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世界最大のモバイル展示会「MWC」で見えたセキュリティのトレンド

2021年07月16日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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家でオンラインから、外でもオンラインへ

 スペイン バルセロナで開催されている世界最大級のモバイル業界の展示会、MWC(旧Mobile World Congress)。例年は2月頃に開催されるのだが、2021年はコロナ禍もあり、6月最終週の開催となり、リアルとバーチャルのハイブリッド形式をとった。

 さまざまな技術や製品が展示されていたが、中でも、「5G」が重要なトピックになっていた。5Gの特徴である大容量・多接続・低遅延は、多くの分野での活躍が期待されている。

 日本においては、国際的なスポーツの祭典が開催されることもあり、5Gの普及が2020年から一気に進むと考えられていた。しかし、世界中が社会的にも経済的にも不安になり、普及がやや妨げられた感がある。一方、在宅ワークの人口は増加し、「オンライン」になる人たちは増えた。

 今後、事態が収束していけば、現在のオンラインで快適に過ごす感覚を、人々は外出先でも求めるようになるかもしれない。そうなってくると、5Gが一層普及していくことが予想される。5Gは、高速で大容量のデータ通信を可能にするため、自宅での常時オンラインから、外出先でも常時オンラインを可能にする技術といえる。

 また、外出しにくいことから生じる運動不足を解消するため、ワークアウトのお供にウェアラブルデバイスを取り入れる人も増えている。最近では、ネットに接続して利用する家庭用のフィットネスバイクなども存在する。MWCでも、さまざまなウェアラブルデバイスやエコシステムが展示されていた。

 このように、刻々と変化する世界において、オンラインでアプリケーションやサービスを利用する時間が増えたことにより、サイバーセキュリティ脅威にさらされる機会も増加している。MWCの主要トピックは、モバイルの世界における今後のセキュリティのトレンドにも関わってくるといえよう。

とくに気をつけるポイントは?

 これまで以上にオンラインの安全に気を配らなくてはいけない時代。セキュリティで気をつけるポイントはどこにあるだろうか。

 まずはパスワードだ。個人情報や大量のデータなどをやり取りするとなれば、スマートフォンやPCなどのパスワードはより重要なものとなる。生態認証、多要素認証などのテクノロジーを採り入れたパスワードソリューションを利用したい。ログインの際に、電話番号(SMS)などによる認証も必要になる「2段階認証」(ログイン認証)などを設定しておけば、セキュリティはより強固になる。

 公衆Wi-Fiに接続するような状況では、とくに注意しないといけない。データを盗み見ようという人が出てくる可能性があるからだ。不正アクセスの不安なくフリーのWi-Fiを使うために、VPN(Virtual Private Network)を利用するのもよいだろう。

 IoTデバイスに関しても、以前にも増してセキュリティ面での配慮が必要。デバイスがもつプライバシーを保護する機能を知る、バージョンアップの情報などをチェックしておく、最新のパッチなどを適用する……などは基本といえる。

 また、現在進行系で気をつけなくてはいけないのが、フィッシング詐欺。外出しにくい情勢になったため、ネットショッピングなどの需要が増えている。不在通知など運送会社からのメッセージをよそおい、フィッシングサイトへ誘導するSMSの被害が増えているのだ。

 フィッシング対策は、個人情報をあわてて入力することなく、しっかり確認することが肝心だ。リンクは開かずに無視し、届いたSMSは削除する。万一サイトを開いてしまった場合は、個人情報やパスワードなどは入力せずにすぐ閉じよう。

 今回は、McAfee Blogの「モバイルの未来:Mobile World Congress 2021に見るトレンド」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

モバイルの未来:Mobile World Congress 2021に見る
トレンド:McAfee Blog

 2021年7月1日、Mobile World Congress 2021(MWC)が閉幕しました。オンラインで参加された方も、実際にハイブリッド・カンファレンスに参加された方もいらっしゃることでしょう。今日の画期的な技術はコネクティビティーの未来につながっているということを確信させるものでした。今年のイベントのテーマとして「コネクテッドインパクト(Connected Impact)」が掲げられ、柔軟に適応することが求められる刻々と変化する世界において、モバイル・コネクティビティーが果たす役割を的確に表現していました。今年のカンファレンスから、消費者が注目すべき4つのポイントをご紹介します。

今年のカンファレンスから見るトレンド

1.  私たちの世界をつなぐ5G

 COVID-19流行下においては、オンライン・コネクティビティーの真の力が試されることになりました。2020年は5Gの年になると言われていましたが、世界中が社会的にも経済的にも不安定な状況に陥ったことが、一時的に普及の妨げになりました。その一方で、レガシーテクノロジーにスポットライトが当たり、「ニューノーマル」が誕生しました。消費者は、在宅勤務に始まり、オンライン学習、大切な人とのつながりに至るまで、オンラインで快適に過ごす方法を急いで模索する必要に迫られました。 

