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デベロッパーもうなる! フォトリアルな眺望シミュレーションで建物の魅力を訴求など、PLATEAUを活用したビジネスプランに注目

「PLATEAU Accelerator」成果報告会レポート

特集
Project PLATEAU by MLIT

提供: PLATEAU/国土交通省

この記事は、国土交通省が進める「まちづくりのデジタルトランスフォーメーション」についてのウェブサイト「Project PLATEAU by MLIT」に掲載されている記事の転載です。

 2023年9月29日、「PLATEAU Accelerator」第1期生全8組による成果報告会が開かれた。「PLATEAU Accelerator」は新規事業の創出を伴走型で支援する、Project PLATEAU提供のプログラム。これまで行ってきた開発イベントから生まれたアイデアやシーズなどをビジネス化するための施策として2023年度にスタートしたものだ。ここでは、発表のあった全8組のビジネスプランを紹介する。

新たなイノベーションを創出する

 「PLATEAU Accelerator」は2023年7月から9月末まで2カ月にわたって行われた。8組が参加し、講義やワークショップ、個別メンタリングを通して、PLATEAUを活用したアイデアやシーズを基にした新規事業創出を図る(参考記事)。株式会社アドライトの運営協力のもと、合計4回の講義、ならびに3回の個別メンタリングを提供した。

PLATEAU Acceleratorの特徴

 2カ月のプログラムを通じ、参加者には事業テーマの選定、顧客と提供価値の策定、事業計画の作成、数値計画の策定といった4段階のテーマで講義を提供した。さらに、事業テーマ、事業計画、数値計画策定に関しては個別メンタリングにおいて各チームの検討状況に合わせたサポートを行った。9月に開催したこの成果報告会では、各チームが最終的な事業計画を発表するという形だ。

PLATEAU Acceleratorの流れ

 発表する8組は次のとおり。

登壇者一覧

 発表を受けて講評するのは、橋本裕太氏(三菱地所株式会社新事業創造部)、木村正明(株式会社アドライト)、内山裕弥氏(国土交通省)の3名。各チームの発表時間は5分、質疑応答に3分の時間が設けられた。さっそく各チームのビジネスプランを見ていこう。

三菱地所株式会社 新事業創造部 主事 橋本雄太氏

株式会社アドライト 代表取締役CEO 木村忠昭氏

国土交通省 総合政策局 情報政策課 IT戦略企画調整官/都市局 都市政策課
デジタル情報活用推進室 内山裕弥氏

太陽光発電の最適化と普及

 まず、エストニア発スタートアップ企業Rexplorer Ltd.のHundt Hendrik(フントゥ ヘンドリック)氏がオンライン登壇し、太陽光発電の普及および最適化をサポートする事業計画を発表した。「3D solar energy modelling」という独自技術で、3Dデータからその建物の屋根に太陽光パネルを置いた際の発電効率を算出し、太陽光パネルの設置計画を自動で検証する。すでにエストニアの国有電力会社で使われているほか、フランス、ドイツとも取引を開始する予定だという。

3D solar energy modelling

 日本市場への参入に関しては、PLATEAUのデータが活用できるという点が大きな要素になっている。先行して事業を進めているヨーロッパで使われているのが、やはりCityGMLのデータ(LOD2)なのだ。つまり、構築したシステムをそのまま使うことができる。

パートナーと収益

予算

 パートナーとして考えているのは電力会社、不動産会社、建設会社、および市町村。たとえば、1つビルの屋上に導入する太陽光パネルの費用対効果を出すためのモデルを作るのに925円と試算し、日本の個人住宅における太陽光発電(PV)市場が約20万件の規模であることから、売上は年に27,750,000円になるとする。2年目には黒字化になる見込みだ。

 質疑では、橋本氏から顧客となる企業のメリットについての質問があった。それに対し、取引相手になる企業側のメリットとして、「これまで手作業で行ってきた太陽光発電の費用対効果の算出や発電効率の計算を自動化できること」を改めて挙げた。また、一般消費者にとっても、「自宅の屋根に太陽光パネルを設置するとどれだけ発電できるのか」が、自宅の住所があればわかることで、太陽光発電の普及につながるとした。

