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予算は25万円前後、エアフロー重視でゲーミングPCを自作

日蝕をモチーフにしたデザインも冷却性能も優れた簡易水冷CPUクーラー、MSI「MAG CORELIQUID E360 WHITE」

文●石川ひさよし 編集●ASCII

提供: エムエスアイコンピュータージャパン

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 MSIから簡易水冷CPUクーラー「MAG CORELIQUID Eシリーズ」がリリースされた。MSIの簡易水冷CPUクーラーは、ゲーミング向けあるいは無骨系のデザインを採用していたが、このMAG CORELIQUID Eシリーズは円筒形ヘッドデザインで装飾控えめ。最近ではゲーマーでもシックなデザインを好む方が増えており、そうしたニーズにマッチする。そしてクリエイターPCにもよい選択肢となりそうだ。

MSI「MAG CORELIQUID E360 WHITE」 実売価格は2万4000円前後
MSI「MAG CORELIQUID E240 WHITE」 実売価格は2万1000円前後
ホワイトモデルはともに10月20日(金)発売

日蝕をモチーフとした美しいデザイン

 MAG CORELIQUID Eシリーズにはラジエータのサイズ違いで36cmクラスのE360、24cmクラスのE240があり、それぞれにブラックモデル、ホワイトモデルが展開されている。対応CPUソケットはIntel LGA115x/1200/1700、AMD AM4/AM5/TR4/sTRX4。Intel CPUではメインストリームを、AMD CPUではメインストリームおよびThreadripperをカバーする。

 ラジエータのサイズは36cmクラスのE360が394×119.2×27mm、24cmクラスのE240が277×119.2×27mm。それぞれのクラスの製品としては標準的なサイズ感なので、組み込みたいPCケースのラジエータ適合サイズを確認することで組み込み可否を判断できる。

 簡易水冷CPUクーラーを選ぶ理由はまず冷却性能だ。空冷CPUクーラーはソケット上にヒートシンクとファンを置くため、大型化にも限界がある一方、水冷CPUクーラーはチューブを介してラジエータで冷却するためPCケースの対応にもよるが大型化が容易だ。現在のCPUでは冷却性能次第でブーストのクロックと持続時間が決まるため、ハイエンド〜ミドルレンジのユーザーで水冷CPUクーラーを組み合わせることが多い。

 MAG CORELIQUID Eシリーズも、パフォーマンスを求めるユーザー向けの製品だ。なお、PCパーツの型番で「E」と見るとエコノミーの「E」を連想しがちだが、本製品の「E」は別の意味である。

 まずはデザインをご覧いただきたい。これまでMAG CORELIQUIDシリーズはゲーミング向けのデザインを採用してきた。MAG CORELIQUID R V2シリーズは丸い水冷ヘッドにドラゴンエンブレム、MAG CORELIQUID MシリーズはマザーボードのTOMAHAWKシリーズに合わせた無骨なデザインといった具合だ。

 MAG CORELIQUID Eシリーズは、ゲーマーの中でもシックなデザインを好むゲーマー、あるいはクリエイターにも訴求できるデザインだ。シンプルな円筒形の水冷ヘッドで、フチの部分はメッキによってラグジュアリー感を高めている。ヘッド上部は外周に沿って一段凹んだ部分を設け、中央のmsi(小文字)ロゴのある丸いプレートが浮かんで見えるようなデザインになっている。

円筒形の水冷ヘッドはシンプルかつメッキで質感高め

 MSIによればこのデザインは「時の流れと皆既日食」をモチーフにしているとのこと。つまりMAG CORELIQUID Eシリーズの「E」はEclipse(蝕)の「E」ということになるのだろう。そしてそれはLEDを点灯させると分かりやすい。このヘッドでは、msiロゴのあるトップ部分の丸いプレートの下、奥に隠れるようにARGB LEDが仕込まれている。乳白色のカバーも付いているので、光は拡散される。LEDを点灯すれば、プレートのある中央が太陽を隠す月、その下にあるLEDは間接照明としてやわらかなリング状の光り方をする。正面からは皆既日食時のコロナのような見え方に、斜めからならダイヤモンドリングのような見え方もするわけだ。

角度によって印象が変わる日食をモチーフとしたデザイン

 ラジエータ用ファンは固定穴以外の部分をシェイプしたフレーム形状で、これ自体はMSIのMAGグレードの簡易水冷CPUクーラーでよく用いられている。ただし若干、固定部の制振ラバー形状が異なるので、最適化が進められたものになるのだろう。今回お借りしたホワイトモデルはもちろんホワイト。写真ではやや黄色みがかっているが、ベージュではなく純ホワイト。MSIのほかのホワイトパーツと同じホワイトだ。ブレードと軸は乳白色をしており、軸内部にARGB LEDが搭載されている。すなわちここのLEDもやわらかな光になる。ギラギラLEDが好みでない方も、このくらい拡散されたやわらかな発光ならそこまで気にならないだろう。

ファンは従来からのデザインを継承しつつも若干の違いがある

LEDを点灯させてみた

冷却性能面もアップデート

 パフォーマンスに関するスペックを見ていこう。まず水冷ヘッドでは熱交換部分、内部の銅製マイクロチャンネルを最適化していると言う。ヒートシンクのようなマイクロチャンネルの溝内を冷却液が流れて熱交換を行なうわけだが、高さを増すことで表面積を拡大、熱交換の効率を引き上げていると製品サイトの写真は伝えている。ポンプ用のモーターは最大3000rpmとされる。けっこう高回転だが、3相モーターを採用しており、動作音はそこまで気にならない。静かなポンプだ。

ベースプレートの加工精度は高く、昨今大型化しているヒートスプレッダに合わせた大きめサイズ。固定部分からは3.5mmほど突き出ているのも特徴。けっこうな厚みだ

 チューブはやや硬めの印象だが、多相構造のメッシュスリーブ仕様とされている。簡易水冷で冷却液の蒸発が生じるのはチューブからが多く、ここをしっかりとした構造にすることで蒸発を防止していると言う。

 ラジエータは流路を12本設けた構造だ。透かしてみるとたしかにフィンとフィンの間の直線部分が12本確認できる。なお、製品サイトの図によると、MAG CORELIQUID Eシリーズや最近の製品であるMAG CORELIQUID Mシリーズの流路は往路6本、復路6本で左右に分けているが、MAG CORELIQUID Cシリーズ、MAG CORELIQUID R V2シリーズなどラジエータ上にポンプを置いていたモデルでは左右に往路4本ずつ8本、復路中央に4本といったレイアウトで異なる。

ホワイトモデルのラジエータ。内部には12本の流路がある

 ファンは一部スペックが未公開なので分かる範囲になるが、まず風量が25.5〜75.04cfmと12cm角ファンにしてはけっこう大風量だ。最大回転時、75.04cfmなると回転数も高めだと思われる。そして想像されるように動作音はまずまず大きかった。ただし、十分に冷却できるならば回転数を絞ることができる。実運用は別として、スペック的には回転数を高めにもってくるのは最近の簡易水冷CPUクーラーではよくあること。MTPが250Wを超えてくるような発熱の大きなCPUをカバーするためのスペックと言える。そのため、MTPが低い、ほどほどの発熱量のCPU向けに「NOISE REDUCER」と書かれた静音化ケーブルが付属する。

回転数を落とすNOISE REDUCERケーブルも付属する。ファンのPWM用ケーブルは3→1変換でまとめ、LEDケーブルはデイジーチェーンでつなぐ

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