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“写真を貯めて見る”を楽しむデジカメ

ソニー、大型液晶・2GB内蔵メモリー内蔵の新サイバーショット『DSC-G1』を発表

2007年03月09日 15時00分更新

文● 編集部 小西利明

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ソニー(株)は9日、デジタルカメラ“サイバーショット”シリーズの新製品、『DSC-G1』を発表した。3.5インチVGAサイズの大型液晶ディスプレーと2GBの内蔵メモリーを備え、内蔵検索機能で写真を見ることを楽しめるほか、内蔵無線LAN機能でカメラ同士での写真の交換などが行なえる。価格は全機種オープンプライスで、予想実売価格は7万円前後。

サイバーショット『DSC-G1』

大型液晶ディスプレーと2GB内蔵メモリーにより、大量の写真を持ち歩いて楽しむことを目指すサイバーショット『DSC-G1』

フォトストレージビューワー内蔵デジカメ!?

サイバーショットの新シリーズであるDSC-G1は、一般的なコンパクトデジタルカメラやデジタル一眼レフカメラとは異なる、新しいデジタルカメラの活用法を提案する新シリーズの製品である。そのコンセプトは、“写真を貯めて持ち歩く”という点に集約されている。

まず本体内に2GBものフラッシュメモリーを内蔵し、撮影した写真をメモリーカード(メモリースティック デュオなど)を使わずに記録できる。さらに撮影した写真やパソコンからDSC-G1側に取り込んだ写真から、VGAサイズ(640×480)に縮小した“アルバム画像”を自動生成し、液晶ディスプレーで閲覧したり、後述する検索機能での検索や一覧表示に利用する。アルバム画像は最大で2万枚分を保存できる。

アルバム機能での一覧表示

カメラ内に貯め込んだ写真は、小さなサムネイルで一覧できる。絞り込み検索機能を使えば、日時だけでなくさまざまな切り口で写真を選べる

写真を表示する液晶ディスプレーには、3.5インチサイズ/VGA解像度の大画面/高解像度の液晶パネルを採用。液晶パネルの周囲に額縁部分がほとんどない独特のデザインと相まって、大画面による鮮明な写真を楽しめる。

レンズカバーを閉じた視聴時のスタイル

レンズカバーを閉じた視聴時のスタイル。液晶ディスプレーの周囲にボタン類を置かないデザインで、ディスプレーの大きさが強調されている

内蔵メモリーに大量の写真を蓄積できるとなると、写真を探す検索機能が重要となる。そこでDSC-G1では、パソコンと連携した新しい検索機能を搭載している。DSC-G1は付属のWindows用ソフト『Album Editor』を利用して、撮影した写真をUSB経由でパソコンに転送したり、逆にパソコン側から写真を取り込む機能を持つ。パソコンに取り込んだ写真は、“おまかせ管理機能”によって日時ごとに分類されて管理される。さらに同じ日の写真でも、撮影時間帯が異なるものは“別の分類に属する写真”と認識して、分類を分けるといった処理も行なう。分類ごとに“結婚式”や“旅行”といったタイトルを付けることもできる。

さらにパソコン上で写真を解析することで、“人物のポートレート”“風景写真”といった種類や、写真で目立つ色といった要素を解析してデータベース化し、カメラ側に送る。カメラ側ではこれらのデータを用いて、“絞り込み検索”を使い、“ラベル”(タイトル)や色、種類、写真の属性などを選択して写真を検索できる。たとえば“青”い色で“風景写真”で検索を行なうと、青い海や空が含まれた風景写真がリストアップされるというわけだ。撮り貯めた写真が増えるほど威力を発揮するほか、意外な写真がリストアップされたりするなど、使って楽しい機能である。

大画面液晶ディスプレーを生かしたポータブルプレーヤー的機能も充実しており、MPEG-4形式のビデオの再生や、MP3ファイルの音楽再生機能を備えている。カメラ側に取り込んだ音楽をBGMに写真のスライドショーを表示する“音フォト”機能も備えている。なおハイビジョン出力での静止画出力はできない。

コラボショットのサンプル画面

DSC-G1同士を無線LANで接続して、撮った写真を即座に交換し合う“コラボショット”。左が自分のカメラのファインダーで、右は接続相手のもの。下に並ぶ写真は、赤いバーがあるのが自分の撮った写真で、青いバーは相手の写真

DSC-G1のもうひとつの大きな特徴に、内蔵のIEEE 802.11b/g対応無線LAN機能を使った、カメラとカメラ、あるいはカメラとデジタル家電/パソコンの連携機能がある。カメラ自体がDLNAサーバーの機能を備えており、無線LAN経由でDLNAクライアント機能を持つパソコンやデジタルTVと接続して、カメラ内の写真を閲覧できる(USB接続時のようなデータ転送には使用できない)。またDSC-G1同士を無線LANで接続して、撮影した写真を即座に相互に送り合う“コラボショット”機能や、保存されている写真を接続相手に転送する“ピクチャーギフト”機能などを備えている。

600万画素CCD、光学式手ぶれ補正搭載

撮影状態の本体前面

撮影状態の本体前面

撮影状態の本体背面

撮影状態の本体背面。カバーを閉じると、撮影時に使うボタン類は隠れる仕組み

デジタルカメラとしての撮影機能は、“ダブルでぶれない”のキャッチフレーズで好評を博した『DSC-T9』(2005年11月発表)と同等で、有効画素数約600万画素のCCD、光学式手ぶれ補正機能、光学3倍ズームレンズ、などを搭載する。手ぶれ補正にISO感度1000相当の高感度を組み合わせることで、被写体ブレに強い点を特徴としている。なお、2月に発表されたサイバーショット新製品が備える顔検出機能は備えていない。

撮影時の液晶ディスプレー画面のサンプル

撮影時の液晶ディスプレー画面のサンプル。カメラの設定状態が左側に一覧表示されている

また、新たに“手持ち夜景”モードと称する撮影モードを搭載。三脚等を使わずにきれいに撮影するのが難しかった夜景を撮る際に、1回の撮影操作で2~6枚の写真を自動で撮影し、それらを合成してブレのない1枚の写真を作りだすことを実現している。

付属のバッテリー(NP-FR1)駆動による標準撮影可能枚数は約280枚(CIPA規格)。記録媒体としてメモリースティック デュオ/メモリースティックPROデュオに対応する。内蔵メモリーでの撮影可能枚数は、600万画素撮影時で約600枚。MPEG-4ビデオ(解像度640×480、30フレーム/秒)なら約1.5時間分の撮影が可能である。

レンズカバーを閉じた状態

レンズカバーを閉じた状態。フラットなフェイスには非常にシンプルで、『DSC-T100』に通ずるものがある

付属のクレイドル

付属のクレイドル。充電機能やUSB接続の機能を提供する

バッテリーやメモリースティックは、下面右側のスロットに装着する

バッテリーやメモリースティックは、下面右側のスロットに装着する

発売日は4月6日の予定で、予想実売価格は7万円前後。

撮像素子 有効画素数
1/2.5型 約600万画素
レンズ
カール ツァイス“バリオ・テッサー”(F値 F3.5-4.4、焦点距離 f=6.33~19.0mm/35mmフィルムカメラ換算時 38~114mm相当)
ズーム機能
光学 3倍
液晶パネル
3.5型/約92万画素
バッテリー撮影枚数(CIPA準拠)
約280枚
サイズ/重量(撮影時)
幅113.8×奥行き25.3×高さ71.7mm/約238g

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