 オンライン・コネクティビティーを促進するためには、再び5Gに脚光を当てるべきでしょう。5Gネットワークが公開されて2年が経過しましたが、ユーザーの多くは5GとLTEの違いを理解しているとは言いがたく、5Gの効果を実感するためには携帯会社が5Gネットワークの帯域として高周波数帯と低周波数帯を拡大させることが不可欠です。

 先日、Qualcommが先陣を切って第2世代のQualcomm 5G RAN Platform for Small Cells(FSM200xx)を発表しました。無線周波数を大幅に強化、世界中の屋内、屋外でミリ波の性能を発揮できるよう設計されています。Qualcommは、この技術の向上によってユーザーのモバイル体験の向上を狙っており、利用機会を刷新し、家庭、病院、オフィスなど、どこにいても5Gの機能と恩恵を体感できると伝えています。

2.  注目すべき新しいウェアラブルデバイス

 2020年は、日常生活においてテクノロジーとコネクティビティーが果たす役割が不可欠となった一年でした。従い当然のことながら、健康・ウェルネス関連技術への支出は18.1%増加しました。そして今、これからのポスト・ロックダウンの世界でテクノロジーが果たす役割と向き合う時期を迎えています。

 SAMSUNGは今年のMWCには登場しませんでしたが、Galaxy Watchとスマホの接続性を高める新しいインターフェースである新しいウェアラブルデバイス、One UI Watchの情報を提供しました。そしてGoogleとのパートナーシップの拡大、Galaxy Watchの性能の向上、バッテリー性能の向上、アプリのエコシステムの拡大について発表しました。  MWCでのハードウェアの発表はありませんでしたが、2021年の7月か8月頃に開催予定のGalaxy Unpackedのイベントでは、Galaxy Z Fold 3、Galaxy Watch 4などの新しいデバイスを発表する予定だということです。

3. エンターテインメントを楽しむためのタブレット

 2020年は創造的な芸術作品やエンターテインメントの消費と流通において、重要な役割を担うテクノロジーに注目が集まりました。ロックダウン中に自宅でコンテンツを楽しむ人たちにとって、ストリーミングプラットフォームとエンターテインメントを楽しむためのデバイスが重要な役割を果たしました。

 Lenovoは消費者のエンターテイメントのニーズに合わせ、MWC期間中に1台、2台どころではなく、5台の新しいAndroidタブレットを発表しました。一番大きいサイズのタブレットはYoga Tab 13で、内蔵キックスタンド、解像度2160×1350ドットの13型ディスプレー、最大12時間のバッテリー駆動が特徴です。レノボはこのモデルを、外出先でのストリーミングに最適な「ポータブル・ホームシネマ」と位置づけ売り込んでいます。加えて、6月のYoga Tab 13の発売に続き、7月にはEMEAでYoga Tab 11Tab P11 Plusを発売する予定であると明かしました。また、よりコンパクトで低価格なデバイスを希望するユーザー向けに、Lenovo Tab M8、Lenovo Tab M7を発表しました。いずれのモデルを選択するにしても、デジタルデバイスがコンシューマー・エンターテインメントの中心に位置する商品であり続けることは間違いありません。

4. 「さらにつながる世界」とモバイルセキュリティー

 今回のエキサイティングな発表が、モバイル技術とコネクティビティーの向上がもたらす未来の世界を的確に表現しています。モバイル・コネクティビティーの進化がライフスタイルを向上させた一方で、このようなデバイスに対する人気の高まりとテクノロジーに頼った消費生活は、攻撃をたくらむサイバー犯罪者の注目するところとなりました。

 オンラインでアプリケーションやサービスを利用する時間が増えたことによって、サイバーセキュリティーのリスクや脅威にさらされる機会が増加しています。 当然のことながら、昨年中、サイバー犯罪者たちはコネクティビティーが増加している状況をいち早く悪用しました。McAfee Labsでは、平均して毎分375件の新たな脅威が発生し、パンデミックを悪用したCOVID-19をテーマにしたフィッシングキャンペーン、危険なアプリやマルウェアなどを介した攻撃が、短期間で急増したことを確認しています。ユーザーが継続的にオンラインに接続、活用するにあたり、これまで以上にオンラインの安全に気を配り、あらゆる状況下においてセキュリティーを最優先事項にすることが必要です。予防策を講じることにより、モバイル主導の新しい世界になっても安全な生活を送ることが可能です。

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※本ページの内容は2021年7月1日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容です。
原文:The Future of Mobile: Trends from Mobile World Congress 2021
著者:McAfee

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。

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