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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第57回

iPhone販売の拠点に:

アップル攻めの出店 日本で役割大きく

2019年08月28日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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 アップルは9月7日、東京・丸の内に新たな直営店「Apple丸の内」をオープンさせることがわかりました。場所は三菱ビルヂング1階部分で、かつてコーチのブティックがあった場所です。東京駅丸の内口から直接見ることができ、地下鉄千代田線二重橋前駅からも近い立地になります。

 オープンすると国内の直営店は9店舗となり、また2018年4以降の18カ月間で3店舗目と、異例のペースで出店を急いでいます。今回の新店舗も、新宿、京都、改装後の渋谷で採用された新世代デザイン(タウンスクエア)が採用されるそうです。すでにアップルの社内では、それがスタンダードであるため「タウンスクエア」という言葉は使われないようですが。

●ご当地デザイン

 京都がそうであったように、丸の内でも地域に根差したデザインが施されるそうです。

 京都では階段の手すりに、アップルの新たな本拠地、Apple Parkと同様に、人工石の白い床材や天井全面の照明、彫り込んだ手すりが採用されるなどデザインの共通化が施されつつ、壁は触れなければ気づけないほど精密な漆喰とされ、外から見た様子はまるで行燈のよう。和のテイストをうまく融合することに成功しています。

 では丸の内のモチーフは何でしょうか?

 実際に店舗予定地の周りを見渡してみると、歴史的な建造物が保存されつつ、その背後には巨大なタワーが立つ、という形式での建築が進められています。

 丸ビル、新丸ビル、日本工業クラブ、東京中央郵便局などを見ると、低層部分が30.3mの高さにビシッと揃っています。建て替え前、当時の高さ制限いっぱいとなっており、その部分を保存もしくは復元して、新たな建物が建てられているからです。

 散歩も楽しい日本の近代化の歩みを振り返る建築街でもある丸の内のこと。東京駅や三菱一号館のようなレンガのモチーフなのか、はたまた白壁に豪華なシャンデリア、ふかふかな絨毯といった演出になるのか、これはオープンまでのお楽しみ、ということになります。

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