工場視察時には「別の顔」も見せた:
アップル ティム・クックCEO来日の真意は
2019年12月12日 16時00分更新
アップル ティム・クックCEO。Apple表参道で 筆者撮影
2019年12月8日からの日程で3日間、アップルのCEO、ティム・クック氏が来日し、東京を中心に精力的に日程をこなしました。クック氏の来日は3年ぶりで、前回は京都での写真をツイートしました。
アップルはiPhoneを代表としたスマートフォン、タブレット、コンピュータ、ウェアラブルなどのハードウェア企業で、iPod以来音楽市場にも大きな変革を与えてきました。しかし今回の来日に同行していると、いままでと違った側面でアップルを見ることができそうです。
今回の視察は、都内のApple Storeを拠点にしながら、開発者、学生との交流を持ったり、アプリ開発企業を回ったり、サプライヤーを訪問したり。音楽、映画などのアーティストとの交流や、病院を訪問したことも重要なポイントと言えます。
そして、クック氏のTwitterには明らかにされていませんが、おそらく日本政府の要人とも面会していると思われます。そうだとすれば、話題は当然GAFA規制。マスメディア向けのインタビューでも、「GAFAを一括りにしないでほしい」と指摘し、あくまで「GAFA憎し」と規制を作ることを前提にしている現在の行政の姿勢に疑問を投げかける場面もありました。
●アップルが日本に寄せる期待
アップルにとって日本は、単独に国としては売上高第3位に付ける重要な市場です。実際、筆者はApple表参道で日曜日の夕方、クック氏への取材のために待っていましたが、店舗はびっしりと人で埋まり、iPhoneとApple Watchが次々に売れていく光景が見られました。
日本は比較的アップル製品に好感を持っていて、スマートフォンの販売シェアは5割前後を維持できている数少ない国でもあります。同時に、数々の重要なサプライヤーがひしめき合い、新しい製品のフォームファクターを構成する技術の開発パートナーとのコラボレーションが日々続いていると言います。
また、優秀なデベロッパーの宝庫であるともクック氏は指摘します。細部にまで配慮を深めたアプリの数々が日本のアプリの強みであると考えており、個人・企業の開発者の活躍、アプリビジネスの拡大、さらにはアプリ開発者人口の増加によるアップルプラットホームの強化に期待しているでしょう。
しかし今回面白かったのは、アーティストとの交流、そして病院訪問でした。
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