地域メタバース「ちいめた」

 続いて、武村達也氏が地域メタバース「ちいめた」の構想を発表した。武村氏は、会社員の傍らプライベートで「バーチャル広島観光ツアー」や「バーチャル呉花火大会」などを手掛けている。「ちいめた」は、自治体や地方の諸団体向けに特定の地域を再現したメタバース空間を安価で作成し、運営するサービスだ。バーチャル観光ツアーやバーチャル花火大会などのイベントを開催するなど、バーチャル上でのコミュニティを形成する。さらに、リアル世界においても何らかのリワードを用意し、リアルでの創客/送客につなげ関係人口の増加を図るとする。地域メタバースを通して地域社会の活性化と持続発展を目指すというものだ。ビジョンは「日本中が自分の故郷、自分の町になる」。

背景とミッション

ビジネスモデル

 自治体、観光協会など地方創生を考えている各種団体にとって気軽に作れるメタバース、没入感のあるイベントを企画して、その対価として製作費/利用料を得るビジネスモデルを想定している。市場規模は、PLATEAUが現在3D都市モデルを整備している都市で計算すると約5億円。武村氏の地元広島市で考えると約3000万円というところ。

 メタバース市場は競合も多いが、作ったあとのフォロー(インタラクティブな仕掛けの提案)や、PLATEAUのデータ活用によって(一部フォトグラメトリーを使うなどして)現実感のあるワールドを実現できることが、差別化のポイントになると考えているという。また、PLATEAUは無料で商用利用が可能なためコストを抑えることができるとしている。

市場規模と差別化・リスク

 当初はB2Bで実績を作り、4年目にB2Cへ参入、6年目に売上1億円というロードマップを描いており、まずは地方創生やイノベーションをテーマに自治体と仕事をしている企業をパートナーにして、営業をかけていきたいという。

 内山氏から「メタバースのプラットフォームとして既存のサービスを使うのか、自前で実装するのか」という質問があったが、武村氏は「自分で作ることを想定している」と回答。最初の一年間はR&Dに集中するという。また、橋本氏からは、「参加者から見たとき、何がPLATEAUを使っているからこそのプレゼンスになるか」という質問があった。それに対し、武村氏は「自分が知ってる街が3D空間上に出てくることに新鮮な感動がある」と分析している。

PLATEAU Window

 「PLATEAU Window」はまだ見ぬ風景の価値を創造するサービスとして2022年のハッカソンで生まれ、その年のPLATEAU AWARDでも入賞している作品だ。建物の窓から見える風景をシミュレーションして表示するというもの。

 チーム「PLATEAU Window’s」の鈴木裕之氏、河野円氏は、都市開発や建設などに携わる人たちと話をする中で今回のビジネスプランにつながるシーズを見つけたという。たとえば、商業ビルはビルが完成する前から、テナントの募集や調整が始まる。そのため、日当たりはどうかといった情報を図面や資料からわかるようにしておく必要がある。では、実際どういう方法を採っているかというと、建設現場に行ってクレーンを立てて高さをシミュレーションし、資料のための写真を撮るのだという。今回、そうした形で営業用資料を作っている人たちをサポートする営業支援ツールとして「PLATEAU Window」を提案する。

「PLATEAU Window」(デモの一場面)

 デモでは、「Shibuya Sakura Stage(2023年11月にオープン予定)」のシミュレーションが映像で紹介された。24時間365日、雪や雨、晴れといった天気のシミュレーションも可能で、当該のテナントと関係性のある周囲のビルにマーキングをすることもできる。こうした操作がスマホ経由で可能となっている。

 ビジネスプランは2つ。1つは動画のプランとして、指定された階数とフロア位置、日時からシミュレーションし、高画質の動画で提供する(4K、8Kにも対応する)。もう1つは、スマホからいつでも気軽にシミュレーションできるストリーミングプランだ。

2つのビジネスプラン

サービスとしての独自性

 サービスとしての独自性は、国土交通省が定めた空間情報クオリティーでシミュレーションすることによる信頼性、属性情報の利用が可能であることと、フォトリアルな表現にある。位置・地図情報関連市場は年々伸びており、PLATEAUを積極的に活用したビジネスになると考えているとしている。

 質疑では、橋本氏から質問があった。「建設中のビルから見える風景を切り取るというシーンを想定するとドローンなど、ほかにもソリューションが考えられる。そうした競合がある中、価格帯を含め、優位性をどう捉えているのか」。

