でははっきりしない程の遠距離にある被写体のアップまで1台でこなせる。高速連写の威力は実際に使ってみないとなかなか分かりにくいが、毎秒3コマ程度の連写では「バシャバシャバシャ」という感じシャッター音が、「ガガガガガガガガガ」とほとんど繋がった印象になるといったところだ。プリキャプチャー機能も併用すれば、どんな被写体を相手にしても撮り逃すことはないだろうという自信を持たせてくれる。
ただし、画質に関しては気になるところもある。広角28mmは確かに風景などを撮るのに重宝するが、周辺部はかなり歪んで写るほかエッジに着色が見られ、全体的なシャープさにやや欠けるところがある。広角28mmからの高倍率ズーム機はいくつかのメーカーから発売されているが、いずれも描写力を高めるために高品位なレンズを採用するなどの工夫がなされている。本機もEDレンズ2枚を組み合わせるなど凝った作りになってはいるが、それでもこれほどの高倍率でかつ広角対応というのは難しいようだ。
また、高速連写時に低画素数になるのはやむをえないところとしても、同時に画像のシャープ感や明るさの階調性がかなり落ちてしまうのは気になった。高速連写のために撮像素子を間引いてデータ転送を行なうことなどが要因と思われるが、低画素になってさらに画質も落ちてしまうのは納得がいかないものがある。30fpsでハイビジョン動画を撮影可能なデジタルカメラ製品も登場してきている現在では、動画からのキャプチャー(静止画切り出し)よりも確実にワンランク上な連写静止画の性能(高画質)を見せつけないと、インパクトが弱いのは事実だろう。
広角からの高倍率、超高速連写、ISO 5000という高感度など欲張ったスペックを持つだけに、やはり1台でなんでもこなすには画質に関してはある程度妥協しなくてはならないのだろう。とはいえ、望遠にしても連写にしてもほかのコンパクトデジタルカメラ製品では簡単には得られない(代用がきかない)機能であり、野鳥や飛行機の撮影、スポーツシーンでの記録など一定の用途においてはぜひとも使ってみたくなる1台だ。
CAMEDIA SP-550UZの主なスペック | |
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製品名 | CAMEDIA SP-550UZ |
撮像素子 | 1/2.5インチ有効710万画素CCD |
レンズ | 光学18倍ズーム、f=4.7~84.2mm(35mmフィルムカメラ換算時:28~504mm)、F2.8~4.5 |
静止画撮影 | 最大3072×2304ドット |
ISO感度 | オート、ISO 50/100/200/400/800/1600/3200/5000相当 |
動画撮影 | 640×480ドット、15/30fps、MotionJPEG圧縮AVI形式 |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT、約23万画素 |
電子ビューファインダー | 23万画素相当 |
記録メディア | 内蔵20MBフラッシュメモリー&xDピクチャーカード |
インターフェース | USB、AV出力、DC入力(ACアダプター別売) |
電源 | 単3電池×4本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池) |
撮影可能枚数 | 約390枚(CIPA規格準拠) |
本体サイズ | 116(W)×78(D)×78.5(H)mm |
重さ | 約365g(本体のみ) |