メルマガはこちらから

PAGE
TOP

フカデンが開発した有線ドローン向け給電ユニットに、Vicorの電源技術採用

PR TIMES

Vicor株式会社
災害時に必要不可欠な通信基地局を空中に素早く構築


フカデンの有線給電システムを利用したドローンの通信基地局により、 自然災害時の通信サービスを素早く復旧できます。
Vicor Corporation(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Patrizio Vinciarelli、NASDAQ上場:VICR、以下:Vicor)は、株式会社フカデン(本社:愛知県豊田市、代表取締役:加藤 太、以下:フカデン)の開発・製造する、ドローン向け有線給電ユニットにVicorのDC-DCコンバータDCMシリーズが採用されたと発表しました。
このフカデンの有線給電ユニットは、通信基地局の機能を搭載したドローンへの電力供給に用いられ、災害時の通信サービスの早期復旧などに役立ちます。

世界中で、地震や津波、台風、豪雨、豪雪、火山噴火などの自然災害が発生しています。ひとたび甚大な自然災害が発生すれば、飲料水や食料、電力、通信などの供給が絶たれ、被災地は極めて不便な生活が強いられます。

電子機器メーカー・フカデンの有線給電システムを利用した、通信基地局の機能を搭載した有線ドローンを使えば、電力の供給が途絶えても、ポーダブル発電機を用いてドローン基地局から有線給電システムにより電力を確実に供給することができるので、災害時の初期対応として素早く通信サービスを回復できます。

フカデンは、日本国内の主要通信事業者と共同で、空中で飛行中のドローンにケーブルで電力を供給する電源装置、ドローン向け有線給電ユニット「電源制御BOX II メイン電源ユニット」の実証テストを行いました。この電源ユニットは、最大150mの長さのケーブルに対応し、最大1kWの電力を送電可能です。有線給電ユニットを3台並列に接続すれば、最大3kWの電力を送電できます。このユニットを用いて、無線通信基地局を載せたドローンを地上約100m上空にホバリングさせることで、直径10kmエリアに通信サービスを提供できます。

高電圧給電で、送電ケーブルを軽く、細く

フカデンが開発したドローン向け有線給電ユニット「電源制御BOX II メイン電源ユニット」(写真左奥)とVicorのDCMシリーズを2つ採用したドローン搭載電源部分(写真右前)

従来、有線ドローンのデメリットは、ケーブルの太さと重量でした。ケーブルが太いと重量が増し、より多くの電力を必要とします。重量が重くなるほど、必要な電力が増えるので、最新のセンサー、周辺機器、高解像度ビデオカメラなどの搭載機能が制限されます。

フカデンの有線給電システムを利用したドローンには、1kW~5kWの電力が供給されますが、給電電圧を従来のDC 24VからDC370Vに上げることで供給電流を約15分の1に低減できます。1kWの送電用ケーブルの重量は1メートルあたり125gから11.1gになり、ケーブルの重さを約11分の1に軽くすることができました。

DC370Vの高電圧給電では、負荷に合わせて降圧するためのDC-DCコンバータ・モジュールをドローンに搭載する必要が出てきます。DC370V をDC24Vに降圧するDC-DCコンバータにより、モーター駆動などのための24V電源バスに給電します。

当初フカデンは、一般的な降圧型DC-DCコンバータ・モジュールを搭載しましたが、重く、サイズがかなり大きいものでした。そのため、小型で軽量なVicorのDCM™に置き換えました。

VicorのDCM™シリーズは、絶縁型DC-DCコンバータ・モジュールです。高周波ゼロ電圧スイッチング(ZVS)技術を採用しており、変換効率と出力電力密度が高いことが特徴です。一般的なDC-DCコンバータ・モジュールと比べると、圧倒的に小型で軽いDCM™を用いることで、体積を約1/4に、重量を1/2以下に抑えることが出来ました。

より高性能の通信用ドローン向け有線給電システムを開発


Vicorの変換比固定コンバータ「BCM」を採用した電力供給ネットワーク (PDN)
また、フカデンは、VicorのDC-DCコンバータ・モジュールBCM(R)を採用し、最大9kWの電力を供給できる有線給電ユニットも開発しました。供給電圧をDC700Vまで上げることにより、さらに細いケーブルを使うことができます。Vicorの電源モジュールコンバータ「BCM(R)」を3つ並列接続して使っており、1台で最大4.5kWの電力を供給でき、このフカデンの有線給電ユニットを2台並列に接続して用いれば、連続で最大9kWの電力供給も可能です。

この電力供給により92時間のドローン稼動が実現し、直径10kmエリアの通信機能を維持できます。性能の向上により、あらゆる自然災害時の臨時通信基地局として役立ちます。


Vicorの小型・軽量の電源モジュールを使うことで、容易に設置できるドローン基地局が実現しました。フカデンの有線給電システムを利用した、ドローンを用いた移動可能な通信基地局によって、自然災害が発生したとき、素早く必要な通信サービスを復旧できます。日本だけでなく、世界の救援活動にとって大きな助けになります。


■ Vicorウェブサイトからもプレスリリースをご覧いただけます。
https://www.vicorpower.com/ja-jp/press-room/fukaden

■ フカデンの有線ドローンソリューションについて詳しく解説 (Vicorウェブサイト)
https://www.vicorpower.com/ja-jp/resource-library/case-studies/fukaden


Vicor Corporationについて
Vicorは、高性能なモジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、ロボティクス、鉄道、航空防衛アプリケーションなどへ向けて、広く事業を展開しています。
日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。
詳しくは、Vicorウェブサイト: https://www.vicorpower.com/ja-jp をご参照ください。

Vicor、BCM(R)は、Vicor Corporationの登録商標です。
DCM™は、Vicor Corporationの商標です。


フカデンについて
株式会社フカデンは、自動車工場の製造ラインに向けた生産管理システムや、各種製造工程向けロボット、航空宇宙機器向け高速デジタル回路基板などの設計、製造、販売を行う電子機器メーカーです。自動車工場の製造ライン向け制御盤などの設計、製造、販売を行う深田電機工業のエレクトロニクス関連部門が独立するかたちで、1991年9月に設立されました。ドローン分野では、有線ドローン向けの給電ユニット及び、ドローンの製造を行っています。

フカデンウェブサイト:http://www.fukaden.co.jp