 これに対して河野氏は、ドローンとの比較で、まずPLATEAU Windowの自由度を上げる。たとえば、ドローンは飛べる範囲が限られている。その点、「PLATEAU Window」はドローンを飛ばすよりも気軽に使える。一方で、価格についてはドローンを飛ばすよりは高くなる。ただ、2回目、3回目、4回目となってくると結果的にはドローンを使うよりも安くなるという。

 また、木村氏からの次のアクションは何かという質問に対しては、今回は商業ビルをターゲットにしているが、賃貸マンション向けにも展開していきたいと述べた。

空間営造プラットフォーム「EXP.OS」

 廖醇祖(リョウ・ジュン・ソ)氏と田頭亜里氏が提案するのは空間営造プラットフォーム「EXP.OS」。2016年に廖氏が同名の会社「空間営造」を香港で立ち上げ、2022年に東京オフィスを開設。その後、2022年のPLATEAU AWARDに参加するなど、生活者や物件管理者として直面する地域課題に対して、継続的に取り組みを進めてきた。今回は、生活者として直面する建物や都市空間の課題改善に資する情報の管理・運営を目指した空間営造プラットフォーム「EXP.OS」の提案を行った。

 背景にあるのは、空間資源マネジメントという考え方だ。廖氏は、都市における課題として空間の需要と供給、運営能力の不均衡があると指摘する。続いて田頭氏は、空間には人をつなげる役割・効果もあれば、人が争うもとになってしまうケースを示した。例えば、ある日突然、自宅の前にあった大木が伐採された際、関係者との対話の機会がなく、伐採の経緯がわからないというケース。また、自己の所有物件で、管理期間中の建物情報が開示されず利用状況がブラックボックスとなることで、居住者の生活環境の質低下、不動産流動化の阻害リスク等に起因するケースなどがあるという。

 こうした生活者として直面する課題・経験を踏まえ、人と人とがつながる要素である空間に対して、人の意見を取り込む対話プロセスであったり、そのために建物の情報を可視化・透明化することが重要と感じていると、本取組みの背景を語った。

空間資源マネジメント

 現在、生活者の立場として、地域住民などや行政関係者と相談しながら、パブリックスペースにおける防災まちづくりなどのイベントや、所有建物の入居者と建物情報の見える化の取り組みを進めており、その中でPLATEAUを活用した空間営造の事業を進めているという。「EXP.OS」を介したデータ収集・合意形成によって、人と人とがつながる豊かなまちづくりを生活者視点で展開するとプレゼンした。

「EXP.OS」のイメージ

 質疑では、内山氏からソリューションについて、「どのような情報をプラットフォームに蓄積して、それを使ってどのような課題を解決するのか」と具体的な中身を問うコメントがあった。それに対し廖醇祖氏は、「ここでいう資源はホテルや建物だけではなく、自分の時間、経験、知識、すべてが資源であり、『EXP.OS』ではそれらを個人から事業者まで貸し借り可能なものとして扱う」とした。

災害対策シミュレーションゲーム「NOA」

 百武優一氏は、自然災害による犠牲者をゼロにしたいということから災害対策を学べるシミュレーションゲーム「NOA」を構想した。PLATEAUを用いて日本全国の都市を再現したゲームで自分の住んでいる地域に特化した災害対策ができる。

 有名な都市だけでなく日本中の都市を網羅し、その都市内で疑似的な災害が起き、さまざまな試練を乗り越えながら避難所を目指すというもの。ゲームを楽しみながら、自分の住んでいる地域の避難所までの経路を確認できる。ストーリーを体験することで、例えば2次元の地図ではわかりにくい立体交差の部分での避難経路などがわかるという。

災害対策シミュレーションゲーム「NOA」の概要

 一般向けと教育機関向けの2つをターゲットとし、一般向けにはゲーム要素が高いもの(たとえば街を襲った怪獣によって併発された地震や津波などの災害から避難して、潤滑に避難が完了すれば怪獣に対し自衛隊が即座に反撃できるというようなストーリー)、教育機関向けには、先生役・生徒役など集団での避難訓練を擬似的に行えるというものサービスを提供する。ゲームの場合、収益源として広告収入および課金、教育機関向けには主にライセンス契約を想定している。

