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マカフィー、消費者のインターネット利用の意識調査を実施

日本の消費者はネットで「利便性よりも安全性」を選ぶ~世界10ヵ国調査

2022年02月05日 09時00分更新

文● せきゅラボ

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消費者のインターネット利用の国際意識調査:2022年

日本は「利便性よりも安全性」~世界10ヵ国調査

 マカフィーは2月4日、世界10ヵ国の消費者を対象に実施したアンケート調査「消費者のインターネット利用の国際意識調査:2022年」の結果を発表した。

 これは2021年11月、世界10ヵ国の20歳から60歳まで計1万人(日本から1000人)の消費者を対象にしたもので、調査結果によると日本の消費者は「オンライン上で自身や家族の情報漏洩のリスクを強く感じており、万全のセキュリティ対策を講じたいと望んでいる」ことが明らかになったという。

 今回の調査を通じて判明した、「日本の消費者のインターネット利用に対する意識で顕著な傾向」として下記の7つが挙げられる。

日本の消費者:7つのトレンド

1. 消費者は利便性向上より、安全な環境でのインターネット利用を優先
 「どこからでも他者と接続できること」と「いつでも完全に保護されていること」のいずれかを選択するよう尋ねたところ、「接続のしやすさ」(18%)よりも「強力な保護」(52%)を大きく支持する回答が得られました。これは職場においても同様で、「シームレス環境が確保されている職場の会議」を選択した回答者が11%であるのに対し、「安全性が確保されている会議」を選択した回答者は58%と、結果に大きな差が表れています。これらのことから安全性、および安全性によって得られる安心感は、本質的な価値をもたらしている傾向が見られました。

2. 消費者はコストをかけても、安全な接続を希望
 「コストの削減」と「安全性」のいずれかを選択するよう尋ねたところ、消費者は依然として安全性の高いセキュリティ対策を支持していることがわかりました。「安全な購入のためには購入代金の10%を追加で支払うこともいとわない」と回答した人が37%に対し、「より安い価格で購入できるなら連絡先情報が漏洩する危険を冒すほうがよい」と回答した人はわずか20%でした。

3. ゲーマーは、「無料」のオンラインゲームは利用せず
 個人情報に関するリスクがある場合、ゲーマーは無料のオンラインゲームを利用しないことがわかりました。個人情報を提供しなければならないとして、最新の没入型オンラインゲームを最高のパフォーマンスで試してみたいかどうか尋ねたところ、個人情報を共有してもいいと考えているゲーマーはわずか21%であるのに対し、過半数となる50%が最新ゲームをするために個人情報を共有する気はないと回答しています。

4. 健康管理でのAI利用には慎重な姿勢
 当社の調査では、「自分の健康管理のモニタリングをAI(人工知能)に委ねる」、あるいは「医療データはプライベートな情報としてモニタリングされず、機密性が保たれるほうがよい」かどうかを尋ねたところ、AIを試してみてもいいと考えている消費者はわずか 15% にとどまり、53%は自分の情報が保護された状態で安全に管理されることを望んでいる結果となりました。

5. 仮想通貨詐欺により、フィンテックに対する危機意識が増加
 調査対象者の35%が、特に個人情報や財務情報が危険にさらされていると感じていると回答しています。急成長を遂げるフィンテック市場への参入が増加し、仮想資産や仮想通貨を標的とする攻撃の新たな波に直面するにつれ、このリスク感は高まることが予想されます。

6. ワクチン接種証明書に安全な保護対策を期待
 回答者の3分の1以上(33%)が、2021年は公共の場や職場でワクチンやCOVID(新型コロナウイルス)に関するオンラインでの活動(情報へのアクセス、追跡、ワクチンの接種証明など)が増加したことを明らかにしています。しかし、その一方で、COVIDに関するオンラインの活動によりデータプライバシーの問題や個人情報の盗難につながる可能性があることへの懸念も示しました。

7. オンライン学習は、アフターコロナも一層定着
 利便性の向上と時間の節約のため、オンラインで学習したり、オンラインでの教育の選択肢を模索したりすることへの消費者の積極性は高まる傾向が見られました。依然としてCOVIDに関する懸念がオンライン学習の増加(49%)の推進力となっている一方で、多数の回答者が、このようなサービスをオンラインで模索する理由として利便性と時間の節約を挙げています(27%)。

日米消費者の相違点は?

 今回の調査結果では「2022年のオンラインでの活動や行動に関する予測」において日米の回答に類似した傾向がみられたという。具体的には日米ともに、ワクチン接種記録は紙ではなくデジタル(アプリ)を好んでいたという。一方、日本では「医療データの安全性と機密性の確保」よりも「病気と早く診断されること」を望んだが、アメリカでは逆の結果となった。

 また、セキュリティ対策のツールを使用したことがある人の割合も日米で明らかな開きがあった。VPNはアメリカが31%に対して日本は14%、パスワードマネージャーがアメリカ26%で日本は11%、そしてペアレンタルコントロールはアメリカ31%に対し、日本はわずか6%に留まった。

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