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超パワーなM1 Pro/M1 Max搭載のMacBook Pro登場 新型AirPodsも! 第21回

新MacBook Pro詳細ベンチマークテストでわかったメディアエンジンの効果は絶大

2021年11月28日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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M1 Proの「バッテリー」システム環境設定

「エネルギーモード」によるパフォーマンスの違いは大きくない

 速報のベンチマークテストでは、M1 Maxの「バッテリー」システム環境設定にある「エネルギーモード」を、「高出力」に固定して測定していた。このモードには、他にも「低電力」と「自動」がある。それらを選んだ場合のパフォーマンスが、どのように変化するのかも気になるところだろう。そこで、ここでは、それらの3つのモードを比較してみる。またM1 Proの「バッテリー」設定には、「エネルギーモード」こそないが、「低電力モード」というチェックボックスがある。

 この設定の趣旨は、M1 Maxのエネルギーモードで「低電力」を選ぶのと同じことだと考えられる。そこでM1 Proでは、この「低電力モード」をチェックしない標準状態と、チェックした場合の2通りについて計測した。対象機種は、M1 Pro搭載の14インチモデルと、M1 Max搭載の16インチモデルの2種類とした。

 エネルギーモードを変えてのテストは、GeekbenchとJetStream、さらにGFXBench(https://gfxbench.com/result.jsp)を加えた3種類を実行した。GFXBenchはGPUを使用した3D描画性能を計測するもので、多くのテストが含まれているが、今回はデバイスの解像度に依存しない「Aztec 1440p Offscreen」と「ALU2 1080p Offscreen」の2種類に絞った。まず結果の一覧を表に示そう。

エネルギーモードを変更してのベンチ結果一覧表

 この中から、まずCPU性能を表すテストをピックアップしてグラフ化してみよう。

エネルギーモードとCPU性能グラフ

 これから読み取れることをざっと表現すると、M1 Maxの「自動」モードと「高出力」モードは、今回の使用条件ではほとんど変わらない。それらに比べて「低電力」モードでは15%程度性能が落ちる。また、M1 Proの標準モードに対して「低電力」モードは、性能の落ち方がやや大きく、下げ幅は18%程度となる、ということになる。

 JetStreamによるブラウザー性能でもほぼ同様の結果となった。

エネルギーモードとブラウザー性能グラフ

 つまりM1 Maxの「自動」と「高出力」は、ほとんど変わらず、「低電力」モードは約10%ほどパフォーマンスが落ちる。M1 Proの「低電力」モードは、標準設定に対して約20%ほど性能が低下している。

 GPU性能とエネルギーモードの関係も、傾向としては大きく変わらないが、性能の落ち具合はCPU性能とは多少異なっている。

エネルギーモードとGPU性能グラフ

 ここから1つ分かるのは、M1 Maxでは、負荷が比較的長く続くような処理の場合、低電力モードと、それ以外のモードの違いが大きくなるということ。それは、低電力モードの目的を考えれば納得できる。低電力モードの目的は、電力消費を抑えるだけでなく、その結果チップの発熱も抑えることでファンの回転数も比較的低く保ち、騒音の発生を抑制することにある。ただし、M1 Proでは、負荷が長くかかるような局面でも、上のCPUテストと比べて低電力モードでの落ち込みの程度はむしろ小さかった。M1 Maxに比べてGPUのコア数が半分と少ないため、もともとGPUによる発熱は小さいためとも考えられる。

 いずれにしても、多くの場合、あえて「低電力」を選ぶメリットは、それほど大きくはなさそうだ。どうしても、という場合以外は必要ないだろう。またM1 Maxの場合は、通常は「自動」モードのまま使っても、まったく問題なさそうだ。

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