ターゲットに合わせたコンテンツの展開

想定するビジネスモデル

 まずは開発、需要調査の期間を取り、その後、需要に応える形で要望のある地域に提供していく。「災害は攻略可能」として、正しい知識をもとに適切な行動を取れば被害を最低限に抑え、災害による犠牲者がゼロになるような社会の実現を目指すとした。

 質疑では、木村氏から「具体的に想定している災害やエリアがあるか」などの質問が出た。百武氏によると、現在はテスト的に新潟を舞台に津波が発生した場合を想定して作っているという。そして「将来的には複合ハザードマップとして、津波以外にも地震、土砂災害など全部まとめたものを作りたい」と述べた。

 また、橋本氏からはゲーム要素として仕掛け的なものを考えているかという質問が出た。これに対して、百武氏は「地震の際には液状化や火災などにより普段の避難ルートが使えない場合もあるので、そういうときに適切な対処ができるかどうかをゲーム要素として盛り込もうと考えている」とした。

 内山氏からは、競合の多いテーマだとしたうえで、いかにコストをかけずにクオリティを上げるかが重要になってくるのではないかという指摘があった。

ドローン3Dプラグイン

 大洞勝彦氏はドローンを飛行させる際のシミュレーション、および飛行時のモニタリングができるツールを提案した。デモとして、まず飛行経路のシミュレーションおよびドローン視点での表示、地形測定のシミュレーションを紹介した。ヘリ型、飛行機型いずれにも対応し、半透明の四角錐がカメラの視野範囲を示し、撮影箇所が緑の範囲となる。なお、地形に沿った自動飛行シミュレーションも可能となっている。

ドローン3Dプラグイン

 ドローンの制御アプリが基本的に二次元の地図で展開されていることから、3D地図を使った飛行経路の確認には需要があると大洞氏は見ている。実際、二次元の地図では建物や地形を考慮した飛行経路の設定は難しい。そこで、PLATEAUを使ったドローンの飛行経路確認ツールを構想したという流れだ。

 サービス構成は、クラウドを介してドローン制御アプリと接続し、PLATEAUデータを読み込んだシステム上にドローンをリアルタイムに表示するというもの。操作はタブレットやPCからアクセスして行う。

 ターゲットはドローンメーカー、自治体、運輸業界、建設業界。収益は、初期費用とサポート料金、サーバー費用(実費)を想定している。まだ開発中ではあるものの、ロードマップとしては来年からドローンメーカーへの提供開始、次に自治体、運輸業界へ提供範囲を拡大し、2027年には機能拡張(AR/VRへの対応)を行うことを考えているとした。

サービス構成

ビジネスモデル

 質疑では、内山氏から競合の多い分野であること、独自性の出し方が難しいという指摘があった。大洞氏はスタートアップのドローンメーカーをターゲットに技術力で勝負していくつもりだという。

郡山市地域ガチャポン化「郡山箱庭旅行」

 郡山市の学生チーム「PocketCrafters」の星佳甫氏、園田駿希氏が発表したのは「郡山箱庭旅行」。郡山市のさまざまな場所のフィギュアを、カプセルトイで楽しむというもの。地元・郡山市を広めたいという気持ちと、3Dプリンター/3Dモデルの活用を推進したいというモチベーションから始まったプロジェクトだ。

 カプセルトイを作ってみたい人、カプセルトイに興味がある人たちを視野に入れつつ、ターゲットは海外や県外から郡山市を訪れる人たちに設定している。特産物や建物の見どころなどを記載したミニブックをカプセル内に入れることも考えている。

カプセルトイ「郡山箱庭旅行」のフィギュア

 カプセルトイの売上を収益の中心とは考えておらず、あくまで「PLATEAUを使えばこういうもの/ことができる」であったり、ものづくり体験のワクワクドキドキ感の提供をメインに据える。そのためカプセルトイ自体は原価も含めて安価に抑える。郡山市内の地域を対象に新たなカプセルトイ用ジオラマを作る場合は、材料費や制作費込みで3000円で受け付ける(送料は別)。

「郡山箱庭旅行」の概要

 すでに、第一弾として郡山市磐梯熱海観光物産館での設置準備を進めている。今後、ジオラマにした場所や施設を中心にネットワークを広げていく想定だ。将来展望としては、今年度、個人による事業としての設立を目指すという。さらに、カプセルトイもただのインテリアとしてのフィギュアだけでなく、写真立て、植木鉢などさまざまなアレンジにもチャレンジするつもりだという。地元特有の材料を使う、フォトコンテストや勉強会を開催するなど地域交流も盛り上げていきたいと語った。

