INAX、パナソニックも体験してみた!
期待通りの「ジョボジョボ感」であるINAX
TOTOと並ぶ衛生陶器老舗のINAXは、現在は統合により会社こそLIXILになったが、ブランドとしてその名前は健在。タンクレスのシャワートイレ一体型である「サティス」シリーズから、スマホ連携トイレを2013年に日本で初めて市販したのもINAXだ。
INAXの瞬間式(連続出湯式)取り付けシャワートイレ「パッソ」(約11万8000円~)の洗浄のタイプは主に「おしり」「おしりマイルド」「おしりワイド」「おしりワイドS」「ビデ」「ビデワイド」「スーパーワイドビデ」。
他に、貯湯式のシャワートイレ「KA」「KB」シリーズなどは気泡を加えた水で洗浄する「おしり泡ジェット」洗浄も備えている。そちらも気になるが、今回はパッソを体験できたので、その感想を述べる。
●おしり:おしりをしっかり洗える洗浄。
・感想:ピンポイント洗浄で満足感がある
線状の水がピンポイントでしっかり当たる。これぞ温水洗浄便座という満足感。なお威力を最大にしたらさぞや痛いだろうと思ったが、予想していたより過度ではなかった。よくできている。
●おしりマイルド:おしりを優しく洗う。
・感想:水の幅が太くなって刺激が抑えられた
通常のおしりがピンポイントで水の勢いもしっかりあったのに対して、確かに、マイルド。おそらく水の幅がやや太いのだ。水量もたっぷり感じられるのがよい。「強めが苦手」という人は、まずマイルドで水の感触を試しつつ自分にぴったりな刺激を模索するのがオススメ。
●おしりワイド:
ノズルが前後に動き、広い範囲を洗浄。
・感想:水のたっぷり感がものすごい! 噴水のよう
「バシュッ」とたっぷりの水が広範囲に当たる。威力を最強にすると、高々と上がった噴水のようなものすごい感じ。便座に隙間なく腰かけていないと周囲に飛び散るという危険性もある。
●おしりワイドS:ノズルが前後に小刻みに動きながら洗浄し、おしりを刺激する。
・感想:まるでパレード! おしりをパシュパシュ刺激
広範囲をムーブまでつけて洗浄。水量もたっぷり、当たっている水の刺激もたっぷりで何も考えられなくなる。ひゃっほー。ここまでしなくても、という感はある。
体験してみて、直線的な水とたっぷりした水量の「おしり」が、スタンダードであるが心地よい。ピンポイントに当たるのが苦手な人にはマイルド、ワイドといった選択肢があるため、ニーズを的確に満たしている。ただし、水をたっぷり使っている感じがするので水量が少し気になる。
ノズルはあえて、おしりとビデで別
INAXのシャワートイレは、ノズルをおしり用とビデ用で分けており、2本ある。おしり用とビデ用の管が同一であると衛生的に気になるという意見を組み入れてのものだ。使わないノズルはシャッター内から出て来ないという仕組み。
オートクリーニング機能で使用前後にたっぷりのお湯でノズルの内外を洗浄する。
優しくそつない「チャボチャボ感」のパナソニック
最後にパナソニックのシャワートイレを紹介する。パナソニックはTOTO、INAXより歴史こそ浅いが、それでも1980年台の松下電工時代にトイレの発売を開始している。自動洗浄やお手入れのしやすさにこだわった「アラウーノ」がタンクレス温水洗浄便座一体型の代表的なシリーズだ。
瞬間式温水洗浄便座である「ビューティー・トワレ」(約10万3000円~)の主な洗浄は「おしり」「おしりワイド」「ビデ」などがあり、ムーブやリズムをつけることもできる。シリーズ最高機種のM2には、最大約1.5倍の洗浄パワーが出る「バブル洗浄」が付くが、残念ながら今回は試せなかった。
なお、泡コート機能を搭載した温水洗浄便座の新シリーズが9月に登場する予定。
●「おしり」:スポット洗浄でしっかり洗う。
・感想:シャープな水で適度な刺激
ピンポイントにチャボチャボと洗浄してくれる。やや水の幅が狭く細く勢いも少なく感じられた。勢いを最大にするとピンポイントのため刺激が強く、思わずすぐに下げてしまった。
●「おしりワイド」:旋回ワイド水流でやさしく洗う。
・感想:適度な刺激のしぶきが気持ちいい
水の粒が細かく「水しぶき」という感じ。ムーブがついて幅広くバシュバシュ吹き付けてくれる。全体的にソフト。刺激を求めて勢いを最大しても過度にはならない。優しい洗浄を求める人にちょうどよさそう。
使用してみて、設置場所の水圧の関係もあるかもしれないが、他社より水の勢いは控えめに感じた。だが、スポット洗浄、ワイド洗浄ともに的を射ているため、強い刺激がないとダメという人以外であれば心地よく使えるだろう。
ステンレス製のノズルで衛生的
ノズルは、高位機種ではステンレス製の継ぎ目がないものを採用している。見た目にもスタイリッシュというだけではなく汚れを寄せ付けない性質があり、新素材にこだわるパナソニックらしい。一見ノズルはひとつだが、内部におしり用とビデ用で2本の管がある。
使用前と使用後の2回お湯で自動洗浄をする。
三社三様の心地よさ。意識をするとトイレの世界が広がる
今回、意識をして三社のウォシュレット、シャワートイレを使ってみたところ、それぞれ水の感触に差があることに驚かされた。特にTOTOは水粒ということで特徴的だった。「おしりワイド」を使った時のおしりに花火が打ちあがったような感覚は忘れられない。
設置状況によって同じものでも水量に違いがあるのことはもちろん、人によってどれが心地よいか好みで変わってくるだろう。とりあえずひとつ言えることは、各社の差を意識することでトイレの楽しみ方が増えるということ。
自分はどのウォシュレット、シャワートイレが好きだろうと考えながら、機会があれば商業ビルなどで試してみてほしい。夏の涼みと合わせておしりに潤いを!
トイレかわや版「これ尻たい!」
Q:ウォシュレット、シャワートイレがないトイレなんて入りたくない。行く先々できちんと水と洗浄したい
ナベコ「持ち運び用のを買いましょう。 実は携帯用おしり洗浄器もいろいろと市販されています。オススメは見た目もスタイリッシュなパナソニックの『ハンディ トワレ』。給水器でお湯を入れるだけで手軽に使用できますよ。価格は6000円前後。高いか安いか捉えるかはあなた次第。
※トイレの写真は2013年に撮影したもの