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DevOpsのためのテスト自動化プラットフォーム「mabl」入門 第2回

アカウント作成とデスクトップアプリの導入、mablワークスペースの基本構成の理解まで

mabl 101 ~これから始めるローコードテスト自動化!~

2023年05月10日 09時00分更新

文● odasho(おだしょー)/mabl 編集● ASCII

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 皆さま、こんにちは。mabl(めいぶる)のodasho(おだしょー)です! 連載第2回は「mabl 101 ~これから始めるローコードテスト自動化!~」と題して、具体的にmablが提供するさまざまな機能や具体的な始め方、構成要素について解説します。

1. mablとは?

 mablは、テストの自動化プラットフォームをSaaS(Software as a Service)で提供しています。プログラミングの知識を持たないチームや組織の方でも、ローコード/ノーコードで簡単にテストを作成、管理、実行できるように設計されています。また、クロスブラウザテスト(複数種のブラウザにおける動作テスト)やデータ駆動テストをサポートしており、幅広いテストシナリオに対応します。さらに、他の開発ツールやCI/CDツールとの連携が容易で、DevOps環境に適した機能を提供しています。

 あらためてmablの主な特徴をまとめると、以下のようになります。

●ローコード/ノーコード:mablはローコード/ノーコードでE2E(エンドツーエンド)テストやAPIテストを作成できるため、テスト自動化に関する専門知識がなくても利用が可能です。
●クラウドベース:mablはクラウドベースであり、スケーラビリティやアクセシビリティが高く、複数の環境やデバイスでのテスト実行が容易です。ローカル環境での実行も可能です。
●単一プラットフォーム:mablの各テスト機能やインサイト提供などを含む全てのサービスは単一のプラットフォーム上で提供されています。
●網羅的なテスト:mablは、先述したE2EテストやAPIテスト、リグレッションテスト、パフォーマンステストだけでなく、EmailやPDFを含む顧客体験に沿った多様なテストを網羅しています。
●AI機能:mablはAIを活用して、テストの作成やメンテナンスを効率化し、変更に対応した自己修復機能(Auto Healing)を提供しています。
●CI/CDツールとの統合:GitHubやJIRAなどに代表されるDevOpsを実現するためのさまざまなツールとのインテグレーションを可能としています。

mablが提供している各種機能やサービス

2. mablアカウント作成とデスクトップアプリのインストール

 mablを利用するためには、まずアカウント作成が必要です。手順を以下でご紹介します。なお、mablでは2週間の無料トライアルを提供していますので、まずは気軽に試してみてください。

mablの公式サイトは日本語に対応しています

1. mablの公式サイトにアクセスし、画面右上にある「無料トライアルを始める」ボタンをクリックします。
2. 必要な情報(姓名、メールアドレス、会社名)を入力し、「お申込み」ボタンをクリックします。Googleのアカウントをお持ちの場合は「Sign up with Google」からのサインアップも可能です。
3. 登録したメールアドレスに確認メールが届きます。メールに記載されたリンクをクリックし、パスワードの登録を行います(「Sign up with Google」からサインアップした場合はこの手順をスキップできます)。
4. mablのダッシュボードにログインできます。表示言語は日本語もしくは英語が選べます。ここから「ワークスペース」(後述)が自動で作成され、テストの作成や実行ができます。

 アカウントが作成できたので、次はデスクトップアプリをインストールしましょう。mablでは、WindowsやmacOS(Intel/M1 Chip以降)だけでなく、Linuxにもデスクトップアプリを提供しています。なお、このアプリはChromeブラウザのコンポーネントを使用しているので、あらかじめChromeをインストールしておく必要があります。

Windows、macOS、Linuxから選んでデスクトップアプリをインストール

 インストールが終わったら、デスクトップアプリを起動して先ほど作成したアカウント情報でログインします。以上でmablの利用開始準備が整いました。

先ほど作成したアカウント情報でログイン

アプリのUIは日本語表示対応。ユーザー設定からダークモードも選べます

3. mablの構成要素

 使い始めるにあたって、mablの基本的な構造を理解しておきましょう。最初から細かい部分まで知っておく必要はありませんが、ここで基本的な構造を理解しておけば、これから多くのテストを管理していくうえで役に立つはずです。

 mablの構成要素は「ワークスペース」「アプリケーション」「環境」「プラン」「テスト」の5つです。これらの要素は異なる機能や目的を持っており、連携して効果的なテスト自動化を実現します。それぞれの構成要素について、以下で詳しく説明します。

mablのワークスペースの構造。ワークスペース内に設定できるアプリケーションや環境の数は無制限

●1. ワークスペース
 ワークスペースは、チームや組織、プロジェクトごとにテスト活動を整理・管理するための場所(単位)です。複数のチームメンバーを招待して共同作業を行うことが可能であり、後述するアプリケーションや環境、プラン、テストを作成・編集・管理できます。
 複数のワークスペースを作成することで、異なるプロジェクトやチーム、組織間でテスト活動を分離・管理できます。

●2. アプリケーション
 アプリケーションには、テスト対象のWebアプリやAPIのURLを指定します。複数のアプリケーションを複数の環境に紐付け可能で、テスト計画や実行結果を関連付けたり、統合テストを行えたりします。

●3. 環境
 環境には、上記のアプリケーション設定、環境変数、クレデンシャル(ログイン情報)など、テストを実行する際の条件を指定します。開発・ステージング・本番など、複数の環境に対応して、それぞれに適した設定を適用できます。

●4. プラン
 プランは、一連のテストをまとめたものです。テストの実行条件(実行対象とするブラウザの指定など)やスケジュール、通知などを設定できます。プランを作成することで、複数のテストを一度に実行したり、定期実行したりできます。
 また、プランはアプリケーションや環境と関連付けられ、それらの組み合わせでテストが実行されます。

●5. テスト
 テストでは、対象のアプリケーションで実行される個々の検証手順を設定できます。テストシナリオは、mabl Trainerを使用してブラウザ上で操作を記録し、自動的に生成されます。生成されたテストシナリオは、ダッシュボード上で編集や管理ができます。
 また、テストにアサーションを追加することで検証項目を具体化し、より厳密なテストが可能になります。テストはプランに関連付けられ、それに従って実行されます。

 mabl上では、これら5つの構成要素を簡単に設定・管理できます。構成要素を互いに連携させることで柔軟で効果的なテスト自動化を実現し、チーム全体が高品質なアプリケーション開発に貢献できます。

4. まとめ

 今回はmablでできることをあらためて確認し、使用準備を整えつつ、具体的な構成要素を大まかに理解しました。次回からはいよいよテストを作成していきます。記事の公開を待つまでもなく試してみたい方は、オンライン教材(mabl University)で学習を進めましょう。認定資格試験(mabl Skills Certification)も用意していますので、自信が付いてきたらぜひトライしてみてください。

 mablは今後のアップデートにより、さらなる多機能化や利便性向上が期待されています。定期的に公式サイトやドキュメントをチェックし、新機能や改善点を把握しましょう。また、mablユーザーコミュニティ(mablers_jp)に参加することで、他のユーザーと情報交換を行い、最新情報や活用方法を共有することもお勧めです。

 本記事の最後に、テスト自動化はあくまで品質向上の一手段であり、最終的にはチームや組織全体でアプリケーションの品質に対する意識を持つことが最も重要です。mablを活用してテスト自動化を進めつつ、全体感を持って品質意識を高め、継続的な品質改善に努めましょう。

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