ターゲット

収益計画

 質疑では内山氏から、知っている人にとっては「郡山のここが欲しい」と盛り上がることにもつながり、知らない人にとっては地域を知ることができるという良いソリューションだというコメントがあった。

プラトーに街の課題を書き込み共有する仕組み

 2022年のPLATEAUハッカソン、PLATEAU AWARDにも参加した「すPLATEAU~ん」から、今回、阿久津好太氏が構想を発表したのは、"プラトーに街の課題を書き込み共有する仕組み"だ。「すPLATEAU~ん」はPLATEAUの地図を使って、その上にマーキングして書き込みができるというARアプリ。その管理モードを転用し、交通事故の削減という社会課題にソリューションを提供しようというもの。

プラトーに街の課題を書き込み共有する

ゴールは交通事故のない社会

 小学校の通学路や地域の安全マップは、基本的には学校やPTAが中心となって学区や学校ごとに作られている。正確さという要素もあるが、問題はそれらが点として存在し、つながっていないこと。たとえば、隣の学区の通学路とは道が隣接していても連携することは難しい。そこで、PLATEAUのデータを読み込んだ地図をプラットフォームに、各学区の通学路の情報、あるいは危険な場所などを書き込んでいけるサービスを提案する。

 ターゲットペルソナは小学生の子を持つ親世代。子どもと近所や通学路を歩きながら、「この道は夜暗いので危ない」とか「ここは空き家になっていて危険」といった情報を、アプリで開いたPLATEAU上に書き込んでいく。親子で話しながらこの問題を一緒に考えることができるという意味でも利用しやすいツールになる。

 ビジネスモデルとしては、理想的な社会を実現するというゴールの前に、ある程度データベースができてからカーナビのメーカーなどに買ってもらう、あるいは自治体のサービスに組み込んでもらうなどを想定している。空き家情報の記録、クマの出現ポイント・エリア、町内会の備品を収納した倉庫の情報など、小さなレベルから始めて、みんなが記録をしていくよう広げていくと述べた。

ターゲットペルソナへの提供価値

 質疑では、木村氏より、記録されたものを見る、広めるモチベーションについてアイデアがあるとよいというアドバイスがあった。

 以上が、全8組のビジネスプランの紹介だ。さまざまな分野におけるPLATEAUを活用したサービスの可能性が見えたのではないだろうか。最後に、講評にあたった3人からの総評をまとめておく。

三菱地所株式会社 橋本氏:
我々は、丸の内を中心にまちづくりをやっている会社というところで、我々の事業とシナジーのあるすばらしい提案・アイディアをたくさんいただいたと思います。不動産業界はいま人手不足、サステナビリティの対応、災害対応など、課題が非常に山積しているという中で、みなさんのアイディアとPLATEAUの3D都市モデルを掛け合わせると、これだけ課題解決につながる、付加価値創出につながるということが非常に勉強になりました。不動産業界そのものを大きく変えていく1つのきっかけになる一日だったかなというふうに思います。みなさんとお仕事ができる日を非常に楽しみにしております。

株式会社アドライト 木村氏:
今回のアクセラレーションプログラムを我々のほうで提供させていただいたのですが、今日、改めてみなさんのアイデアをお伺いして、本当に様々な方向性で具体的なことが考えられているなと思いました。また、過去のハッカソンやアワードなどの参加者の方がたくさん参加されているということで、一種、エコシステムのような系が形成されつつあると感じます。ここから、いろいろな形でPLATEAUを通じた事業や企業がどんどん出てくるといいなと思いました。

国土交通省 内山氏:
みなさんの発表がいずれも非常に面白く、かつビジネスとしても可能性を感じるものばかりだったかなと思います。本当にこれビジネスになるなと思ったものも結構ありました。ぜひ、今日をきっかけにビジネス化を進めていただければと思います。PLATEAU初のアクセラレーションプログラムの取り組みとして大きな成果だと思います。新しい展開とかポテンシャルを感じさせる良いイベントになりました。みなさん、どうもありがとうございました。

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