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モーションリブ、産業機器から遠隔医療まで期待の力感触制御ICチップ「AbcCore」

CEATEC 2002「スタートアップ&ユニバーシティエリア」

 2022年10月18日から21日にかけて幕張メッセで開催されている「CEATEC 2022」。会場の一角には、設立9年以下のスタートアップ企業および大学と教育機関を対象とした展示エリア「スタートアップ&ユニバーシティエリア」が開設され、他のエリアと同様に来場者から注目を集めている。同エリアに出展するスタートアップのブースをピックアップして紹介する。

 モーションリブ株式会社が展示していたのは、力感触制御ICチップ「AbcCore」だ。ブースのデモ機で体験してみると、自分の手では直接触れていないのに、モノに触れている感覚が、レバーを押す手元にリアルタイムで伝わってくる。例えば、スポンジを押した際には、柔らかな抵抗と押し込む際の反発がダイレクトに感じられる。こうした特徴を生かして、機械を遠隔操作して物を扱う際に、柔らかく軽いものはやさしく、堅く重いものは強くなど、対象に応じた適切な力加減で触れることができる。

体験デモ機。右側のレバーを操作すると左側も同時に動く。左側で木片やスポンジに触れると、直接触れているかのように、その感覚が右側の手元にも伝わる。

 これを実現しているのが、2センチ角のICチップ「AbcCore」。微細な力加減を制御する技術「リアルハプティクス」を搭載し、高速なリアルタイム演算によって力加減を制御しているという。仕組みとしては、「AbcCore」に2台のモーターを接続し、互いの動きを瞬時に同期させることで、離れた場所の力の感触を伝えているという。

「AbcCore」の主な活用イメージとしては遠隔での医療やコミュニケーション、熟練技能者の力加減の再現、工場などにおける撹拌機器やモノをピックアップしたり移動したりする際のマテハン機器などへの導入、応用が期待されている。

 モーションリブは、慶応義塾大学ハプティクス研究センターから生まれた、2016年設立のスタートアップ。「AbcCore」を生かし、リアルハプティクスの導入を検討する企業との共同開発や提案、導入支援などを行っている。

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