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【レビュー】広角から望遠まで1台でこなす高速連写マシン

CAMEDIA SP-550UZ

2007年04月12日 08時32分更新

文● 行正和義

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画質に関してはやや疑問が残る

撮影サンプル1 広角側が28mmと広い画角なので、後ろに下がれない状況で全体を収めるときなどに非常に重宝する。プログラムAE、1/640ドット、F3.2、ISO 50。元画像は3072×2304ドットで、800×600ドットにリサイズおよびトリミングしている以外は画像補正はかけていない

撮影サンプル2 広角側で撮影。コントラストがきつく暗い部分に露出を合わせようとしているためか、やや白とび部分が目立つ。絞り優先AE、1/125秒、F8.0、ISO 50。元画像は3072×2304ドット

撮影サンプル3 撮影サンプル2と同じ場所を最大望遠で撮影。同一の絞りとしたためシャッター速度は1/50秒まで低下したが、光学式手ぶれ補正もあってなんとかほぼ手ぶれを抑えられた。絞り優先AE、1/50、F8.0、ISO 50

光学18倍ズームはさすがに強力で、広角28mmによって広い画角を1枚に収めるところから、肉眼でははっきりしない程の遠距離にある被写体のアップまで1台でこなせる。高速連写の威力は実際に使ってみないとなかなか分かりにくいが、毎秒3コマ程度の連写では「バシャバシャバシャ」という感じシャッター音が、「ガガガガガガガガガ」とほとんど繋がった印象になるといったところだ。プリキャプチャー機能も併用すれば、どんな被写体を相手にしても撮り逃すことはないだろうという自信を持たせてくれる。

撮影サンプル4 高速連写1(7コマ/秒)を用いた連写画像。プログラムAE、1/1000秒、F7.1、ISO 800。元画像は2048ドット×1536ドットで、640×480ドットにリサイズして並べている

撮影サンプル5 高速連写2(15コマ/秒)を用いた連写画像の1枚。全体的にシャープ感がなく、階調表現も平板なものとなっている。絞り優先AE、1/2000秒、F7.1、ISO 400。元画像は1280×960ドットで、640×480ドットにリサイズおよびトリミングをしている

撮影サンプル6 撮影サンプル5を低感度で連写を用いずに撮影してみた。プログラムオート、1/500秒、F4.3、ISO 50。画像は2048×1536ドットで、640×480ドットにリサイズおよびトリミングしている。300万画素相当であっても連写を用いなければ階調やシャープさは良好だ

ただし、画質に関しては気になるところもある。広角28mmは確かに風景などを撮るのに重宝するが、周辺部はかなり歪んで写るほかエッジに着色が見られ、全体的なシャープさにやや欠けるところがある。広角28mmからの高倍率ズーム機はいくつかのメーカーから発売されているが、いずれも描写力を高めるために高品位なレンズを採用するなどの工夫がなされている。本機もEDレンズ2枚を組み合わせるなど凝った作りになってはいるが、それでもこれほどの高倍率でかつ広角対応というのは難しいようだ。

撮影サンプル7 高感度撮影結果。ISO5000/3200では画素混合によって300万画素相当となるが、細部のディテールはかなり失われてしまう。とはいえ、1/13秒というシャッター速度は光学式手ぶれ補正があれば広角ならばほぼ手ぶれを抑えられる露出時間だ。プログラムAE、1/13秒、F2.8、ISO 5000。元画像は2048×1536ドット

撮影サンプル8 夜景でも低感度域ならばノイズも少なくかなり良好な画像が撮影できる。もちろん三脚は必要となるが。マニュアル露出、露光時間10秒、F5.6、ISO 50。元画像は3072×2304ドット

また、高速連写時に低画素数になるのはやむをえないところとしても、同時に画像のシャープ感や明るさの階調性がかなり落ちてしまうのは気になった。高速連写のために撮像素子を間引いてデータ転送を行なうことなどが要因と思われるが、低画素になってさらに画質も落ちてしまうのは納得がいかないものがある。30fpsでハイビジョン動画を撮影可能なデジタルカメラ製品も登場してきている現在では、動画からのキャプチャー(静止画切り出し)よりも確実にワンランク上な連写静止画の性能(高画質)を見せつけないと、インパクトが弱いのは事実だろう。

撮影サンプル9 望遠機といえば野鳥撮影。504mmという望遠ですらまだまだというジャンルではあるが、こういったデジタルカメラの登場によって敷居が下がるのはありがたい。プログラムAE、1/500秒、F4.5、ISO 50。元画像は3072×2304ドット

広角からの高倍率、超高速連写、ISO 5000という高感度など欲張ったスペックを持つだけに、やはり1台でなんでもこなすには画質に関してはある程度妥協しなくてはならないのだろう。とはいえ、望遠にしても連写にしてもほかのコンパクトデジタルカメラ製品では簡単には得られない(代用がきかない)機能であり、野鳥や飛行機の撮影、スポーツシーンでの記録など一定の用途においてはぜひとも使ってみたくなる1台だ。



CAMEDIA SP-550UZの主なスペック
製品名 CAMEDIA SP-550UZ
撮像素子 1/2.5インチ有効710万画素CCD
レンズ 光学18倍ズーム、f=4.7~84.2mm(35mmフィルムカメラ換算時:28~504mm)、F2.8~4.5
静止画撮影 最大3072×2304ドット
ISO感度 オート、ISO 50/100/200/400/800/1600/3200/5000相当
動画撮影 640×480ドット、15/30fps、MotionJPEG圧縮AVI形式
液晶ディスプレー 2.5インチTFT、約23万画素
電子ビューファインダー 23万画素相当
記録メディア 内蔵20MBフラッシュメモリー&xDピクチャーカード
インターフェース USB、AV出力、DC入力(ACアダプター別売)
電源 単3電池×4本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池)
撮影可能枚数 約390枚(CIPA規格準拠)
本体サイズ 116(W)×78(D)×78.5(H)mm
重さ 約365g(本体のみ)


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